2曲とも作曲家立会いのもとで行われ録音。サージェント指揮による「第1番」は、彼が遺した交響曲録音の中でも最高の出来ばえの一つ。もともと洗練を売りにする人ではなく、時には鳴らしすぎてハーモニが濁ることさえあるサージェントですが、ここではその荒くれたエネルギーの放射が壮絶なドラマを生んで、この曲が抱える不安と葛藤を余すところなく音像化しています。第1楽章は、延々と繰り返される熾烈なリズムの打ち込みに意欲が漲り、11:49から一定の間隔で打ち鳴らされるティンパニの轟きが意味深く、割れんばかりの金管の雄叫びも真に迫ります。コーダで晴れやかなハーモニーに転じてからのストレートなダイナミズムも痛烈。血も臭いを漂わす第2楽章のリズム放射も魅力。第3楽章のニュアンスの繊細さも、サージェントのイメージからは予想しにくい迫真のもので、5:48以降の深いメランコリーは胸を締め付ける美しさ!終楽章も見事な風格!クレンペラーのオーケストラの俊敏なレスポンスも天晴れです。
カラフルな色彩とダイナミズムの放射が続く「第2番」は、重厚さへの志向を強める以前のプレヴィンの研ぎ澄まされた感覚が徹底的に生き、眩いばかりの音のパワーに圧倒されます。両端楽章でそれを最も顕著に感じますが、どんなに音が炸裂しても、耳に届く時には不思議なしなやかさを湛えているのもプレヴィンならではの魅力です。ロンドン響のセンス満点のヴィルトゥオジティにも舌を巻きます。第2楽章もプレヴィンの温かな音楽性と色彩パレットの豊富さに感無量! |
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