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ハチャトゥリアン/KHACHATURIAN |
Chandos CHAN-8542 |
ピアノ協奏曲、 「仮面舞踏会」組曲、「ガイーヌ」〜剣の舞/ばらの少女達の踊り/子守歌/レズギンカ |
コンタンティン・オーベリアン(P)、ネーメ・ヤルヴィ(指)スコットランド国立O | |
録音:1987年デジタル | |
“フレクサトーンの効果を最大に発揮した名録音!” | |
このピアノ協奏曲の録音は、現時点で同曲のダントツの推薦盤!冒頭のオケの導入における土の匂いをふんだんに盛り込んだ壮大なサウンドから引きつけられ、すぐに飛び込むピアノの強靭なタッチがそのオケと渾然一体となって豊穣なサウンドを繰り広げます。カデンツァはラヴェルの協奏曲を思わせる透徹されたタッチが、豊かなホールにの響きに溶け合い極美!中盤以降はオーベリアンのヴィルトゥイオジティがますます冴え渡り、この演奏にかける壮絶なまでの意気込みに圧倒されます。第2楽章は、まさに夜露に濡れる音像の美しさに言葉を失います。冒頭のバスクラリネットから情感たっぷり。古い録音やドランナ響きの録音ではこうはいきません。この楽章で注目されるのはフレクサトーン(楽器を振ると「ヒョヨヨ〜ン」という音を発する)の使用。特殊な楽器なので使用していない録音もありますが、この録音ではもちろん使用しており、しかも他のどの録音よりもその効果が絶妙で全体に見事に溶け込んでいるのは特筆ものです。オーベリアンのピアノは官能美の極み。終楽章にいいたるとリズムの野性味を全面開放。2:15以降のパッセージを聴けば、オーベリアンがいかにこの録音に深井思い入れを抱いているかが分かり、胸が熱くなります。荒れ狂う強打鍵の威力も相当なものですが、それでも作品の品格を損ねていない点が流石です。コーダのスケール感は圧巻! この1曲だけでも十分オススメに値しますが、カップリングされている2つの管弦楽曲がこれまた比類なき素晴しさ! 「仮面舞踏会」は同曲の極めつけ!“ワルツ”は冒頭のティンパニのスパイスの効かせ方に早速イチコロ!骨太で逞しいフレージングを縦横にスウィングさせる牽引力の高さは空前絶後。“ロマンス”はCHANDOS特有の豊かな残響が最大に功を奏し、涙に暮れる甘美な旋律が優しく降り注ぎます。“ギャロップ”は驚愕の超高速!しかも重量感満点で、あの穏健なギブソンの薫陶を受けたオケがここまでやるかという衝撃も手伝って、感激もひとしおです。 「ガイーヌ」は4曲のみですが、最も有名な曲がチョイスされているのが嬉しい限り。“剣の舞”では、これまたティンパニの強弱操作の巧妙なこと!中間部でこれほどエキゾシズムを感じさせ連想もあまり例がありません。“ばらの少女達の踊り”はなんと言ってもテンポのセンスが抜群!リズムの彫りも深く、聴き応え満点。“レズギンカ”といえば、フェドセーエフの猛烈な演奏が思い起こされますが、この演奏は湧き立つリズムのみならず、フレーズに込められたノスタルジーまで感じ取った、心の琴線に触れるアプローチ担っている点にご注目を!隅から隅まで聴き所満載の一枚です。 |
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