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TBRCD-0003-2
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マーラー:交響曲第7番「夜の歌」 |
ヘルベルト・ケーゲル(指)東京都SO
録音:1985年6月25日東京文化会館
ライヴ(都響第218回定期演奏会)
※原盤:東京都交響楽団、マスタリング:WEITBLICK |
東武レコーディングズ(TobuRecordings)レーベルから超弩級の名演が登場です。弊社取扱いWEITBLICKでは、ケーゲルのマーラーを数々リリースして参りましたが演奏記録があるにもかかわらず、第5番、第7番の放送録音は幾ら探しても見つからずリリースの機会を失っております。しかし、ケーゲルが東京都交響楽団に二回目の客演を果たした1985年の曲目が何と「夜の歌」だったのです!東京都交響楽団様が良好な状態で録音保存して下さったお陰でついにその全貌が明らかになりました。ケーゲルは1981年に当時の手兵ドレスデン・フィルを指揮して「夜の歌」を現地のみならずプラハ、ブタペストでも演奏しております。これが恐らく最初の演奏と思われますが、1985年の当演奏ではすっかり手の内に入った見事な棒さばきを見せます。共演が日本でも屈指のマーラー・オーケストラ、都響という点もプラスです。ライプツィヒ放送響やドレスデン・フィルを上回るストレートな反応や音の立ち上がりの機敏さには舌を巻きます。思えば1937年2月にプリングスハイムが日本初演して以後上演に恵まれなかった「夜の歌」を日本で蘇演させたのは渡邊暁雄氏と都響でした(1974年12月)。演奏の特徴はケーゲルならではの糞真面目偏執的演奏で、冒頭の第2ヴァイオリン以下をトレモロで演奏させないところなど、ギーレン、ベルティーニもやっていますが徹底振りはケーゲルに敵いません。そして、第4楽章冒頭のヴァイオリン・ソロにおけるグリッサンドの強調も如何にも闇の世界を描いた交響曲として相応しいものです。そして大騒ぎのフィナーレも厳格さがさらに強まる感があります。聴衆の熱狂も凄まじい!「一般的でない」、「魅力に乏しい」と非難されることもある「夜の歌」を深く理解する指揮者、オーケストラ、そして聴衆の三位一体の幸福なコンサートがこの当時開かれていたことに感銘と驚きを禁じえません。(東武レコーディングズ) |
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TBRCD-0014
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シューマン:交響曲第1番「春」
交響曲第2番 ハ長調Op.61* |
ペーター・マーク(指)東京都SO
録音:1993年4月17日サントリーホール・都響第368回定期演奏会ライヴ
1990年12月18日東京文化会館・都響第321回定期演奏会ライヴ* (共にデジタル・ライヴ)
※サウンド・マスタリング:WEITBLICK |
“世界に向けて誇りたい、蜜月の名コンビが生んだ世紀の名演奏!” |
前回リリースのブルックナーに続き、これまた超名演!録音も極上で、都響の機能美と柔軟性の高さにも改めて驚かされる1枚です。
「第1番」冒頭のファンファーレから、幽玄の雰囲気を湛えて実に深淵な響きにイチコロ。いかにもトランペットという輝きとは異なるこんな憂いを含んだ響きは、サヴァリッシュ&ドレスデン盤以来ではないでしょうか?その直後の弦と一体となった響きは透明感に溢れ、トゥッティでは派手さを排した大造型美を打ち立てる…というように、短い序奏部だけでもあまりのニュアンスの豊かに心躍らされます。主部に入るとティンパニの雄渾な打ち込みと共にリズムが湧き立ち、第2主題では憧れに満ちた表情が泣かせます。コーダ直前の静かな経過句(10:46〜)では、空前絶後のふくよかで芳しい香気に満ちたフレージングを行ない、マークのドイツ・ロマン派音楽の真のスペシャリストとしての確信的な棒さばきに全面降伏するしかありません!第2楽章は強弱の微妙な入れ替えだけとっても心の震えが如実に反映し尽くされており、各声部のバランス操作からは、他の方法などあり得ないと思わせるほどの迫真のニュアンスが続々と溢れます。第3楽章も単なる3拍子のスケルツォではありません。精神的な深みと、響きそのものから抽出される愛情の結晶の純度の高さは、他に比肩しうる演奏が思い当たりません。この楽章をこんなに真剣に食い入って聴く自分自身に驚くほどです。終楽章も響きの純度の高さはは相変わらずで、全声部に渡って明瞭に鳴らしているに関わらず雑然とした感じを与えず、唐突とも思える金管の突出も、造型に立体感を与えるのに有効に作用。ほのぼのとした春の雰囲気と、頑丈な骨格を持つ交響曲としての風格美という、一見結びつきにくい要素をこれほど見事に同居させた演奏はかつて聴いたことがありません。
「第2番」はマークの音盤初出曲。第1楽章導入は、トランペットの朴訥とした表情と、夢に彷徨うような弦とのコントラストが美しく、1:07からピチカートが入ると途端に内省的なニュアンスを深めます。主部に入ると、あのシューリヒトの存在も忘れるほどフレーズごとのニュアンスは多彩を極めます。「第1番」とは演奏会場が異なりますが、オケから同質の佇まいを引き出しているのも驚異で、マークのイマジネーションの高さと響きの鋭敏な感性を改めて痛感します。第2楽章は落ち着いたテンポを堅持することで、フレーズが自発的に語り、その全てが琴線に触れます。トリオでのアゴーギクの巧妙さも必聴。第3楽章は衒いのない一途な歌が感動的で、大げさ泣きじゃくることなく作品ありのままの佇まいが滾々と溢れます。1:27からの経過句のハーモニーの美しさも格別で、こういう響きを実現できるオーケストラを持つ国に生まれたことに感謝せずにはいられません。5:46から木管におよる主題と弦のリズムが流れる箇所から終盤までの深々とした味わい深さは、もはや形容のしようのない素晴らしさで、日本のオーケストラ演奏史に刻むべき事件です!終楽章は瑞々しさ一杯。既にここまでの演奏で、マークという指揮者がどの系統にも属さない独自の感受性の持ち主であり、それが作品の個性と調和した時のニュアンスの広がり方が尋常ではなことはどなたも思い知るでしょうが、この楽章では、第1主題、クラリネットとファゴットによる楽句、第2主題と、それぞれの性格が克明に浮き上がり、しかも恣意性を感じさせずに自然にメリハリ感を引き出すという高次元の音楽性が最も顕著に際立ち、コーダではあえてテンポを前のめりにして推進力を高めながら、風格は堅持するという妙技も大発揮。
