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ハイドン/HAYDN |
MANDARA MNE-5018 廃盤 |
チェロ協奏曲第1番&第2番 |
アレクサンドル・ルーディン(Vc,指)ミジカ・ヴィヴァ室内O | |
録音:1990年デジタル | |
“伸びやか!ハイドンの魅力を再認識させる名演奏” | |
アレクサンドル・ルーディンは、1982年の第7回チャイコフスキー国際コンクールでメネセスに次ぐ第2位を獲得。その実力は、このハイドンを聴けば、メネセスと甲乙など付けられない見事なものであることは明らか。このような古典作品の場合、自身を前面に出したくなる欲求に駆られがちですが、ルーディンは作品の持つフォルムの美しさと味わいを心の底から感知し、実に伸びやかな演奏を繰り広げています。 「第1番」は、第1楽章冒頭で勢い良く飛び込みながらも格調高いフォルムを崩しません。音色の瑞々しさ、音楽に躊躇なく身を委ねる大きなゆとりが感じられ、フレージングも実に素直でフレッシュ!第2楽章はまろやかな音色をくししてひっそりと語りかける風情が。アダージョながら、音楽が決して下のほうに沈殿せず常に前を見据える意思の確かさも感じさせます。終楽章は恐るべき高速演奏で、胸のすく快演。それでも音の美感は失わず、確信に満ちた開放感を表出しています。 さらに素晴しいのが「第2番」。作品自体が第1番以上に深みと円熟をを湛えているのに則して、ルーディンの演奏も大家の風格を感じさせます。第1楽章は、慎ましく優美な雰囲気を心の底から感じききり、皮相な響きなど皆無。展開部は一層彫りが深くなり、各フレーズの意味を瞬時に感知して切々と聴き手に迫る説得力。そこには静かな闘志が宿っているかのようです。ただで冴えないよう豊かな作品をさらに引き立てるのがカデンツァ!なんという格調と威厳、精神の奥から発するようなスケール感!一音たりとも聴き逃せません。第2楽章は、特に第2主題が聴きもの。このまま時間を止めたくなるほどの素晴しさで。その直後にテーマが帰ってきますが、この部分の安定感抜群のフレージング力は作品と同じく円熟の極みといっても過言ではありません。終楽章は妙にエッジを立てることなく、心地よい推進力を確保。ルーディンの技術も表現意欲もピークに達した時点で行なわれたと思われるこの録音は、ロマン派以降のチェロ協奏曲に押され気味のハイドンの2曲の魅力を再認識させてくれること必至です。 |
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