湧々堂HOME 新譜速報 交響曲 管弦楽曲 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 歌劇 バロック 廉価盤 シリーズ
旧譜カタログ チャイ5 殿堂入り 交響曲 管弦楽 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 歌劇 バロック


BBC LEGENDS
(イギリス)

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1CD=¥1995(税込)
2CD=¥2625(税込)

品番 内容 演奏者
BBCL-4001(2CD)
廃盤
マーラー:交響曲第8番「千人の交響曲」 ジョイス・バーカー(S)、ベリル・ハット(S)、
アグネス・ギーベル(S)、
ケルステン・マイヤー(A)、
ヘレン・ワッツ(A)、ケネス・ネート(T)、
アルフレード・オルダ(Br)、
アーノルド・ヴァン・ミル(Bs)、
ヤッシャ・ホーレンシュタイン(指)LSO、
BBC cho、BBCコラール・ソサエティ、他
録音:1959年3月20日ロイヤル・アルバート・ホール(ステレオ)
ホーレンシュタイン独自の仄暗い音色感覚と、剛直な構築力は、まさにマーラーを指揮するために備わった資質と言っても過言ではないと思いますが、メジャー・レーベルへの録音が極端に少ない演奏家の常ながら、日本ではその評価が未だに定まっていないのはなんとも残念なことです。この演奏も、彼の稀有な音楽性を如実に証明していますが、なんとこの録音は、BBCの予算を消化するために急遽組まれたもの。膨大な人数をかき集め、まだ放送では実験段階だったステレオシステムで録音する事で、当初の目的は達成されましたが、驚きは、そんな状況下の録音にもかかわらず、演奏自体の燃焼度、完成度が尋常でないこと!いくらマーラーの権威者ホーレンシュタインとはいえ、合唱、ソリストの隅々にまで、独特の骨太の構築と、暗いトーンの音色表出を徹底させてしまうのには、驚きを禁じ得ません!【湧々堂】
BBCL-4002(2CD)
ショスタコーヴィッチ:交響曲第8番、
モーツァルト:交響曲第33番
エフゲニー・ムラヴィンスキー(指)
レニングラードPO
録音:1960年9月23日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(ステレオ)
BBCL-4003
廃盤
ブラームス:交響曲第4番*、
シューベルト:交響曲第5番#
ルドルフ・ケンペ(指)BBC響
録音:1976年2月18日*、
974年8月30日# ロイヤル・アルバート・ホール(ステレオ)
ケンペ死の3ヶ月前!命の灯を燃焼し尽した涙の“ブラ4!ライブで燃えることで有名なケンペですが、この死の直前のブラ4は、英国民への最後のメッセージとなることを予見したような異様なテンションに溢れており、表情の濃厚さ、呼吸の異様な振幅など、持てる表現意欲の限りを出し尽くした凄演です!第1楽章はふわっと湧き上がる冒頭主題から無我の境地!しかし枯れてはおらず、徐々に芯を加熱させ始しながら、コーダでは激烈なティンパニの最強打と共に魂を抉ります。第2楽章の息の長いフレージングは天国的な美しさ!第3楽章の重量級の構築と予想外の金管の雄叫びも聴きもの。終楽章は、絶妙なアゴーギクの粋を結集しての造型美が見事で、白熱的なコーダに至るまで感動の連続です。終演後はもちろん大拍手の嵐。しかし誰一人「ブラーボー!」と叫ぶことのできない空気が、この演奏の神々しさを物語っています。  【湧々堂】
BBCL-4004(2CD)
廃盤
マーラー:交響曲第3番 ケルスティン・マイヤー(A)、
ジョン・バルビローリ(指)ハレO、ハレ女声cho
録音:1969年3月23日自由貿易ホール、マンチェスター(ステレオ)
バルビローリの死が1ヵ月後に迫っているとは思えぬ活力漲るマラ3。どなたもこの人間味満点のニュアンスには頬擦りしたくなることでしょう。ここでは「6番」で見せたような滅亡感は皆無。子供のように純真な唄心に満ち溢れていますが、それががかえって涙を誘います。第1楽章のトラック4の行進曲の懐かしさ一杯のテンポ設定、第2楽章のワルターを思わせるロマンの香気、第5楽章の子供の「ビン!バン!」合唱の全身での無邪気な弾力など、聴きどころは尽きませんが、白眉は何といっても終楽章!一見さらりと流しているようでいて、フレージングは実に入念。魂を完全浄化した至福のニュアンスが溢れる様に心動かされない人がいるでしょうか!コーダ最後の和音で間を取るのも、バルビローリならでは!  【湧々堂】

BBCL-4007
チャイコフスキー:マンフレッド交響曲*
レスピーギ:交響詩「ローマの松」#
コンスタンティン・シルヴェストリ(指)
ボーンマスSO
録音:1963年2月22日ウィンター・ガーデンス、ボーンマス*、1967年9月20日コルストン・ホール、ブリストル# (共にステレオ)
『松』が凄すぎます!トラックE“カタコンブ”での聖歌旋律の高揚は火だるま的な壮絶さで、終曲までパワーが持ちこたえられるか心配になるほどですが、そんな心配はよそに見事にやってくれました!圧巻はもちろん“アッピア街道”。テンポ自体は悠然そのものですが、通常の演奏よりもヒートアップのスタート地点が異様に早く、ここでもスタミナ切れを心配してしまいますが、何とコーダはマイクに入り切る限界まで捨て身の大咆哮を放ちます!一方の「マンフレッド」は意外なほど厳格に精神を宿らせますが、終楽章はもちろん期待通りの大狂乱ぶり!ライヴでもスタジオでも、鬼才シルヴェストリの一瞬の閃きに全てを掛ける姿勢は全く変わらないことを如実に示す一枚です。 【湧々堂】
BBCL-4009(2CD)
ブラームス:ピアノ五重奏曲Op.34*
シューベルト:ピアノ五重奏曲「ます」#
クリフォード・カーゾン(P)、
アマデウスSQ
録音:1974年11月17日*、
1971年7月17日#、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(ステレオ)
ピアノと弦の絶妙な融合と共に、休符を含めた全ての音符への圧倒的な気迫と共感の凄いこと!ブラームスは第1楽章展開部に「これぞブラームス!」と叫びたくなる内燃エネルギーに早速打ちのめされ、第2楽章は、純朴な弦の響きとカーゾンの瑞々しいタッチが究極の調和を見せます。終楽章の白熱ぶりは圧巻で、後半ユニゾンで下降する音型の一心不乱の没入は、終演後の「ブラボー!」の絶叫が象徴するように壮絶そのもの。「ます」も、カーゾンのDECCA録音とは比較にならね究極の感動作で、特に第3楽章は涙を誘います。【湧々堂】
BBCL-4010
リヒテル/シューベルト:ピアノ・ソナタ集
ピアノ・ソナタ第9番/第10番/第13番、
楽興の時〜第1番
スヴャトスラフ・リヒテル(P)
録音:1979年3月31日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(ステレオ)
シューベルトの音楽の核心を抉り出した至高の名演!特に、各曲の緩徐楽章(特に第9番!)は、詩情溢れる曲調の中に、リヒテル自身の激動の半生を投影したかのような異様な意味深さを感じさせます。第9番の襲いテンポ゚による絶妙なアゴーギク、陰影の濃さ、とてつもない深い呼吸は、この頃のリヒテルの真骨頂です!リヒテルのCDは、一日の演目を通してステレオで聴けるものが少ないので、その点でもこれは貴重です。ちなみに、リヒテルはこの年にドイツ、日本でも同様の演目で公演しています。  【湧々堂】
BBCL-4011
ベルリオーズ:レクイエム リチャード・ルイス(T)、
トーマス・ビーチャム(指)RPO
録音:1959年12月(モノラル)
BBCL-4012
廃盤
イギリス国歌
ベートーヴェン:交響曲第7番、
メンデルスゾーン:序曲「美しきメルジーネ」、
アディソン:バレエ「白い手帳」、
アンコールへのビーチャムのスピーチ、
グノー、サン=サーンス、ドビュッシーの小品
トーマス・ビーチャム(指)RPO
録音:1959年(モノラル)
とにかくこの「ベト7」の燃え方は異常です!とてつもなく速いテンポ゚で噴煙を上げながら爆走し、第2楽章でいかにもビーチャムらしいチャーミングな歌を紡ぎ出す以外は、すべての音が真っ赤に燃え盛っており、終楽章に至っては、金管、打楽器の狂暴さに唖然とするばかりで、あのシェルヘンでさえ出る幕なし!アディンソンの佳曲のDやEでの粋なリズム感も枯れることを知らないビーチャムならではの至芸です。録音もモノラルながら実に鮮明です。【湧々堂】
BBCL-4014
廃盤
マーラー:交響曲第4番、
ベルリオーズ:序曲「海賊」
ヘザー・ハーパー(S)、
ジョン・バルビローリ(指)BBC響
録音:1967年1月3日スメタナホール(ステレオ)
この曲は、バルビローリの音楽的資質と完全にマッチしているせいか、全ての表現がダイレクトに胸に迫ります。第1楽章から唸り声と共に遅いテンポで主情たっぷりに歌い上げますが、開放的なバーンスタインとは対照的に徹底した内面熟成型。ただ、コーダだけは現実に立ち返ったように決然とした意志の力でリズムを刻むのが印象的です。第3楽章は、弦のポルタメント、固いバチによる大仰な強打等、一見時代掛かった表現で埋め尽くされていますが、全くいやらしさを感じさせないのは、それが心の底から発せられている証拠でであり、バルビローリのセンスの賜物でもあります。終楽章冒頭の符点リズムの大きな揺れ、第3動機が現れるたびにテンポをガクッと落して切々と歌い上げるのも、ハーパーの美声と相俟って更に感動を掻き立てます。   【湧々堂】
BBCL-4015
廃盤
D・スカルラッティ:5つのソナタ*、
バッハ:イタリア風のアリアと変奏BWV.989、
シューマン:ピアノ・ソナタ第1番、
チャイコフスキー:6つの小品Op.19より(3曲)、
プロコフィエフ:トッカータ
エミール・ギレリス(P)
録音:1957年*、1959年(全てステレオ)
BBCL-4016(2CD)
ベートーヴェン:交響曲第7番*、
ミサ・ソレムニス#、
モーツァルト:交響曲第35番+、
ケルビーニ:「アナクレオン」序曲**
ジンカ・ミラノフ(S)、
ケルステン・トルボルイ(Ms)、
コロマン・フォン・パタキー(T)、
ニコラ・モスコーナ(Bs)、
アルトゥーロ・トスカニーニ(指)BBC響
録音:1935年6月12日*/1939年5月28日#/1935年6月14日+/1935年6月3日**
BBCL-4017(2CD)
廃盤
ブルックナー:交響曲第8番(ハース版)
交響曲第9番(原典版)*
ヤッシャ・ホーレンシュタイン(指)LSO、BBC響*
録音:1970年9月&12月(ステレオ)
派手さを排しながら、極限までオケを鳴らしきる手腕、重量級のダイナミズム、今いいワクワクドウのような頑丈な構築力といったほー連シュタインの特質を凝縮したライヴ。「第9番」は、無限の宇宙の広がりと深遠さに戦慄が走り、9:41からの金管の熾烈を極め強奏は、最後の審判のように心をえぐります。「第8番」は一層金管が生々しく吼えますが、ここでも独特の荘厳さ表出。終楽章などは誰よりも強弱の振幅が広大ですが、完全に呼吸と一体化し、コーダにいたっては、もはやマイクに入りきる限界まで高潮!聴後はすぐに立ち上がれないほどの感動に打ちのめされます! 【湧々堂】
BBCL-4018
スクリャービン:法悦の詩、
ベルリオーズ:幻想交響曲、
ストコフスキーーのインタビュー
レオポルド・ストコフスキー(指)
ニュー・フィルハーモニアO
録音:1968年6月18日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(ステレオ)
BBCL-4019
ベートーヴェン・ヴァイオリン協奏曲*、
モーツァルト:協奏交響曲#
ユーディ・メニューイン(Vn;*)、
ダヴィド・オイストラフ(指)モスクワPO*、
ダヴィド・オイストラフ(Vn;#)、