ペーター・マークは「個性的」であることは知っていても、「ただ変な解釈をする人」を思っている方も少なくないと思います。この演奏はそういう方々に真っ先に触れて欲しいものです。【湧々堂】 |
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TBRCD-0017
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ペーター・マークの「新世界」!!
ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」
ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」前奏曲と愛の死* |
ペーター・マーク(指)東京都SO
録音:1986年3月31日東京文化会館,第232回定期演奏会デジタル・ライヴ
1995年10月17日サントリーホール,第416回定期演奏会デジタル・ライヴ*
※サウンド・マスタリング:WEITBLICK |
。巨匠マークにとっても音盤初レパートリーです。今までのリリース同様に「他の誰からも聴けない解釈」を展開してくれます。マークは真の叙情派交響曲としてこの有名曲を分解しております。冒頭の予期せぬ柔らかさ、ブラームス的というよりシューマン的といった感じの詩情豊かなドヴォルザークで、知られざる魅力を教えてくれます。カプリングの「トリスタン」も初出レパートリーです。これまた軽やかで明るい音色、しかし、ところどころに神経質な心の揺れがあり、それがドラマを掻き立てます。オーケストラの上手さも特筆ものです。優秀なデジタル録音。
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TBRCD-0018
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レスピーギ:ローマ三部作
交響詩「ローマの噴水」
交響詩「ローマの松」
交響詩「ローマの祭」 |
山田一雄(指)東京都SO
録音:1989年3月30日 東京・サントリーホール(第210回都響プロムナードコンサート/デジタル・ライヴ)
※サウンド・マスタリング:WEITBLICK |
“トスカニーニも霞む!日本のオーケストラ史に残る驚異のレスピーギ!” |
ヤマカズの「ローマ三部作」と聞いただけで期待が膨らみますが、その期待の何倍もの衝撃に震えること必至です。レスピーギの管弦楽法の色彩を徹底的に引き出していること、日本人演奏の生真面目なイメージを突き破って量感を湛えた大音響を実現している点、三部作それぞれの個性を克明に描き分けていること等々、あらゆる意味で驚異です!しかもオケの綻びも殆ど無く、録音も極上となれば、トスカニーニやスヴェトラーノフなどと互角に張り合う大名演であり、世界中のオーケストラ・ファンの至宝と言っても過言ではありません。
「噴水」は、第1曲の夜明けの茫洋とした空気感と朝露のきらめきをを絶妙にミックスした音像で、早々に山田一雄の繊細な色彩感覚を強烈に印象付けられます。第2曲では威厳ある佇まいの中にメリハリを持ってニュアンスが紡がれ、第3曲の凱旋の荘厳さ、神々しさも単なる肥大化した音の連続とは違う芸術的な奥行きを感じさせます。「松」や「祭り」に比べて地味なイメージの作品ですが、これほどニュアンスの幅が広く、その全てが克明に刻印されるインパクトに打たれる演奏にかつて出会ったことはありません。
「松」はそれこそ競合盤がひしめいていますが、この演奏でしか味わえない魅力のオンパレード!まずは第1曲の冒頭第一音の鳴り出し方にご注目!ギリギリまで音を溜めきってから堰を切ったように放出する音の塊に飲まれそうな勢いです。1:26からのリズムのアクセントの強靭さにも鳥肌。まさに全体が一丸となった渾身の鳴りっぷりに圧倒されますが、朝比奈のベートーヴェンに似た作品への一途な献身が根底にあるので、軽薄さなど微塵もないのです。
第2曲はいにしえへのノスタルジーを色濃く反映。その繊細な色彩表出のみならず、古代人の思いを代弁するように熱くフレージングされる様は感動的。中間部のトランペット・ソロのメロウなニュアンスも聴きもので、当日のオケのコンディションが絶頂であったことを象徴するかのよう。後半に流れる詩篇の厳粛さと悲痛な叫びが入り混じったニュアンスは、重心の低いリズムに乗せてじりじりと沸き立ちますが、威嚇的な完全武装とは異なるニュアンスの奥深さをお聴き逃しなく。第3曲のクラリネット・ソロも、第2曲のトランペット同様、イマジネーションの豊かさにびっくり。そして最後の“アッピア街道”は期待を何倍も上回る壮絶さ!驚異のスケール感にのけぞります。巨大な造形力は微動だにせず、単に音量を増幅するだけではなく、聴き手をグイグイ牽引する力感が最後まで途絶えません。このヴォルテージの高さはにわかに信じがたく、日本人らしい感性を突き破って作品と心中する覚悟で成し遂げた奇跡としか言いようがありません。しかも打楽器と金管の大咆哮を最後まで響きを混濁させない意志の力も揺るがず、その格調の高さも比類なし!
