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サン・サーンス/SAINT-SAENS |
サン・サーンス:練習曲Op.52、練習曲Op.113、左手のための練習曲、主題と変奏 | |||
ピアース・レーン(P) | 1997年 デジタル録音 | ||
Hyperion CDA-67037 |
“小粋にして華麗!サン・サーンスのエチュードの全て!!” | ||
自身がヴィルトゥオーゾ・ピアニストでもあったサン・サーンスならではの色彩的技巧に加え、文字通り指の訓練という実用性をも盛り込んだこれらのエチュードは、天才的アイデアに溢れた傑作です。Op52の1曲目から、まさに天才の筆致!6曲目“ワルツ形式で”は、演奏会でも取り上げられる曲ですが、レーンはサロン的な軽さに陥りがちなこの曲に、気品と確かな力感を加え、意外な手応えを感じさせます。Op111の2曲目は、“熊蜂の飛行”を思わせる半音階的超絶技巧練習曲!同3曲目の“前奏曲とフーガ”は、バッハ風の厳格な作風で、レーンの至純のタッチが見事に彩を添えています。「左手の練習曲」3曲目は、ドビュッシーのアラベスクを思わせる軽妙な華やぎを堪能することが出来ます。 |
ストラヴィンスキー/STRAVINSKY |
ストラヴィンスキー:「ペトルーシュカ」の3楽章、 スカルラッティ:ソナタK141.K87、ドビュッシー:ベルガマスク組曲、ブラームス:6つの小品 |
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アルピン・ホン(P) | 2004年 デジタル録音 | ||
MSR MS-1107 |
“異常テクニック!!刃金の打鍵で応酬する刹那のピアニズム!” | ||
アルピン・ホンは、ジュリアード音楽院でジェローム・ローウェンタールに学んだ俊英。幼い頃からその才能を発揮し、10歳でオーケストラと共演。数々のコンクール歴も持ち、現在はアメリカを中心に活躍しています。ジャケット写真に写る彼の風貌から、なぜか只ならぬものを感じ、試しに買って聴いてみたらきいたら、これが凄い!まず最初にスカルラッティが2曲置かれていますが、これを前菜と思ったら大変な目に会います!あまりにも一般的なピアノの音色のイメージとかけ離れ、極度に硬質で非情な連打音がいきなり耳を直撃するのです。歯止めが利かなくなった高速マシンのように、このK.141には古典的な風合いも慈しみも無く、あるのは狂気のみ。しかしドロドロとした殺気ではなく、人間的な温かみや情感を突き抜けてしまった危険な匂い。しかもタッチは極限まで研磨しつくされているので、ピアノを聴いているということを忘れて、禁断の世界に引きずり込まれたような感覚に陥ります。しっとりとした次のK.87ではその煌くタッチが緻密に敷き詰められ、表面的には美しいことこの上ないのですが、この佇まいの中においても、極度な孤独に耐えかねた末の異様な切迫感が静かに支配しています。全体を長い一呼吸で弧を描くような呼吸感も印象的。ドビュッシーの「月の光」も同様。凝ったアーティキュレーションも過度な歌いこみも無く、自然発生的に醸し出される極端なまでの美しさ!「透徹」という言葉がそれに近いですが、それを意図して痕跡がまるでないのです。まさに天才的な閃きのなせる技と言うしかありません。この「動」と「静」の不思議な狂気が混在して現れるのが、「ペトルーシュカ」!1曲目は、ピカピカに磨き上げた刃物を振り回すような強打鍵が無慈悲に襲い、、2曲目はユーモラスな表情が、媚びることなくダイレクトに表出されるので実にリアル。1:39からの全和声の完璧なブレンド感と、民族的な空気の現出ぶり、その直後の両手の各声部が、心の裏表のように嘆く箇所も聴き物。終曲の息もつかせぬ完璧さな技巧の威力と、各場面の強化の連動、スタミナの持久力に接すると、この曲がポリーニでなければならない理由が分からなくなります。最後のグリッサンドの怒涛の猛進で完全ノックアウト! |
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