イーゴリ・オイストラフ(Va;#)、
ユーディ・メニューイン(指)モスクワPO#
録音:1963年(ステレオ)
BBCL-4020
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」、
モーツァルト:ピアノ協奏曲第26番「戴冠式」*
クリフォード・カーゾン(P)、
ピエール・ブーレーズ(指)BBC響
録音:1971年&1974年*(ステレオ)
BBCL-4021(2CD)
廃盤
リヒテル/ショパン、ドビュッシー他
ショパン
:バラード第3番*、スケルツォ第4番 *、
マズルカOp.24(全4曲)*、舟歌*、
ドビュッシー:前奏曲集第1巻より*[第1曲〜第4曲/第6曲/第9曲/第5曲/第11曲/第7曲/第10曲]、喜びの島*、映像第2集〜「葉ずえを渡る鐘の音」*、
プロコフィエフ:舞曲 Op.32-1*、
ショパン:練習曲集[ホ長調Op.10-3「別れの曲」*/ハ短調Op.10-12「革命」*/ハ長調Op.10-1#/嬰ハ短調Op.10-4#/変ホ長調Op.10-6#/変イ長調Op.10-10#/ハ長調Op.10-12「革命」*]、
ドビュッシー:前奏曲集第2巻(全曲)+、
前奏曲集第1巻〜「とだえたセレナード」+
スヴャトスラフ・リヒテル(P)
録音:1961年7月10日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール*/1963年1月27日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール#/1967年6月16日モールティングス、スネイプ+
BBCL-4022(2CD)
廃盤
ケンペのマーラー
交響曲第1番「巨人」*/第2番「復活」#
シーラ・アームストロング(S;#)、
アンナ・レイノルズ(Ms;#)、
ルドルフ・ケンペ(指)
BBC響*、ミュンヘンPO#
録音:1965年(モノラル)*/1972年(ステレオ)#
BBCL-4025
ルチア・ポップ・リサイタル
モーツァルト:カンツォネッタ「静けさはほほえみながら」K.152*、ルイーゼが不実な恋人の手紙を焼いた時 K.520*、クローエに K.524*、
シューベルト:4つのカンツォーネD.688*/美と愛がここにいたことをD.775*、悲しみの喜びD.260*、シルヴィアにD.891*、
ドヴォルザーク:多くの人の心に死の思いがあるOp.83-2#、4つの歌Op.2#〜私の心は悲しみに沈む/それは何と素晴らしい夢だったことか、
マーラー:歌曲集「子供の魔法の角笛」#〜ラインの伝説/美しくトランペットが鳴る所/誰がこの歌を作ったのか、
歌曲集「若き日の歌」#〜夏の歌い手交替/緑の野を楽しく歩いた、
R.シュトラウス:恋人への天の使者Op.32-5#/嵐と雨の避難所Op.46-1#/明日の朝Op.27-4#/子守歌Op.49-3#
ルチア・ポップ(S)、
ジェフリー・パーソンズ(P;*)、
アーウィン・ゲージ(P)#
録音:1982年5月1日*&1991年7月8日#、セント・ジョンズ・スミス・スクエア(全てステレオ)
BBCL-4026
フォーレ:レクイエム*、
リリ・ブーランジェ:詩篇第24番、
慈悲深きイエスよ、詩篇第130番「深き淵より」
ジャネット・プライス(S)、
バーナデット・グリーヴィ(A)、
イアン・パートリッジ(T)、
ジョン・キャロル・ケイス(Br)、
ナディア・ブーランジェ(指)BBC響&cho
録音:1968年(ステレオ)
妹のリリーと共に作曲活動を行っていたナディアは、才能溢れるリリーの死をきっかけに作曲の筆を折り、以後は教育(弟子にはマルケヴィチ、ピアソラ等がいる)と指揮活動に専念。パリ音楽院ではフォーレやヴィドール等に学び、世界初の女性指揮者、リパッティとの交流でも知られた人です。このレクイエムは、単に作曲家直伝の演奏というに止まらず、人の声が人の心を震わせるとはどういうことなのかを生々しく伝えるドキュメントとして、かけがえのない光を放っています。編成を切り詰めた蒸留水のような演奏ほど良しとさせがちな作品ですが、まず驚くのはその編成がかなり大きく感じられ、強弱の振幅の広さ、呼吸の深さがこれ以上不可能なほどの高みに達していること!魂のこもっていない音などどこにも見当たらないのです。1曲目から、合唱が一音一音を切々と語り掛けてくる数秒で感動に襲われ、アンダンテに転じてからは、ますます陰影の度合いを深めます。“オフェルトリウム”も、柔らかなフレージングに乗せて、主への切なる願いがひしひしと伝わります。“サンクトゥス”も表面的な美しさを超越し、優しい陽の光にも似た色彩を醸しながら、ゆったりしたテンポで魂を浄化。4分以上も掛けて丹念に紡ぎだされる“ピエ・イエズ”がまた感動的で、このテンポでなければ掻き消されてしまう微細なニュアンスを一つずつ掌に乗せて示してくれるようなプライスの優しく素朴な語り口には言葉を失います。特に後半以降から最後の一音の消え入る瞬間までの「間合い」に滲む余韻は、いつ聴いても目頭を熱くさせます。“リベラ・メ”は最初の低弦のピチカートが人間の心臓の鼓動のようにリアルに迫り、審判の合図以降は、鬼気迫る緊張感を漂わせます。終曲はもはや人間が再現できるテクスチュアを超え、神の手で頬を撫でられている錯覚に陥るほどの安らぎのニュアンス…。ありがたいことに、会場の拍手を上手くカットしてくれたおかげで、聴後の余韻が一層胸の奥深くに浸透するのです。弟子のマルケヴィチも録音している3曲のリリーの作品も心を打ちます。特に「詩篇24番」のダイナミズムと、ナディアが妹の病床で口述筆記した「ピエ・イエズ」の不安と孤独の色彩に触れると、リリーの25歳という夭折(同じ年にドビュッシーも没)が悔やまれてなりません。なお、この録音は、以前intaglioレーベルから出ていたものと同一と思われますが、そのときは「11月録音」となっていました。【湧々堂】
BBCL-4029(2CD)
ヴェルディ:レクイエム、
歌劇「シチリアの夕べの祈り」序曲、
シューベルト:ミサ曲第6番D.950*
A.レイノルズ、R.ルイス、D.ワード、他
カルロ・マリア・ジュリーニ(指)
フィルハーモニアO&cho、
ニュー・フィルハーモニアO&cho*
録音:1963年8月5日ロンドン/1968年8月31日エジンバラ*
BBCL-4030
ドビュッシー:ベルガマスク組曲、
グラナダの夕べ、水に映る影、喜びの島、
ラヴェル:ソナチネ、鐘の谷、
シューマン:クライスレリアーナ*
ワルター・ギーゼキング(P)
録音:1956年9月29日/1953年12月6日
BBCL-4031
廃盤
リスト:ピアノ協奏曲第1番/第2番、
ハンガリー幻想曲、
ショパン:アンダンテ・スピアナートと華麗な大ポロネーズ*
スヴャトスラフ・リヒテル(P)、
キリル・コンドラシン(指)LSO
録音:1961年7月18日&16日*
BBCL-4033
ブルックナー:交響曲第5番 ヤッシャ・ホーレンシュタイン(指)BBC響
録音:1971年9月15日(ステレオ)
朝比奈のような素朴さとは正反対のブルックナー。ホーレンシュタインの巨大に聳える音響志向と、ハーモニーの潔癖さ、勘所でのティンパニ強打、暗い音色などは、ブルックナーよりもマーラーで威力を発揮し、実際に「第3番」等の超名演を遺していますが、この「ブル5」は曲の複雑な対位法的な絡み合いと、頑丈過ぎるくらいの構築感が、ホーレンシュタインの資質と見事に融和し、絶大な説得力を生み出しています。第1楽章の冒頭は、さっそくホーレンシュタインならではの暗さで、「ハルサイ」の一場面の思わせるほどの不気味な息の潜め方ですが、トゥッティでは真っ直ぐに天まで伸びる勢いの壮大な音像に圧倒されます。フレージングは独特の緊張に満ち、アゴーギクは最少。じりじりと胸に迫るのではなく、深い部分で曲に共感しながらも現実的な音の表出に徹しているので、曲の仕組みが生々しく提示されることになります。そのため、第2主題のピチカートは超然とした偉容を誇り、第3主題も素朴な雰囲気など曲の本質とは無関係とばかりに、リアルなな音像が迫ります。第3楽章のティンパニの重量感もホーレンシュタインならではの凄み。圧巻は終楽章!クラリネット・ソロの跳躍の太く克明な吹かせ方に戦慄が走り、直後にはティンパニが剥き出しの激烈強打を2発!怪物のように襲いかかるバスの第1主題!これを機に一変にアンサンブルがギュッと凝縮され、延々と緊張を持続しながら曲の内部構造を赤裸々に現出します。第2主題第3群(5:40)の箇所のスケール感は、宇宙の大律動そのもの!この異常なまでに巨大な音楽は、このロイヤル・アルバート・ホールででなければ収まり切らなかったことでしょう。特にスクロヴァチェフスキのようなタイプのブルックナーがお好きな方は、それをもっと骨太にしたようなこの演奏は必聴!音質も良好。  【湧々堂】
BBCL-4034(2CD)
ブルックナー:交響曲第9番、
マーラー:交響曲第7番*
ジョン・バルビローリ(指)ハレO
録音:1966年7月29日ロンドン/1960年10月20日マンチェスター*
BBCL-4035
廃盤
マーラー:「若き日の歌」〜ドン・ファンの幻想/もう会えない/春の朝/思い出/シュトラスブルグの砦/緑の森を楽しく歩いた/夏に小鳥はかわり/悪戯な子をしつけるために/うぬぼれ、
「さすらう若人の歌」、
「リュッケルト歌曲集」〜私は快い香りを吸い込んだ/私の歌をのぞき見しないで/私はこの世に忘れられ/真夜中に
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br)
カール・エンゲル(P)
録音:1970年2月16日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(ステレオ)
BBCL-4037
モーツァルト:ピアノ協奏曲第27番、
2台のピアノのための協奏曲*、2台のピアノのためのソナタ ニ長調**
クリフォード・カーゾン(P)
ベンジャミン・ブリテン(P;**)
ダニエル・バレンボイム(P*,指)
イギリス室内O
録音:1979年9月11日ロイヤル・アルバート・ホール(ステレオ)/1960年6月23日オールドバラ(モノラル)
BBCL-4038
アルバート・ホールのウィーンの夕べ
ハイドン:交響曲第83番、
J.シュトラウス:「こうもり」序曲、
 皇帝円舞曲、トリッチ・トラッチ・ポルカ/無窮動、
R.シュトラウス:バラの騎士組曲、
レハール:金と銀
ジョン・バルビローリ(指)ハレO
録音:1969年8月9日(ステレオ)
●湧々堂推薦盤
BBCL-4039
シューベルト:交響曲第8番
ビゼー:「子供の遊び」組曲、
ラヴェル:「ダフニスとクロエ」第2組曲、
シベリウス:交響曲第7番*
エイドリアン・ボールト(指)
ニュー・フィルハーモニアO、RPO*
録音:1964年7月30日ロイヤル・アルバート・ホール/1963年3月8日ロイヤル・フェスティヴァルホール* (全てステレオ)
いかにもシベリウス的な透明なテクスチュアの表出よりも、朴訥さの中に熱い精神を漲らせることに心血を注ぎ込んだ、素晴らしいシベリウスです。弦の上昇音階の後の、木管の手作りの温かみを感じる音色とハーモニーの豊かさ、トロンボーンの吹奏以降の音の厚みと懐の深さなど、心を捉える音像の連続ですが、スケルツォに入ると、ボールトにしては意外なほどの表現意欲を見せ、ティンパニの毅然とした強打、弦の強靭なピチカートなどとともに、凝縮力の高い音楽が展開されます。アレグロの入ってからの牧歌風旋律の峻厳な佇まいと自然な呼吸も、また感動的を誘います。11:57で凄い弦の跳ね上がりと共にリズムを躍動させ、シャキッとしたリアルな音像を繰り広げるのは、まさに老練の味!16:58のティンパニ強打の後の峻厳な造型と呼吸の深さ、メリハリの克明さは、スタジオ録音であまり見せないボールトのアグレッシブな表現欲の表われで、その牽引力の強さには思わず手に汗握ります。コーダの18:58のピチカートの神々しさも必聴!  【湧々堂】
