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協奏曲G〜グリーグ


レーベルと品番、ジャケット写真は管理人が所有しているものに拠っていますので、現役盤と異なる場合があります。



グリーグ/GRIEG

Arte Nova
74321-340592

グリーグ:ピアノ協奏曲、シマノフスキ:協奏曲的交響曲
アルフレッド・パール(P)、エードリアン・リーパー(指)グラン・カナリアPO
録音:1994年(デジタル)
“強靭かつ多彩な表現力!心血を注ぎきった名演奏!”
ベートーヴェンのソナタでも衝撃の名演を繰り広げたペルルですが、ここでも甘いマスクから想像もできない逞しいタッチと心の琴線に深く触れる美しい弱音を駆使して、熟練言いたくなるほどの妙技を披露してくれます。フレーズ結尾での心を込めぬいた優しい風情などまさに本物のセンスの賜物!独特の色彩とリズム処理が面白いシマノフスキの作品も、この演奏で聴くとそのその魅力の虜になることでしょう!


VANGUARD
OVC-8205

グリーグ:ピアノ協奏曲、+グレンジャー:ランブル・オン・ラヴ(「ばらの騎士」の主題による)、カントリー・ガーデンズ
パーシ・グレンジャー(P)、ドライアー(指)デンマーク・オルフスO
録音1957年2月25日(モノラル・ライヴ)
“常識破り!グリーグ本人も驚喜したグレインジャーの凄腕!”
ただもう「凄い!」と言う言葉しか出ません。冒頭ティンパニのトレモロに続くピアノの最初のパッセージを通常のように区切らずに、眩いばかりのブリリアント・タッチで猛獣のように弾きまくりのには唖然。'45年のストコスフキーとの共演盤(M&A)でも、ここまで露骨ではなく、その人間的な泥臭さは最後まで支配し続けるのですから、全く予断を許しません。その豪快さからふとにじみ出る香気も、むせ返るほどの威力!アンコールの小品も彼の破格のテクニック(特にトラック5)で、これまた圧倒。聴き終える頃には、全身クタクタです。音質も良好。


DECCA
444-5182
ピアノ協奏曲 +ショパン:ピアノ協奏曲第1番
オリ・ムストネン(P)、ブロムシュテット(指)サンフランシスコSO
録音:1994年(デジタル)
“指揮者共々、曲に没入しきった奇跡的感動作!”
グリーグの協奏曲は、実は好んで聴く曲とは言えないのですが、これには参りました!第1楽章のテーマを異様なまでに遅いテンポで開始し、そのテンポを更に引きずって後ろ髪を引かれるような余情を漂わせるのです。全編にわたりノリで弾き飛ばす箇所など皆無。しかし情に溺れるだけでなく、全体を美しいフォルムで構築する緊張感が溢れているので、心底名曲を聴いたという醍醐味に繋がるのです。その感銘を更に煽るのが、ブロムシュテットの指揮。音の末端まで魂を込め尽くし、ムストネンの音楽作りと渾然一体となってロマンを飛翔させています。

BMG
74321-740192
グリーグ:ピアノ協奏曲+「ペール・ギュント」第1組曲&第2組曲*
キエール・ベッケルント(P)、オッド・ギュンター・ヘッゲ(指)オスロPO、
オーマンディ(指)フィラデルフィアO*
録音:1959年、1972&1975年*
師リヒター・ハーザーの特質を受け継いだベッケルントの感動作!
リヒター・ハーザー門下であるベッケルントのピアノは、その師の資質であるブリリアントなタッチと男の哀愁をたっぷりと感じさせ、実に魅力的!第1楽章の甘美な第2主題もしっとりと詩情を漂わせながら耽溺せず、音色が確信を持って粒立ち、フレーズ結尾の弱音の余韻の味わいも格別。カデンツァの深みも只事ではありません!急速な下降音型の凄み、強打鍵のダイヤモンドを思わせるタッチは、ステレオ初期の録音ながら、その限界を突き破って強力に訴え掛けます。水面をそっと撫でるような第2楽章の弱音のタッチはまるで魔法のよう!ベーゼンドルファーかとも思われるまろやかな感触がここでは際立ち、ますが、随所で怒涛の如きアゴーグクを効かせるのも特徴的。終楽章の説得力はもう比類なし!体全体に音楽が染みこんでいることはもちろん、強弱の俊敏の入れ替えの鮮やかさには息を飲むばかりで、第2主題後半(4:03)からのシンプルな音型が寄せては返す波のような遠近感と共に暗い哀愁を感じさせる演奏も、ちょっと他に例がありません。全ての音が全人格を投影したような魂の叫びと化しているコーダは圧巻!オスロ・フィルの黄金期を築いたヘッゲの指揮も入魂の極みで、バックハウスとベームのコンビネーションを思わせる強固な連帯感で、この曲を壮麗なドラマとして描ききることに大きく貢献しています。

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