と、この2曲だけでも十分に世界に訴えたい名演であることは確実ですが、最後の「祭り」がこれまたとんでもない超名演です!ここでも色彩の幅が驚異的に広く、真に筋金入りのスケール感を実現し、オーケストラを聴く醍醐味を徹底追求していますが、文字通りのお祭り騒ぎに陥らずに芸術的な風格美を聴後に印象付ける演奏というのはかつてあったでしょうか?特に最後の“主顕祭”のテンションの高さはとても70歳代後半の指揮者とは思えず、自分だけ汗だくになって音楽はちっとも燃えていない若手指揮者など足元にも及びません。後半のサンタレロに入ると山田一雄の芸の年輪を感じさせる瞬間が怒涛のように現れ、息つく暇もありません。3:09で気の遠くなるほど大見得を切ってからパワーを噴射するその間合いの絶妙さ!そして4:09からの高速爆進!死んだ気で演奏するとはこういうことです!
ヤマカズというとあの全身を使った個性的な指揮ぶりが思い出されますが、多彩なニュアンスを最後の一滴まで搾り尽くした演奏を聴くと、その一見ユニークの身振りも音楽作りの上での不可欠なファクターであったことを再認識するばかりです。【湧々堂】 |
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TBRCD-0042
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リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」
モーツァルト:交響曲第1番変ホ長調K.16 * |
山田一雄(指)東京都SO
小林健次(Vn)
録音:1980年5月16日新宿文化センター、都響第131
回ファミリー・コンサート
1985年5月1日杉並公会堂、都響第182 回ファミリー・コンサート
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何れもライヴ録音・ステレオ |
山田一雄の初出レパートリーの「シェエラザード」です。この演奏は実演に触れたマニアには語り草になっている名演です。今聞いてもかなりの衝撃的演奏で、意識的な金管のロシア的咆哮は、ロシア音楽のエキスパートが当時朝比奈だけではなかったことを物語ります。70歳直前の山田一雄は、終始緊張感を伴ったそして熱狂的なオーケストラ・ドライヴで楽員と聴衆を煽ります。当時の名コンマス、小林健次の色気たっぷりのソロもこれは聴きもの!そして指揮台のアクションとは正反対な様式感の見事さ、厳格なリズム感といい、折り目正しいヤマカズ先生の一面も垣間見ることが出来ます。カプリングは巨匠が偏愛したモーツァルトが僅か8歳で書いた作品、交響曲第1番。山田一雄はベートーヴェン風の厳格さで音を紡ぎだします。 |
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TBRCD-0140(2CD)
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ブラームス:交響曲全集
(第1番〜第4番) |
ガリー・ベルティーニ(指)東京都SO
録音:2003年6月17日東京芸術劇場,ライヴ(第2番、第4番)
2003年6月22日サントリー・ホール,ライヴ(第1番、第3番) |
死の直前まであんなに元気だったのに、あまりにも呆気なく世を去った巨匠ベ
ルティーニ。これだけの大指揮者が日本を頻繁に訪れていた当時は、水か空気
のように当たり前に感じていましたが、今になって思うと奇跡の連続のような見事
な演奏を毎回繰り広げていたことに気付かされます。初登場となるブラームスの
交響曲全集を聞いてみましょう。この演奏は2003年6月の都響出演時に一気に
演奏されたもので、ベルティーニの演奏プランの統一性がはっきりと読み取れま
す。程の良い快速とでも呼びたいもたれないテンポ感。重苦しさを排除しながら
も軽薄に陥らない至芸。オペラティックに歌わせたかと思えば、締める所は古典
的に徹底して締める。隅々まで計算された演奏です。ベルティーニは“トスカニ
ーニの再来”という賛辞を受けたと言いますが全くその通りです。巨匠の手足と
でも賞賛したい都響の献身的な姿も特筆ものです。音質もデジタルで良好。
解説はベルティーニの多くのコンサート、オペラをヨーロッパ、日本で聞いてきた
許光俊氏。 |
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