BBCL-4040
歌曲集
ヴォルフ、シューベルト、シューマン、ブラームスの作品
イルムガルト・ゼーフリート(S)、
エリック・ウェルバ(P)
録音:1962年1月17日&18日BBCスタジオ公開録音
BBCL-4041(2CD)
ビーチャムのシベリウス
フィンランド国歌&イギリス国歌、
シベリウス:「白鳥」組曲、
交響曲第4番、ペレアスとメリザンド、
タピオラ、テンペスト、交響曲第7番
ビーチャム、シベリウスについて語る*
トーマス・ビーチャム(指)RPO
録音:1954年9月16日ロイヤル・アルバート・ホール/1955年11月24日*
BBCL-4042
廃盤
マーラー:大地の歌、
ホーレンシュタイン「大地の歌」について語る
アルフレーダ・ホジソン(Ms)、
ジョン・ミッチンソン(T)、
ヤッシャ・ホーレンシュタイン(指)
BBCノーザンSO
録音:1972年4月28日マンチェスター
BBCL-4043
廃盤
グリーグ:ピアノ協奏曲*、
ドビュッシー:前奏曲集 第1巻
アルトゥーロベネデッティ・ミケランジェリ(P)、
ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス(指)
ニュー・フィルハーモニアO*
録音:1965年6月17日(モノラル)*、
、1982年4月13日(ステレオ)
BBCL-4045
バッハ:半音階的幻想曲とフーガ、
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第22番、
シューベルト:ピアノ・ソナタ第11番、
3つの小品、即興曲〜3曲
ヴィルヘルム・ケンプ(P)
録音:1969年6月5日イーン・エリザベス劇場
BBCL-4046
ブリテン:戦争レクイエム ステファニア・ヴォイトヴィチ(S)、
ピーター・ピアーズ(T)、
ハンス・ウィルブリンク(Br)、
カルロ・マリア・ジュリーニ(指)
フィルハーモニアO、
ベンジャミン・ブリテン(指)メロスEns
録音:1969年4月6日(ステレオ)
BBCL-4051
廃盤
マーラー:交響曲第7番「夜の歌」 ヤッシャ・ホーレンシュタイン(指)
ニュー・フィルハーモニアO
録音:1969年8月29日ロイヤル・アルバート・ホール(ステレオ)
クレンペラー存命中のこのオケから、その音色とは全く違う、縦に真っ直ぐ伸びる巨大な造型を構築させ、この曲の懐の深さを痛感させる凄演に仕上げています。ユニコーン録音の「巨人」や「第3番」でその凄さを知っている方も、尋常でない音の重量感、粘着力の強いリズムの打ち込みと相俟った迫力、壮絶なドラマ展開力には圧倒されること必至!第1楽章のコーダの執拗な楽想の繰り返しの全てが、見事なメリハリを伴って雄叫びを上げ続ける様には、会場の全員が完全降伏している様子が目に浮かびます。アゴーギクは最少ながら、不思議な屈折感で埋め尽くされている第2、第3楽章も独特の濃密な味。束の間の安らぎの第2楽章中間部でさえ根底で情念が燻り続け、コレレーニョはもちろん、カウベルの響きまでも不気味。第4楽章の美しいセレナードもどこか「痛い」ニュアンスが漂い、極美のマンドリンが、その心の傷を広げるかのように囁くのです。終楽章はまさに重戦車!ここでも楽天的で唐突な楽想が軽妙に弾むことはありません。ティンパニの発言力を最大に引き出すホーレンシュタインの特質も大全開。終演後は堰を切ったような大拍手が巻き起こります。  【湧々堂】
BBCL-4052
廃盤
リヒテル/「ハンマークラヴィーア」
ベートーヴェン
:ピアノ・ソナタ第3番、
3つのバガテル、
ピアノ・ソナタ第29番「ハンマークラヴィーア」
スヴャトスラフ・リヒテル(P)
録音:1975年6月11日オールドバラ音楽祭ステレオ
リヒテルの「ハンマークラヴィーア」は、同年同月18日のロンドン・ライヴ(Stradivarius)、同年1月のプラハ・ライヴ(Praga)と共に全てステレオ録音で素晴らしい演奏が堪能でき、とても甲乙など付けられませんが、初CD化のこのオールドバラ音楽祭ライヴもこれまた絶品!第1楽章から物凄い意気込み。思索に耽るようなリヒテルではなく、アグレッシブな表現意欲をが止め処もなく溢れ、展開部ではさらに推進力がアップ。第2楽章の中間部の取り付かれたようなエネルギーの放射力も絶頂期のリヒテルならではの素晴らしさ。第3楽章はまさにリヒテルのためにあるような音楽。瞑想の空気が独特の緊張感を持って醸し出されますが、透徹されたタッチから可憐なロマンの息吹が感じられ、特に8:20程から繰り広げられるまるで着地点が見えない長いフレーズでは、微妙なタッチの色合いの変化、感情バランスを一貫して保持する力量に、リヒテルの凄さを改めて痛感せずにはいられません。終楽章は鉄壁のリヒテル・マジック!恣意的な演出感などもちろん一切ないにもかかわらず、曲全体の造型が極限まで凝縮された形で突きつけられ、聴き手に有無を言わさぬ訴求力を発揮。10:28に飛び込む低音域と上声部との完璧なバランスが織り成す怒涛のうねりも必聴!
「第3番」
もPragaのライヴ盤と双璧の尋常ではない名演。バガテルでは、Op.126-4があまりにも激烈!打鍵に一切の綻びがないばかりか、急激な強弱の変化にも音像が全くぶれずに曲全体が弾丸と化して襲い掛かるのです。録音のとても明瞭。 【湧々堂】
BBCL-4054
廃盤
ブラームス:ピアノ・ソナタ第3番、
バルトーク:15のハンガリー農民の歌、
リスト:2つのエチュード、
ドホナーニ:ラプソディ第2番
アニー・フィッシャー(P)
録音:1961年8月27日エジンバラ
BBCL-4056
ベートーヴェン:「レオノーレ」序曲第3番*、
プロコフィエフ:組曲「3つのオレンジへの恋」、
ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」
ルドルフ・ケンペ(指)BBC響
録音:1975年8月27日*&29日ロイヤル・アルバート・ホール(ステレオ)
BBCL-4057
チェルカスキーのショパン
夜想曲Ops.9-2/48-1/55-1/27-2/72-1、
バラード第3番&第4番、
ワルツOps.64-2/18、
スケルツォ第2番&第4番、
練習曲「別れの曲」
シューラ・チェルカスキー(P)
録音:1970年-1991年(ステレオ)
BBCL-4058
モントゥー/ブラームス&シューマン
ロッシーニ:「アルジェのイタリア女」序曲、
ブラームス:交響曲第3番、
シューマン:交響曲第4番*
ピエール・モントゥー(指)
BBCノーザンSO、BBC響*
録音:1962年11月21日マンチェスター・タウン・ホール/1961年10月18日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール*
BBCL-4060
ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番*/2番+、
イザイ:2つのヴァイオリンのための「友情」#
ダヴィッド・オイストラフ(Vn)
イーゴリ・オイストラフ(Vn;#)
ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー(指)
フィルハーモニアO*
エフゲニー・スヴェトラーノフ(指)ソヴィエト国立SO+、
マルコム・サージェント(指)LPO#
録音:1962年9月7日エディンバラ音楽祭、アッシャー・ホール*/1968年8月22日(ステレオ)+&1961年2月26日#、ロイヤル・アルバート・ホール
BBCL-4061
モーツァルト:クラリネット五重奏曲*、
フランク:ピアノ五重奏曲#、
R.シュトラウス:歌劇「カプリッチョ」〜序奏(弦楽六重奏版)+
ジェルヴァーズ・ド・ペイエ(Cl;*)
クリフォード・カーゾン(P)#
セシル・アロノヴィッツ(Va;+)
ウィリアム・プリース(Vc;+)、アマデウスSQ
録音:1966年6月12日*&1960年6月21日(モノラル)#、オールドバラ音楽祭/1971年5月4日クイーン・エリザベス・ホール+
●湧々堂推薦盤
BBCL-4062(2CD)
バッハ:ミサ ロ短調、
ジュリーニへのインタビュー
J・ヒル(S)、ジェネット・ベイカー(A)、
ピーター・ピアーズ(T)、
ジョン・シャーリー=カーク(Bs)、
カルロ・マリア・ジュリーニ(指)
ニュー・フィルハーモニアO&cho
録音:1972年7月10日セント・ポール大聖堂、ステレオ
BBCL-4063
ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第8番*、
ボロディン:弦楽四重奏曲第2番+、
ラヴェル:弦楽四重奏曲*
ボロディンQ
録音:1962年8月31日*/29日+、エジンバラ音楽祭リース・タウン・ホール(モノラル)
BBCL-4064
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第12番*、
ピアノ・ソナタ第4番*、
ドビュッシー:映像 第1集〜ラモーをたたえて*、
ラヴェル:夜のガスパール+
アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ(P)
録音:1982年4月13日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(ステレオ)*/1959年6月30日BBCスタジオ(モノラル)+
BBCL-4065
ビーチャムのベルリオーズ
序曲「海賊」*、序曲「リア王」+、
交響曲「イタリアのハロルド」#、
歌劇「トロイ人」〜行進曲**
フレデリック・リドル(Va;#)
トマス・ビーチャム(指)RPO、BBC響+
録音:1951年3月27日ロイヤル・アルバート・ホール*/1954年12月8日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール+/1956年8月22日アッシャー・ホール#/ 1951年7月9日
豪放磊落とはこのこと!ビーチャムの棒は「俺について来い!」的な強力な牽引力で音楽をダイナミックの盛り上げ、団員もむしろそれを楽しんでいるようすがめに浮かびます。モノラルながら聴きやすい音質で、ベルリオーズならではの色彩の放射も申し分なし。生涯この作曲家に愛着を持ち続けたビーチャムの真骨頂がここにあります。 【湧々堂】 
BBCL-4066
デニス・ブレイン名演集
ベートーヴェン:六重奏曲変ホ長調 Op.81b*、
シューベルト:流れを下る船上で D.943+、
モーツァルト(ベインズ編):ディヴェルティメント第14番#、
ハイドン:ホルン協奏曲第1番ニ長調**、
アーノルド・クック:アリオーソとスェルツォーソ++、
イベール:3つの小品+、
ミヨー:組曲「ルネ王の炉辺」##、
ブレインの解説による「ホルンの進歩」〜抜粋
デニス・ブレイン(Hrn)、
ピーター・ピアーズ(T)、
アラン・シヴィル(Hrn)、イギリスSQ、
ノエル・ミュートン=ウッド(P)、
ブレイン・アンサンブルBBCミッドランドO他
録音:1957年2月18日*、1953年1月28日+、1957年7月22日#、1957年1月21日**、1953年3月5日++、1955年6月22日##、すべてBBCスタジオ
BBCL-4067
バルビローリのブルックナー
ブルックナー:交響曲第8番
ジョン・バルビローリ(指)ハレO
録音:1970年5月20日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(ステレオ)
