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器楽曲R〜ラフマニノフ



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ラフマニノフRACHMANINOV
ピアノ・ソナタ第2番(改訂版)、スクリャービン:ピアノ・ソナタ第4番、ブゾーニ:ピアノ協奏曲、
アルカン:「12のエチュード」〜協奏曲、ショパンのハ短調前奏曲による変奏曲と自由な形式のフーガ
ジョン・オグドン(P)、レーヴェンノート(指)ロイヤルPO 1960年〜1971年  ※ステレオ録音
PHILIPS
456913(2CD)
“悪魔と天使が同居!前人未到のピアニズムの短すぎた灯!”
オグドンが精神に異常を来たす以前の、尋常ならざる集中力を高次元に結実させていた時期の名演集。ラフマニノフは、いきなり冒頭で崖から突き落とされたような非情な音型の陥落ぶりに唖然とさせられます、終楽章の終結部も、目も眩む打鍵の炸裂。スクリャービンは、心は既に天界にあるような異様な幻想性を醸し出し、アルカン(特に3曲目)では、ピアノの容量を超える発言力で圧倒。ブゾーニの1時間を越える男声合唱つきピアノ協奏曲では、まさに音の大伽藍を構築。ヴィルトゥオーゾと呼ばれる人が今後どれだけ輩出されようとも、この世界を飲み込んでしまうような音楽の深さ、大きさ、集中力を超える人が現れるとは、到底考えられません!

前奏曲集Op.23、OP.32
ジョン・リル(P) デジタル録音
Nimbus
NI-5555
“無用の感傷を排した、リルが放つ厳格なロマン”
イギリス人としては異色なまでの鋭利で強靭なタッチと、ロシア音楽を奏でるに相応しい暗い音色美は、'70年のチャイコフスキー・コンクール優勝以来色褪せることなく、この録音でも健在!ここでは更に、巨匠の風格と成熟がはっきり聴き取れます。トラックAの壮絶なエネルギーの噴射は、誰にも止めることが出来ません。ロシア臭一杯の有名なDは、土の香りを残しながらも、厳格なリズム配分とアーティキュレーションによって、品格を伴ったヒロイックなスケール感を表出。メランコリックで可憐なNPでは、決して洗練された透明感を追わず、ロシア民族の魂を代弁するかのように核心を抉り出しています。QSの、地から這い出るような凄みも必聴!

絵画的練習曲より、前奏曲Op31-5、ティトフ:ワルツ、スクリャービン:前奏曲Op15-1.2、グラズノフ:練習曲「夜」、グリンカ:マズルカ、ひばり(バラキレフ編曲)、アレンスキー:24の小品より、他
イレーナ・ベックマン=シチェルビナ(P) 1948年〜1950年 モノラル録音
BMG(Melodiya)
74321-33208
“チャイコフスキーからキスを受けた、伝説の天才!”
ベックマン=シチェルビナ(1881-1951)は、モスクワ音楽院で最初はスクリャービンやラフマニノフの先生として知られるスヴェーレフに学んだ後、P.パブストの下でメトネル、ゴリデンヴェイゼル等と共に学び、パブストの死後は、サフォーノフのクラスへ移りました。ここで知り合ったのがグラズノフやラフマニノフで、彼らの自作も当然作曲者の目の前で演奏したのでした。幼い頃には、なんとチャイコフスキーから「天使だ!」と絶賛され、キスを受けたという逸話も残っています。そんな彼女のピアニズムは、どこまでも自然体で、タッチは天才的な閃きに溢れる絶品のもので、彼女が尊敬するホフマンの演奏を彷彿とさせる面も持ち合わせています。。


ヴォカリーズ(スヴェトラーノフ編曲)、シューマン:ロマンス、パガニーニの主題による練習曲、ドビュッシー:月の光が注ぐテラス、妖精の舞姫、西風の見たもの、花火、サン・サーンス:白鳥(ゴドフスキー編曲)、ラヴェル:水の戯れ、「子供と魔法」から“5時のフォックストロット”、プレヴィン:プレリュード、シュルホフ:タンゴ、シチェドリン:カレッジトッカータ、プーランク:常動曲、カプースチン:間奏曲、バッハ:主よ人の望みの喜びよ(ヘス編曲)、ウェーバー:ピアノ・ソナタ第1番〜第4楽章(モノラルとステレオ、2種の録音)、
ニコライ・ペトロフ(P) 1964年〜1991年 ステレオ録音(トラック1のみモノラル)
OLYMPIA
OCD-73

廃盤
“「ピアノの殺人鬼」が見せる束の間の笑顔!”

露OLYMPIA
MKM-156
1964年、21歳のときのウェーバーと、約20年後の同じ曲の間に様々な小品を散りばめた一枚。「アンコール」と題されているとおり、2〜3分の曲を中心に構成。強靭な打鍵を叩きつけるだけではない、ペトロフの優しいピアニズムを垣間見ることができます。意外とフランスものが多いのが特徴的ですが、ドビュッシーなどは透明なテクスチュアに慣れた耳からすると、各声部が厚く絡み合っての音色は一瞬違和感を覚えますが、作曲家が曲に込めた内面のニュアンスを丁寧に引き出しtいることに気付きます。プーランクの独特なしゃれっ気も味。ウェーバーの同曲聴き比べは、基本スタイルは変わらないものの、後年の方のカロリー価の高い演奏にびっくり!この中の白眉は、スヴェトラーノフ編曲によるラフマニノフの「ヴォカリース」でしょう。ロシアの広大な大地を思わせる広がりのあるハーモニーとひそかに漂う重低音を実に入念に歌い上げ、濃厚なロマンが胸の奥深くに染み渡ります。全てをロシア人の手で練り上げられた演奏にかなうものはありません!



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