バルビローリはホーレンシュタインなどと同様(音楽の志向性は異なりますが)、マーラーとブルックナーの両方を重要なレパートリーに据えながらも、断然マーラーの方に自身の音楽性を投影し尽くした指揮者でした。しかし、このバルビローリのロンドンでの最後の公演ライヴは例外中の例外!とても涙なしでは聴けません!ヴァントや朝比奈の演奏と比べるとかなり異質ではありますが、人間の生き様、抑え難い感情の波を徹底的に盛り込んだ解釈を前にして、「ブルックナーらしくない」などと言っている場合ではありません。特に白眉は第3楽章!このコンビの持ち味である濃厚なビブラートによるすすり泣きが全編を覆い、自身の死期を悟ったかのような絶望と安らぎが交錯した空気も醸成されるのです!終楽章の激烈なドラマも必聴!このCDは、酒、人生、音楽をこよなく愛したジョンの最後の感動ドキュメントとして、不滅の光を放ち続けることでしょう。  【湧々堂】
BBCL-4070
ベイカー〜シューベルトの夕べ
若い尼僧、ばらの花冠、湖上で、
ゴンドラの漕ぎ手、不幸な男、アマーリア、
憧れ、小川のほとりの若者、ギリシャの神々、
亡命者、ラウラへの恍惚、勝利、夕べの星、
アティス、夕べの歌、アティス/夕べの歌、
メムノン、消滅、ミューズの息子
ジャネット・ベイカー(Ms)
グレアム・ジョンソン(P)
ジェフリー・パーソンズ(P)
録音:1977年10月2日スネイプ・モールティングズ/1980年9月1日アッシャー・ホール
BBCL-4071
クレンペラー追悼〜クーベリックの「第9」
モーツァルト:フリーメイソンのための葬送音楽 K.477、
ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」*
マーガレット・プライス(S;*)
イヴォンヌ・ミントン(A;*)
ヴェルナー・ホルヴェーク(T;*)
ノーマン・ベイリー(Br;*)
ラファエル・クーベリック(指)
ニュー・フィルハーモニアO&cho
録音:1974年1月14日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(オットー・クレンペラー・メモリアル・コンサート)(ステレオ)
BBCL-4072
ボールトのシューベルト:「グレート」
シューベルト
:交響曲第9番「グレート」*、
ケルビーニ:歌劇「アナクレオン」序曲+、
コルネリウス:歌劇「バグダッドの理髪師」序曲#
エイドリアン・ボールト(指)RPO、BBC響#
録音:1969年8月11日ロイヤル・アルバート・ホール(ステレオ)*/1963年3月8日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(ステレオ)+/1954年9月26日BBCスタジオ(モノラル)#
「グレート」は聴後に放心状態に陥ること必至!冒頭の安定し切ったホルンの佇まい、悲しみに暮れた弦…と早速心をとらえ、主部に入ると彫琢し尽くした圧倒的音像を構築。第2楽章も安易な感傷とは無縁で、「神の音楽」と呼ぶ他ない威容を湛えています。終楽章に至っては老紳士の衣から遂に脱却!金管、打楽器を根底から轟かせて内燃エネルギーの限りを尽くし、完璧なフォルムで極限に達するという至芸を見せつけるのですから、これが落ち着いて居られましょうか!Vn両翼配置による音色のブレンド感も絶妙!  【湧々堂】
BBCL-4073
ハチャトゥリアン:チェロと管弦楽のためのコンチェルト・ラプソディ*、
ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲第2番+、
チャイコフスキー:ロココ風の主題による変奏曲#
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(Vc)
ジョージ・ハースト(指)LSO*
コリン・デイヴィス(指)LSO+、
コリン・デイヴィス(指)BBC響#
録音:1963年12月21日*/1966年10月5日(モノラル)+/1964年6月30日#、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール
BBCL-4075(2CD)
マーラー:交響曲第9番*、亡き子をしのぶ歌+ ジャネット・ベイカー(A;+)
ヤッシャ・ホーレンシュタイン(指)LSO*
スコティッシュ・ナショナルO+
録音:1969年9月15日ロイヤル・アルバート・ホール*/1967年5月30日グラスゴー+(全てステレオ)
BBCL-4077
ショーソン:愛と海の詩*、
シェーンベルク:グレの歌〜山鳩の歌+、
ベルリオーズ:歌曲集「夏の夜」#
ジャネット・ベイカー(Ms)
エフゲニー・スヴェトラーノフ(指)LSO*
ノーマン・デル・マー(指)BBC響+
カルロ・マリア・ジュリーニ(指)LPO#
録音:1975年*/1963年11月7日+/1975年5月14日#(全てステレオ)
BBCL-4079
廃盤
ブルックナー:交響曲第3番ニ短調 ロヴロ・フォン・マタチッチ(指)
フィルハーモニアO
録音:1983年7月23日(ステレオ)
マタチッチの死の2年前の豪放かつ神がかり的な演奏で、彼のブルックナー録音の中でも特に傑出して感動的な名演奏です。第1楽章序奏の弱音には強靭な精神が宿り、第1主題が圧倒的な逞しさで聳え立つところから、紛れもないマタチッチ流。展開部では、火の中に飛び込むような怒涛の突進と、続く弦の透徹した弱音が鮮烈な対比を見せますが、感情剥き出しの一歩手前の所で音像が結晶化し尽しているので、神の宣告のような光を湛えながら迫ります。第2楽章も表面的な美しさとは無縁。後半で音楽が熱く高揚しても、そこには常に祈りがあります。第3楽章は、ティンパニ(全体を通じ、ティンパニの巧さは必聴!)の急速な強弱変化の激烈さ、地底から沸き立つようなリズムのうねり、中間部の木管の些細なパッセージから低弦の抉りに至るまで満遍なく光を湛え、異次元的な空間を表出する様は、通常のスケルツォの概念をはるかに超えています。終楽章に至ってはもう圧巻!冒頭の弦の刻みは、まさに大宇宙の律動として響き、第1主題のとてつもない迫力がそれに追い討ちを掛け、続く弦のフレーズ結尾のクレッシェンドが峻厳さを加味するというように、作品の根源的な意味に肉薄する表現の連続技に、息つく暇もありません。コーダの雄渾を極めたまさにブルックアー・サウンドは、いつまでも鳥肌が引かないほど感動的で、この響きがどちらかというと小起用なイメージのフィルハーモニア管から発せられていることのも驚きを禁じ得ません。  【湧々堂】
BBCL-4082
リヒテル〜1966年オールドバラ音楽祭
モーツァルト:ピアノ・ソナタ ト長調K.283*、
チャイコフスキー:「四季」〜5月/6月/11月/12月、
ラフマニノフ:練習曲集「音の絵」Op.39-3,4、
スクリャービン:ピアノ・ソナタ第9番「黒ミサ」、
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第4番
スヴャトスラフ・リヒテル(P)
録音:1966年6月19日オールドバラ教区教会(ステレオ)
BBCL-4085
ケンプ〜リサイタル
ブラームス:ピアノ・ソナタ第3番、
シューマン:幻想曲 ハ長調、蝶々
ヴィルヘルム・ケンプ(P)
録音:1970年2月8日
BBCL-4086(2CD)
ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調*、
ワーグナー:「トリスタンとイゾルデ」第1幕前奏曲#、
ヴェーゼンドンク歌曲集+
ジャネット・ベイカー(Ms;*)
レジナルド・グッドール(指)BBC響
録音:1969年9月3日*/1971年11月3日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール#,+
BBCL-4089
廃盤
ジョン・オグドン/リスト
リスト:ピアノ協奏曲第1番*/第2番#、
メフィスト・ワルツ+、
パガニーニの「鐘」による大幻想曲**、
「超絶技巧練習曲」〜夕べの調べ##
ジョン・オグドン(P)
C・シルヴェストリ(指)ボーンマスSO*
コリン・ディヴィス(指)BBC響#
録音:1967年9月20日*/1971年9月18日ロイヤル・アルバート・ホール#/1969年4月24日クィーン・エリザベス・ホール+/1970年1月20日BBCスタジオ(**/##)
BBCL-4090(2CD)
廃盤
ハイドン:ピアノ・ソナタ第37番 Hob.XVI:22*、
ショパン:夜想曲Op.72-1#、
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第11番#、
エロイカ変奏曲#、
シューマン:交響的練習曲#、
ショパン:夜想曲Op.15-1#、
ラフマニノフ:12の前奏曲集+
スヴャトスラフ・リヒテル(P)
録音:1967年6月16日オールドバラ音楽祭ライヴ*/1968年10月20日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール#/1969年10月8日フリー・トレード・ホール
BBCL-4091(2CD)
廃盤
チャイコフスキー:バレエ「眠れる森の美女」 ロジェストヴェンスキー(指)BBC響
録音:1979年10月10日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(ステレオ)
BBCL-4092
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番 ニ短調*、
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番 ト短調+
シューラ・チェルカスキー(P)
ルドルフ・シュワルツ(指)*BBC響*
ケント・ナガノ(指)LPO+
録音:1957年12月11日(モノラル)*/1991年5月2日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(ステレオ)+
BBCL-4098
ウォルトン自作自演集 Vol.2
チェロ協奏曲*、戴冠式のためのテ・デウム+、
十二使徒(W.H.オーデンの詩によるアンセム)#、
ヒンデミットの主題による変奏曲**、
「ファサード」組曲++〜ポピュラー・ソング/オールド・サー・フォーク/セビーリャのタランテラ
ピエール・フルニエ(Vc;*)
ウィリアム・ウォルトン(指)RPO(*/**)、LPO&cho(+/#)、BBC響++
A.ダウドル(S;#)S.ミンティ(Ms;#)
R.ティアー(T;#)
M.ウェイカム(Br;#)
録音:1959年8月23日アッシャー・ホール第13回エジンバラ音楽祭(モノラル)*/1966年1月2日ウェストミンスター寺院(+/#)/1963年3月8日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール**/ 1968年8月20日ロイヤル・アルバート・ホール(プロムス・ライヴ)++
BBCL-4099
ビーチャム/ブラームス&ベートーヴェン
ブラームス:交響曲第2番*、
ベートーヴェン:交響曲第2番+
トーマス・ビーチャム(指)RPO
録音:1956年8月20日アッシャー・ホール、エジンバラ音楽祭*/1956年12月23日ファーリントン・ストリート・メモリアル・ホール+
BBCL-4100
廃盤
バルビローリ〜イギリス音楽集
イギリス国歌*、
アラン・ローソーン:序曲「街角」+、
ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第8番#、
バックス(バルビローリ編):オーボエ五重奏曲**、
ディーリアス:春初めてのカッコウを聞いて++、
ウォルトン:戴冠式行進曲「王冠」##、
エルガー:希望と栄光の国***
ジョン・バルビローリ(指)ハレO、
英国陸軍軍楽学校バンド&トランペット隊(*/##)
イヴリン・ロスウェル(Ob;**)
カスリーン・フェリアー(A;##)
録音:1969年11月19日(*/++/##)&1967年8月11日(ステレオ)#、(*/#/++)/1968年4月24日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(ステレオ)+/1968年11月13日BBCスタジオ**/1951年11月16日自由貿易ホール***
BBCL-4101
デ・ロス=アンヘレス/リサイタル
A.スカルラッティ:すみれ、
ヘンデル:「マカベウスのユダ」〜リュートとハープが人を目覚めさせるように」、
シューベルト:僕のもの、
シューマン
:献呈、
ブラームス:夜鳴きうぐいす、私の心は緑に燃え、
ストラヴィンスキー:パストラール、
ラヴェル:ハバネラ形式のヴォカリーズ、
デュパルク:旅への誘い、
ベルリオーズ:「夏の夜」*〜ヴィラネル/バラの精/未知の島、他
ビクトリア・デ・ロス=アンヘレス(S)
ジェラルド・ムーア(P;*以外)
ルドルフ・シュワルツ(指)BBC響*
録音:1957年8月25日第11回エディンバラ音楽祭*/1957年4月24日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール#
BBCL-4102
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲*、
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調#
ダヴィド・オイストラフ(Vn)
ノーマン・デル・マー(指)RPO*
マルコム・サージェント(指)LPO#
録音:1960年1月19日*/1961年2月26日#、ロイヤル・アルバート・ホール
BBCL-4103
リヒテル/「展覧会の絵」
シューマン
:色とりどりの小品Op.99、
ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」、
ドビュッシー:映像第2集〜葉ずえを渡る鐘の音
スヴャトスラフ・リヒテル(P)
録音:1968年11月19日ゴールドスミス・ホール(モノラル)
タッチの色彩センスを問われる曲のみで構成!「展覧会」は音圧一辺倒の演奏とは次元が異なり、磨き抜いた音色、厳格なアーティキュレーションで幽玄の森へと誘うのです。強靭な打鍵を要求される“ブイドロ(牛車)”でさえ極美のタッチを死守。“リモージュ市場”の堅固な拍節感から生じる凄味もリヒテルの真骨頂。しかしそれ以上に感銘深いのがシューマン!モノラル録音であることなど完全に忘れてしまうほど、文字通りの色彩の微妙な綾を完璧に表出!シューマン晩年の鬱状態を丸ごと反映したかのような内面性の深さを前にして、もはやこれ以上ものを望むことなど出来ません。第4、7曲の瞑想性には言葉を失いますし、終曲に至ってはもう華麗なピアニズムの応酬!あまり頻繁に弾かれることのない曲ですが、これ以上の高みに達したこの演奏には当分出会えないでしょう。モノラルながら音質良好。【湧々堂】
BBCL-4105
廃盤
ルービンシュタインのショパン1961
ピアノ協奏曲第2番*、バラード第1番、
マズルカOp.56-3、スケルツォ第4番、
練習曲Op.10-6/Op.10-8/Op.10-9、
アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ、
ワルツ 嬰ハ短調Op.64-2
アルトゥール・ルービンシュタイン(P)
カルロ・マリア・ジュリーニ(指)
フィルハーモニアO*
録音:1961年5月16日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール*/1959年10月6日(全てモノラル)
BBCL-4106
廃盤
エルガー:交響曲第1番*、序奏とアレグロ# ジョン・バルビローリ(指)ハレO
録音:1970年7月24日聖ニコラス教会、キングス・リンキングス・リン音楽祭ライヴ(ステレオ)
BBCL-4107
マーラー:歌曲集「さすらう若人の歌」*、
歌曲集「リュッケルトによる5つの詞」#〜私は快い香りを吸い込んだ/私はこの世に忘れられ/真夜中に、
R.シュトラウス:あなたは私の心の王冠#、憩え我が魂#、献呈#、
ブラームス:セレナード#、子守歌#、
R.シュトラウス:4つの最後の歌+
クリスタ・ルードヴィヒ(Ms)*,#
アンドレ・クリュイタンス(指)
フィルハーモニアO*
ジェフリー・パーソンズ(P)#
セナ・ユリナッチ(S)+
マルコム・サージェント(指)BBC響+
録音:1957年12月2日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール*/1978年7月15日ウィグモア・ホール#/1961年9月11日ロイヤル・アルバート・ホール+
BBCL-4108
アンドレス・セゴビア/1955年ライヴ
ガリレイ:リュートのための5つの小品、
ヴィセー:6楽章形式の組曲第9番、
バッハ:フーガ イ短調BWV.1000/ガヴォット ホ長調BWV.1006a、
シューベルト:メヌエット ト長調D.894、
タンスマン:カヴァティーナ、
ヴィラ=ロボス:前奏曲第3番/前奏曲第1番、
カステルヌオーヴォ=テデスコ:セゴビアの名によるトナディーリャ/タランテラ、
グラナドス:スペイン舞曲第10番
アンドレス・セゴビア(G)
録音:1955年8月28日第9回エディンバラ音楽祭
BBCL-4109(2CD)
廃盤
バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻(全曲) ロザリン・テュレック(P)
録音:1977年7月4日BBCスタジオ(ステレオ)
BBCL-4110
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調*、
シューマン:チェロ協奏曲 イ短調#、
チャイコフスキー:奇想的小品+
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(Vc)
エフゲニー・スヴェトラーノフ(指)
ソヴィエト国立SO*
ベンジャミン・ブリテン(指)LSO#、ECO+
録音:1968年8月21日ロイヤル・アルバート・ホール*/1961年7月6日オルフォード・チャーチ#/ 1968年6月16日第21回オールドバラ音楽祭+
BBCL-4111
マイラ・ヘス/ベートーヴェン&モーツァルト
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番*、
モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番 K.488+、
アダージョ ロ短調 K.540#、ロンド ニ短調 K.485#
マイラ・ヘス(P)
エイドリアン・ボールト(指)LPO(*/+)
録音:1961年9月8日ロイヤル・アルバート・ホール*/1961年10月31日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール+/ 1958年10月12日BBCメイダ・ヴェイル・スタジオ#
BBCL-4113
ビーチャム〜クラシック小品集
シャブリエ:歌劇「グヴァントリーヌ」序曲*、
モーツァルト:ディヴェルティメント K.131〜3つの楽章+、
ディーリアス:ブリッグの定期市+、
ドビュッシー:カンタータ「放蕩息子」〜行列とエール・ド・ダンス+、
サン=サーンス:交響詩「オンファールの糸車」#、
ベルリオーズ:歌劇「トロイの人々」〜王の狩りと嵐**、
マスネ:聖処女の最後の眠り+、
シャブリエ:狂詩曲「スペイン」+
トマス・ビーチャム(指)RPO、BBCcho**
録音:1955年12月20日*/1956年10月22日+/1958年12月9日#/1959年11月4日BBCメイダ・ヴェイル・スタジオ**
BBCL-4114
ケンプ・イン・ロンドン〜1969&1972
シューベルト:ピアノ・ソナタ第6番*、
ブラームス:4つのバラードOp.10*、
シューマン:ピアノ・ソナタ第2番*、
シューベルト:即興曲D.935 NO2*、
ブラームス:ロマンス ヘ長調Op.118-5+
間奏曲Op.118-6+、間奏曲Op.76-4+
ヴィルヘルム・ケンプ(P)
録音:1972年9月17日*&1969年11月3日+(ステレオ)
BBCL-4116(3CD)
バッハ:平均律クラヴィーア曲集第2巻 ロザリン・テュレック(P)
録音:1976年4月27日5月4、12、18、25日11月4日BBCブロードキャスティング・ハウス、コンサートホール(全てステレオ)
BBCL-4117
ジャネット・ベイカー〜リサイタル
グルック:おお、私の愛しい人よ、
リュリ:暗い森は陰を濃くして、
マルチェッロ:私を燃え立たすその炎は、
バークリー:オーデンによる5つの詩、
フィンジ:花を捧げよう Op.18〜ああ、愛しい君よ、
ヴォーン・ウィリアムズ:美しい人よ、目覚めよ/疲れて/沈黙の正午、
リンデン・リーブリテン編:イギリス民謡集〜柳の園/おおあなたはクッションが縫えますか?/ああ悲しや悲し/おまえはニューカッスルの出ではないのか、
パーセル:眠れアダムよ眠れ*、主よ人とは何か*、
ウォーロック:眠れ*、プリティ・リング・タイム*、休め優しきニンフよ*、陽気な羊飼い*
ジャネット・ベイカー(Ms)
ジェフリー・パーソンズ(P)
録音:1983年7月4日チェルタナム・タウンホール/1968年6月10日スネイブ・モルティングス・コンサートホール*(全てステレオ)
BBCL-4121
R=コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」*、
歌劇「ムラダ」〜貴族たちの行列+、
スクリャービン:「法悦の詩」#
ジョン・ジョージアディス(Vn)*
エフゲニー・スヴェトラーノフ(指)LSO、
ソヴィエト国立SO#
録音:1978年2月21日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ライヴ(*/+)/1968年8月22日ロイヤル・アルバート・ホール#、ライヴ(全てステレオ)
●湧々堂推薦盤
BBCL-4122
ホスショフスキ〜97歳のリサイタル
バッハ:フランス組曲第6番 BWV.817、
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第6番、
シューマン:蝶々、
ショパン:夜想曲Op.9-2即興曲Op.36、
ワルツOp.64-2、スケルツォ第1番、
練習曲Op.25-2、
シューマン:トロイメライ
ミェチスワフ・ホルショフスキ(P)
録音:1990年6月21日ウィグモア・ホール(ステレオ)
BBCL-4123
ジュリーニのブルックナー第7
ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調*、
ファリャ:バレエ「三角帽子」〜2つの踊り+、
ムソルグスキー:「ホヴァンシチナ」前奏曲#
カルロ・マリア・ジュリーニ(指)
フィルハーモニアO
録音:1982年7月19日(全てステレオ)*、1963年8月8日+)/1961年9月7日#
BBCL-4124
ベイヌムのベートーヴェン
ベートーヴェン:交響曲第2番/第7番
エドゥアルト・ファン・ベイヌム(指)
フィルハーモニアO
録音:1958年11月10日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール
BBCL-4125
アラウ/ブラームス&シューベルト
ブラームス:ピアノ協奏曲第2番*、
シューベルト:3つの小品 D.946+
クラウディオ・アラウ(P)
アレグザンダー・ギブソン(指)
スコティッシュ・ナショナルO*
録音:1963年6月17日*/1959年3月9日BBCスタジオ+
BBCL-4126
廃盤
リヒテルのロンドン・ライヴ1963
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第9番*/第10番*、
シューベルト:「さすらい人」幻想曲*、
シューマン:ウィーンの謝肉祭の道化+、
アベッグ変奏曲+、
ショパン:練習曲Op.10-4+
スヴャトスラフ・リヒテル(P)
録音:1963年2月2日*&1月27日+(全てモノラル)
BBCL-4127
廃盤
オイストラフのベートーヴェン&モーツァルト
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲*、
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第4番+
ダヴィド・オイストラフ(Vn)
ダヴィド・オイストラフ(指)+
キリル・コンドラシン(指)*モスクワPO
録音:1965年10月10日*、12日+、(全てモノラル)
BBCL-4128
廃盤
アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第32番*、
D.スカルラッティ:ソナタK.11*/ソナタK.332#/ソナタK.172#、
クレメンティ:ピアノ・ソナタ 変ロ長調+、
ショパン:ピアノ・ソナタ第2番「葬送」+
アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ(P)
録音:1961年5月12日(*/#)/1959年6月30日+、以上BBCスタジオ(モノラル)(
BBCL-4129
マーラー:大地の歌
ケンペへのインタビュー(聞き手:ジリアン・ウィディコム)]*
ジャネット・ベイカー(Ms)、
ルドヴィク・スピース(T)、
ルドルフ・ケンペ(指)BBC響
録音:1975年10月8日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール/1974年3月21日ロンドン*
BBCL-4130
ルービンシュタイン&オーマンディ
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」*
ブラームス:ラプソディ第2番 ト短調Op.79-2、
間奏曲 変ロ短調Op.117-2、
ショパン:夜想曲Op.15-2/練習曲Op.10-4/英雄ポロネーズ第6番、
ブラームス:カプリッチョOp.76-2、
シューベルト:即興曲第3番D.899-3/D.899-4
アルトゥール・ルービンシュタイン(P)、
ユージン・オーマンディ(指)
フィルハーモニアO*
録音:1963年6月14日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール/1958年11月29日BBCスタジオ
BBCL-4131
ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」 マリ=アンネ・ヘガンデル(S)、
アルフレーダ・ホジソン(Ms)、
ロバート・ティアー(T)、
グゥイン・ハウエル(Bs)、
クラウス・テンシュテット(指)LPO、同cho
録音:1985年9月13日ロイヤル・アルバート・ホール(ステレオ)
ゆったりとしたテンポを基調とし、ドイツの伝統を踏まえたスタイルに終始。特に第3楽章の敬虔な歌の浸透力は聴きもの。一方、終楽章冒頭は、全てを打ち砕くような激烈な破壊力を誇示するなど、ニュアンスの幅が広いのが特徴的です。【湧々堂】
BBCL-4132
エリーザベト・ゼーダーシュトレーム/リサイタル
リスト:君よ知るや南の国*、
シューベルト:糸を紡ぐグレートヒェン*/あふれる喜びとあふれる悲しみと*/魔王*、
チャイコフスキー:何故に*/ただあこがれを知る者のみ*/かっこう*、
ラフマニノフ:美しい人よ私のために歌わないで*/ミュッセからの断片*/ねずみを取る男*、
グリーグ:君を愛す*、シベリウス:少女*、
R.シュトラウス:慕わしき幻#/風雨をしのぐ仮の宿を#、
グリーグ:さくら草を手に#/睡蓮を手に#、
ニールセン:りんごの花#リスト:もし美しい芝生があるなら#/おお、私が眠る時#/わが子よ、もし私が王だったら#/どうした、と彼等は言った#、
シューベルト:至福#、
ヴォルフ:スペイン歌曲集〜悪態の限りをつく#
エリーザベト・ゼーダーシュトレーム(S)、
ロジャー・ヴィニョールズ(P;*)、
マーティン・イセップ(P)#
録音:1984年4月30日セント・ジョンズ・スミス・スクエア*/1971年8月14日クイーン・エリザベス・ホール#(全てステレオ)
BBCL-4133
シューマン:チェロ協奏曲 イ短調*、
ヒンデミット:チェロ協奏曲#*
トルトゥリエのマスター・クラス(ヒンデミットのチェロ協奏曲#)
ポール・トルトゥリエ(Vc)、
アンタル・ドラティ(指)BBC響*、
エドワード・ダウンズ(指)
ニュー・フィルハーモニアO#
録音:1962年11月11日*/1967年12月8日BBCスタジオ#(モノラル)
BBCL-4134
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲第5番 ニ長調「幽霊」、
モーツァルト:ピアノ三重奏曲 ト長調 K.564、
ブリッジ:ピアノ三重奏曲第2番
ユーディ・メニューイン(Vn)、
モーリス・ジャンドロン(Vc)、
ベンジャミン・ブリテン(P)
録音:1963年6月24日オールドバラ教区教会第16回オールドバラ音楽祭(ステレオ)
BBCL-4135
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第7番、
シューマン:交響的練習曲Op..13、
バルトーク:ピアノ組曲Op.14、
ブラームス:パガニーニの主題による変奏曲
ゲザ・アンダ(P)
録音:1955年8月23日フリーメイソンズ・ホールエジンバラ音楽祭
BBCL-4136
廃盤
マーラー:交響曲第2番 ハ短調「復活」 レイ・ウッドランド(S)、
ジャネット・ベイカー(Ms)、
レオポルド・ストコフスキーー(指)LSO、
BBCcho、BBCコラール・ソサエティ、
ゴールドスミス・コラール・ユニオン、
ハーロー・コラール・ソサエティ
録音:1963年7月30日ロイヤル・アルバート・ホール(モノラル)
BBCL-4137
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第1番*、
モーツァルト:弦楽四重奏曲第20番「ホフマイスター」#、
スメタナ:弦楽四重奏曲第1番「わが生涯より」#
スメタナSQ
録音:1963年1月12日BBCスタジオ*/1965年6月14日ロイヤル・フェスティヴァルホール#
BBCL-4138
ショパン:ピアノ・ソナタ第3番*、
スケルツォ第4番#、前奏曲OP.45+、
24の前奏曲 OP.28+
ヴラド・ペルルミュテール(P)
録音:1964年5月22日*/1971年12月8日#/1972年7月6日+
ペルルミュテールは後年にNimbusにショパンの主要作品をスタジオ録音しており、「スケルツォ第4番」以外は全てそこのも収録されていますが、この録音では、気力と精神力、技巧においてまさに円熟の頂点を極めたペルルミュテールの至芸を充分に堪能でき、Numbus盤をお持ちの方も改めて素晴らしさを実感されることでしょう。
まずは「第3ソナタ」。この作品は、全体をカチッと構築するのが困難なのかどうも緊張感に欠ける演奏が多く、なかなかこれといった演奏に巡り会えないのですが、その渇きを癒すのがこれ!まずタッチの何と艶やかなこと!その一音一音の内面は熟成され尽くされており、フレーズの連鎖が実に緊密。第1楽章開始直後、0:51からの左手の上行音型が洗練された美しさを上声部と融合する様に早速言葉を失います。そして第2主題の芳しい気品!この調子で全楽章通されたらとてつもない演奏になることを予感させ、事実そのとおおりの結果となるのです。第2楽楽章は軽やかであっても優美とはいえない演奏が多いですが、ペルルミュテールはもちろん共に兼備。トリオ部分で、静かな佇まい中でも音が内面から主張をし続けている点をどうぞお聴き逃しなく。第3楽章は最初の短い導入から求心力満点。決して高圧的な打鍵ではないですが、その訴えかけの強さはペルルミュテールの中で作品のイメージが強固に刻印されている証でしょう。極めて甘美である反面、時に「冗長」とも言われる楽章ですが、ここでのトリオなど、いつまでも浸っていたい心情に駆られます。そのトリオから再び主題に回帰してからは、左手声部の変化が粋な形で彩を添え、最後の和音のひそやかな置き方も心に染みます。終楽章は、冒頭の弱音から次第にクレッシェンドする楽譜どおりの演奏ですが、そのクレッシェンドそのものに緊張のドラマ性が孕んでいるのにハッとさせられ、そんな演奏は他では体験したことがありません。アゴーギクは最小限に抑えていますが、その表情の陰影の豊かさに引き込まれるばかりです。このソナタのみモノラルですが、スタジオでの録音で音質が極めて良好なのも嬉しいかぎりです。
「スケルツォ第4番」も決して鋭角的なタッチを用いずエレガンスト。1:29からの低音部の生かし方!ここはまさにハーモニーの豊かさを瞬時に引き出すセンスの賜物です。
「前奏曲集」がこれまた例えようもない素晴らしさ!タッチはまろやかでありながら内面に一貫したドラマ性を宿らせるピアにズムはここでも確実に息づいており、技巧も磐石。「第6番」の低音部が息の長いフレージングが、物々しい表情ではなくじりじりと胸に訴えかける様、「第7番」の間合いの抜群のセンスなどを魅力的な妙技の連続。鳥肌がサッと立つほど絶妙なのが、雨だれと知られる「第15番」0:24〜0:25の雰囲気と色彩の変え方!!最後の24番は、もっと感覚的に激しさを強調した演奏はいくらでもありますが、フランス・ピアニズムの水を結集したたちのニュアンスとショパンの心の葛藤を根底から汲み上げる迫真のニュアンスは比類なし。そんな中、1:27からの激高ぶりは異例とも言え、たがが外れたようなその激しさに戦慄を抑え切れません。  【湧々堂】
BBCL-4139
スメタナ:歌劇「売られた花嫁」序曲、
ドヴォルザーク:交響曲第8番、
ヤナーチェク:シンフォニエッタ
クラウス・テンシュテット(指)LPO
録音:1991年4月2日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(ステレオ)
BBCL-4140
カルロ・マリア・ジュリーニ
シューベルト:交響曲第9番「グレイト」*
ウェーバー:「魔弾の射手」序曲#
ブリテン:「劇場の建設」序曲+
カルロ・マリア・ジュリーニ(指)LPO*、
ニュー・フィルハーモニアO#,+&cho+
録音:1975年5月14日(ステレオ)*/1970年12月13日(モノラル)#/1968年1月16日(モノラル)+、
BBCL-4141
廃盤
アニー・フィッシャー/シューマン
子供の情景Op.15*、
クライスレリアーナ*、幻想曲Op.17#
アニー・フィッシャー(P)
録音:1986年4月8月BBCブロードキャスティングハウス・コンサートホール*/1971年2月24日BBCスタジオ#(全てステレオ)
BBCL-4142
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」*、
自作の主題による32の変奏曲 ハ短調#、
シューベルト:ピアノ・ソナタ第19番#
ジョン・オグドン(P)、
ヤッシャ・ホーレンシュタイン(指)
BBCノーザンSO*
録音:1969年1月21日(モノラル)*/1972年1月23日BBCスタジオ(ステレオ)#
BBCL-4143
チャイコフスキー:交響曲第4番*、
ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲第1番#
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(Vc;#)、
ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー(指)
レニングラードPO
録音:1971年9月9日ロイヤル・アルバート・ホール(ステレオ)*/1960年9月9日エディンバラ音楽祭(モノラル)#
●湧々堂推薦盤
BBCL-4144(2CD)
ヴェルディ:歌劇「運命の力」序曲*、
レクイエム#
イルヴァ・リガブーエ(S;#)、
グレース・バンブリー(Ms;#)、
シャーンドル・コーンヤ(T;#)、
ラファエル・アリエ(B;#)、
カルロ・マリア・ジュリーニ(指)
フィルハーモニアO、フィルハーモニアcho#
録音:1961年5月16日*/1964年4月26日#、以上ロイヤル・フェスティヴァルホールライヴ
BBCL-4145
エフゲニー・スヴェトラーノフ
グリンカ:2つのロシアの主題による交響曲、
プロコフィエフ:交響曲第1番「古典」、
チャイコフスキー:交響曲第3番「ポーランド」
エフゲニー・スヴェトラーノフ(指)
ソビエト国立PO
録音:1968年8月24日アッシャー・ホールエジンバラ音楽祭(全てステレオ)
BBCL-4146
廃盤
スヴャトスラフ・リヒテル
シューベルト:楽興の時D.780*〜第1番/3番/6番
ピアノ・ソナタ第6番 ホ短調D.566#
ショパン:舟歌 嬰へ長調Op.60+
リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調+
スヴャトスラフ・リヒテル(P)
録音:1965年6月22日ジュビリー・ホール、オールドバラ*/1964年6月20日オールドバラ教区教会#/1966年6月21日オールドバラ教区協会+(全てステレオ)
BBCL-4147
レジナルド・グッドール
ブルックナー:交響曲第7番*、
ワーグナー:「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕前奏曲
レジナルド・グッドール(指)BBC響*、
イングリッシュ・ナショナル・オペラO#
録音:1971年11月3日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール*/1974年10月27日スネイプ・モールティングス#(全てステレオ)
BBCL-4148
ルチア・ポップ、エジンバラ・リサイタル1980&1983
シューベルト*:わが心に D.860/泉のほとりの若者 D.300/狩人の夕べの歌 D.368/一人住まい D.800シェーンベルク*:期待 Op.2-1/あなたの金の櫛を私におくれ Op.2-2/高揚 Op.2-3/森の木漏れ日 Op.2-4
R.シュトラウス*:オフィーリアの3つの歌 Op.67/わが目 Op.37-4/わが子に Op.37-3/サフラン Op.10-7/私の父は言いましたOp.36-3/万霊節 Op.10-8
ドヴォルザーク#:民謡調で Op.73
マーラー#:たくましい想像力/緑の森を楽しく歩いた/夏の交代/いたずらな子をしつけるために
ブラームス#:49のドイツ民謡集より[あの谷に菩提樹が立っている/いったいどうやって門から入ろうか?/静かな夜に]/憧れ Op.49-3/悲しむ娘 Op.7-5
ルチア・ポップ(S)、
アーヴィン・ゲージ(P;*)、
ジェフリー・パーソンズ(P)#
1983年8月30日*&1980年8月18日#(全てステレオ)
BBCL-4149
フルニエ&フランチェスカッティ
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲Op.104*
ブラームス:二重協奏曲 イ短調 Op.102#
ピエール・フルニエ(Vc)、
ジノ・フランチェスカッティ(Vn;#)、
コリン・デイヴィス(指)*、
マルコム・サージェント(指)#、BBC響
録音:1973年3月14日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(ステレオ)*/1955年8月30日エジンバラ音楽祭#
BBCL-4150(2CD)
ベートーヴェン:ミサ・ソレムニス*
シューベルト:交響曲第8番「未完成」#
ワーグナー:「ファウスト」序曲+
テレサ・シュティヒ=ランダル(S;*)、
ノーマ・プロクター(A;*)、
リチャード・ルイス(T;*)、
キム・ボルイ(B;*)、
ヤーシャ・ホーレンシュタイン(指)
BBC響(*/+).&cho*ノーザンSO+
録音:1961年2月23日BBCメイダ・ヴェイル・スタジオ(モノラル)*/1971年9月15日ロイヤル・アルバート・ホール(ステレオ)#/1972年4月23日イングランド、サルフォード大学(ステレオ)+
BBCL-4151
ナタン・ミルシテイン
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調*
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番〜前奏曲#
パガニーニ:24の奇想曲〜[第5番/第11番]+
ファリャ:スペイン民謡組曲〜ホタ、アストゥリアーナ**
ノヴァーチェク:無窮動**
ミルシテインへのインタビュー「音楽について語る」##
ナタン・ミルシテイン(Vn)、
エイドリアン・ボールト(指)LPO*、
アーネスト・ラッシュ(P;**)
録音:1968年9月29日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール*/1963年6月9日#&1957年9月22日(+/**)、BBCスタジオ/1991年11月7日ロンドン##(全てモノラル)
BBCL-4152
ルービンシュタイン/チャイコフスキー&シューマン
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番*
シューマン:ピアノ協奏曲#
ルービンシュタインとの対話(聞き手:マイケル・オリヴァー)+
アルトゥール・ルービンシュタイン(P)、
カルロ・マリア・ジュリーニ(指)、
フィルハーモニアO*、
ルドルフ・シュヴァルツ(指)BBC響#
録音:1961年5月16日*&1957年11月27日#、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール/1973年10月7日ロンドン+(全てモノラル)
2曲ともルービンシュタインの十八番ですので、素晴らしいのは当然ですが、特にここに聴くシューマンは、ルービンシュタイン独自のピアニズムがこの時点で最高次元を極めていたことを痛切に感じさせる圧倒的な名演奏です。とかく女性的な優美さを持って演奏され、実際にリーリー・クラウスや、クララ・ヴェルツなど女流ピアニストによる名演も多いですが、男性的な力感はもちろんのこと、ブリリアントなヴィルトゥオジティと共に作品のスケール感をこれほど思い知らせれる演奏は決して多くないでしょう。いつもながら、ルービンシュタインの打鍵には力みというものが存在せず、またシューマンだからといって屈折した表情など見せずに悠然とした構えで一貫。第1楽章など細部に拘っていないようでいて、注意深く聞くと付点音符の音化の保ち方や、タッチのコントロールなど、自発的制御力が利いていることに敬服することしきり。終楽章の頑丈な構築と一途な推進力は決して効果を狙ったものではなく、内なる精神の飛翔yそのもの。もちろん技巧的にも晩年のようなまろやかさに傾くことはなく、音楽にピンと一本筋がとおり、緊張感が弛緩することなく、最後まで聴かせてしまうのです。単に「楽天的」という形容されることもあるルービンシュタインですが、ネイガウスが「真のピアニスト」と呼んだその真意を、このシューマンから感じ取る方も少なくないことでしょう。モノラルながら音質的にもストレスなし。  【湧々堂】
BBCL-4153
ゼーダーシュトレーム/4つの最後の歌
R.シュトラウス:4つの最後の歌*、
歌劇「カプリッチョ」から*、
ラヴェル:歌曲集「シェエラザード」#
モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」+〜愛の神様慰めの手をさしのべて下さい/楽しい思い出はどこへ
エリーザベト・ゼーダーシュトレーム(S)、
アンタル・ドラティ(指)RPO*、
ピエール・ブーレーズ(指)BBC響#、
ジョン・プリッチャード(指)
ロイヤル・リヴァプールPO+
録音:1976年10月3日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール*/1971年8月3日#/1960年8月20日ロイヤル・アルバート・ホール+
BBCL-4154
ビーチャム/シベリウス&ドヴォルザーク
シベリウス:交響曲第2番 ニ長調*
ドヴォルザーク:交響曲第8番 ト長調#
トマス・ビーチャム(指)BBC響*、RPO#
録音:1954年12月8日*、1959年10月25日#
BBCL-4155(2CD)
ベートーヴェン:交響曲第番8/第9番「合唱付」* へザー・ハーパー(S:*)、
ジャネット・ベイカー(A;*)、
ロナルド・ダウド(T;*)、
フランツ・クラス(B-Br:*)、
ジョージ・セル(指)
ニュー・フィルハーモニアO&cho
録音:1968年11月12日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ライヴ(モノラル)
BBCL-4156
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104*
イベール:チェロと木管合奏のための協奏曲+
ジャクリーヌ・デュ・プレ(Vc)、
チャールズ・グローヴス(指)、
ロイヤル・リヴァプールPO*、
マイケル・クライン(指)マイケル・クラインO+
録音:1969年7月25日ロイヤル・アルバート・ホール(ステレオ)*/1962年2月12日BBCスタジオ(モノラル)+
BBCL-4157
モーツァルト:ピアノ協奏曲第12番 K.414*
ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K.466*
6つのドイツ舞曲 K.571+、
幻想曲とフーガ K.394#
ルドルフ・ゼルキン(P)、
アレクサンダー・シュナイダー(指)
イギリスCO*
録音:1966年7月23日ギルド・ホール、シティ・オヴ・ロンドン・フェスティヴァル(*/+)/1968年5月13日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール#
BBCL-4158
ウェーバー:歌劇「オベロン」序曲*、
ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」*、
「エグモント」序曲+、交響曲第1番#
クラウス・テンシュテット(指)LPO
録音:1990年8月30日ロイヤル・アルバート・ホール*/1991年9月26日+、1989年12月14日#、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール#(全てステレオ)
まずウェーバーの大柄な演奏からインパクト大。クラリネットが第2主題を吹き始める直前のエネルギーの沈静のし方の何としなやかなこと!後半以降はリズムに強靭さを更に加え、コーダの下降音型では盛大にホルンを追加。最後は、ティンパニの強打が広いロイヤル・アルバートホールに効果的に響きます。「運命」はテンシュテットの同曲演奏の中でも、録音状態も含めてダントツの名演。 【湧々堂】
BBCL-4159(2CD)
ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調*
ドヴォルザーク:交響曲第8番 ト長調+
ロッシーニ:歌劇「セミラーミデ」序曲#
カルロ・マリア・ジュリーニ(指)
フィルハーモニアO
録音:1983年9月18日*&1963年8月8日+、ロイヤル・アルバート・ホール(ステレオ)*,+/1963年11月25日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(モノラル)#
BBCL-4160
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番*、
ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」#、
チェルカスキー:悲愴前奏曲#、
R=コルサコフ(ラフマニノフ編):熊蜂の飛行#
シューラ・チェルカスキー(P)、
ゲオルグ・ショルティ(指)LSO*
録音:1968年1月30日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール*/1982年2月20日ヴィグモア・ホール#(全てステレオ)
●湧々堂推薦盤
BBCL-4161
ブルックナー:交響曲第3番*
ワーグナー:「タンホイザー」序曲とヴェヌスベルクの音楽
ジョン・バルビローリ(指)ハレO
録音:1964年12月18日*/1969年10月3日#、以上自由貿易ホール(モノラル)
BBCL-4162
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第13番 変ホ長調*
シューマン:幻想曲 ハ長調 Op.17*
シェーンベルク:3つのピアノ小品 Op.11#
クラウディオ・アラウ(P)
録音:1960年10月16日*/1959年3月3日#、以上BBCスタジオ
BBCL-4163
ベルリオーズ:幻想交響曲*
チャイコフスキー:幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」+
ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー(指)
レニングラードPO
録音:1971年9月9日ロイヤル・アルバート・ホール(ステレオ)*、1960年9月9日アッシャー・ホール(モノラル)+
1971年のプロムスで鮮烈なデビューを飾ったロジェストヴェンスキー&レニングラード・フィル。ハイパーテンションのチャイコ4番(BBCL.4143)に続いて、同日の公演曲「幻想」もいよいよ復活。併録のチャイコフスキーはこれが初出。 (Ki)
BBCL-4164
ベートーヴェン:ピアノと管楽のための五重奏曲 Op.16*
ゴードン・ジェイコブ:ピアノと管楽のための六重奏曲 Op.3+
ヒンデミット:ホルン・ソナタ.ヘ長調#
ギルバート・ヴィンター:狩人の月**
デニス・ブレイン(Hrn#/**)、
ベンジャミン・ブリテン(P;*)、
ジョージ・マルコム(P;+)、
ノエル・ミュートン=ウッド(P;#)、
デニス・ブレイン管楽五重奏団(*/+)[デニス・ブレイン(Hrn)、ガレス・モリス(Fl)、レナード・ブレイン(Ob)、スティーヴン・ウォーターズ(Cl)、セシル・ジェイムズ(Fg)]、
ヴィレム・タウスキー(指)BBCコンサートO**
録音:1955年6月22日オールドバラ音楽祭*/1957年7月22日+、1953年1月28日#、1957年6月16日**
BBCL-4165
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番*
ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第8番+
レオポルド・ストコフスキーー(指)
LSO*、BBC響+
録音:1964年9月17日*、9月15日+、ロイヤル・アルバト・ホール(全てステレオ)
「革命」は1939 年以来、ストコフスキー自身少なくとも4 回以上録音してきた十八番の演目。何より明快な音楽運びが持ち味の魔術師に乗せられて、ロンドン響の意気込みも最高潮。両曲共過去にBBC ラジオクラシックスから出ていました(廃盤)が、当リリースにあたりオリジナル・ステレオ・テープからマスタリングをやり直したとのことです。  (Ki)
BBCL-4166
ハイドン:アンダンテと変奏曲ヘ短調*
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番「月光」*
ショパン:スケルツォ第3番*
ベートーヴェン:創作主題による32の変奏曲+
コダーイ:マロシュセーク舞曲+
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第14番K.457#
アニー・フィッシャー(P)
録音:1958年11月2日*、1963年5月19日+、1971年2月24日#、BBCスタジオ
BBCL-4167
廃盤
テンシュテット&LPOライヴ第4弾
ベートーヴェン:交響曲第7番*、
ブラームス:交響曲第3番#
クラウス・テンシュテット(指)LPO
録音:1989年11月22日*/1983年4月7日#、以上ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(全てステレオ)
ブラームスは前半2楽章を通じて振幅のきわめて大きいフレーズ作りがまずは最大の特徴。有名な第3楽章。木管の表情に味わいがあり弦も濃厚。しかしここは感傷に溺れず。やがて荒れ狂ったようにフィナーレへとなだれ込み、激烈な勢いのまま曲が閉じられます。ベト7は北ドイツ放送響盤(80 年ライヴ)に次いで正規盤としては2種目。ここまで荘厳な響きでピンと張り詰めた序奏部、主部に入り生き生きと躍動するリズム、基本的なアプローチが同じであるにもかかわらず、テンシュテットのもとでは常に必死のオケである分、指揮者の極端にキレた個性がストレートで濃厚なのは断然こちら。たとえばNDR盤でも十分異常な第3楽章。トリオのトゥッティのたびに執拗なアゴーギクを重ねた結果、NDR盤(7:46) に対し当盤(8:15)は楽章を通じて30秒近くも長くなっています。こうなるとほとんど狂気の世界。そしてフィナーレは説明不要の突撃。ああ、これだ!この何もかもがむしゃらな感じです。 (Ki)
BBCL-4168
バッハ:「マタイ受難曲」〜のアリア、レチタティーヴォ、合唱曲集[第5曲/第6曲/第8曲/第12曲/第13曲/第27a曲/第27b曲/第30曲/第39曲/第39曲/第48曲/第49曲/第51曲/第52曲/第59曲/第60曲/第67曲/第68曲] エリー・アメリング(S)、
ジャネット・ベイカー(A)、
ニール・ジェンキンズ(T)、
ジョン・バロウ(Bs)、
ポール・スタイニッツ(指)
スタイニッツ・バッハ・プレーヤーズ、
ワンズワース・スクール少年cho・バッハ・ソサエティ
録音:1972年3月18日聖バーソロミュー・ザ・グレイト教会、ウェスト・スミスフィールド
英国のバッハ演奏史を考える上でたいへん重要な意味を持つアルバム。スタイニッツ(1909−88)はイギリスのオルガニスト、指揮者。47年に自ら結成した合唱団ロンドン・バッハ・ソサエティを率いて、52年からマタイ受難曲を当録音と同じ教会において英国初の完全な形、ドイツ語、小編成で演奏したことで有名。彼は英国におけるオーセンティック・スタイルによるバッハ演奏のパイオニアとして、言わば今日のガーディナーらの先駆的役割を担っていたことになります。同様に当録音では、カンタータやクリスマス・オラトリオなど数々のバッハ録音(EMI)でも共演のふたり、清楚なアメリングとおなじみベイカーとの顔合わせも大きな魅力。  (Ki)
BBCL-4169
ケンプ〜1967年マンチェスター・リサイタル
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第12番ヘ長調K.332
シューベルト:ピアノ・ソナタ第21番D.960
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第28番Op.101
ブラームス:間奏曲 ロ短調Op.119-1/間奏曲 ハ長調Op.119-3
ヴィルヘルム・ケンプ(P)
録音:1967年10月7日ホイットワース・ホール、マンチェスター大学
BBCL-4170
エルガー:ヴァイオリン協奏曲*
序奏とアレグロOp.47#
劇音楽「グラニアとディアルミド」〜葬送行進曲+
ユーディ・メニューイン(Vn;*)、
エイドリアン・ボールト(指)LPO、BBC響#
録音:1965年2月2日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール*/1975年9月4日ロイヤル・アルバート・ホール#/1969年11月26日バーキング・タウン・ホール+(全てステレオ)
スペシャリスト、ボールト卿による極めつけのエルガー・アルバム。葬送行進曲は2種目、序奏とアレグロにいたっては実に4種目となります。ともに慈愛に満ち風格が漂う素晴らしい内容で、BBCラジオ・クラシックス以来となる今回の復活を喜ぶ方も多いはず。同様にボールト盤石の棒に支えられた協奏曲は、何よりメニューイン自身16歳の時(1932年)に作曲者指揮で演奏・録音した経緯から、おのずと演奏に熱がこもるのも当然のことでしょう。ちなみにメニューインは同じボールト(ニュー・フィル)とは翌66年に2度目のスタジオ録音も果たしています。 (Ki)
BBCL-4171
フランク:前奏曲・コラールとフーガ、
バッハ
:平均律クラヴィア曲集第1巻〜前奏曲とフーガBWV.855 & 860、
モーツァルト
:幻想曲ニ短調K.397、
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第2番、
シューマン:子供の情景
ミエチスワフ・ホルショフスキ(P)
録音:1986年6月12日スネイプ、モールティングス
ウィグモア・ホール・ライヴ(90 年 / BBCL.4122)より遡ること4年、ホルショフスキ(1892−1993)93歳のドキュメント。気高いバッハに始まり、モーツァルト、フランクとじつに味わい深く音楽が紡がれてゆきます。先のアルバムではトロイメライがアンコールとして取り上げられた子供の情景。なんとも優しい表情で心がいっぱいになります。 (Ki)
BBCL-4172
ウェーバー:祝典序曲*
ラヴェル:組曲「クープランの墓」+
ウィレム・ペイペル(1894-1947):交響曲第3番+
エルガー:エニグマ変奏曲#
シャブリエ:ポーランドの祭り**
ピエール・モントゥー(指)LSO、BBC響+
録音:1963年9月24日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール*/1960年10月11日BBCスタジオ+/1962年3月4日#/1961年12月14日キングズウェイ・ホール**
名指揮者モントゥーのBBCLEGENDS通算5枚目となるアルバムは、60年代におこなった録音から集めたもの。珍しいペイペルやシャブリエが聴けるほか、得意のラヴェルとオケの響きが輝かしいエルガーは絶品。   (Ki)
BBCL-4173
ハイドン:ピアノ・ソナタ第59番/第33番
ブラームス:4つの小品 Op.119
シューベルト:ピアノ・ソナタ第21番
ルドルフ・フィルクスニー(P)
録音:1969年1月4日クィーン・エリザベス・ホール
マガロフ、リヒター=ハーザーなどと同じ1912年生まれのチェコの巨匠フィルクスニー。生前は地味ながら、気品あふれる高級な演奏が尊ばれました。今回はディスク初レパートリーと思われるハイドンも加わり、たいへん味わい深いものとなっています。 (Ki)
BBCL-4174
ブルックナー:交響曲第9番 ニ短調 レジナルド・グッドール(指)BBC響
録音:1974年5月4日BBCスタジオ(ステレオ)
ワグネリアンとしてブルックナーとの抜群の相性をみせた、英国の至宝グッドールの名演。
BBCL-4175
モーツァルト:交響曲第36番「リンツ」*
ブラームス:交響曲第1番+
カルロ・マリア・ジュリーニ(指)
フィルハーモニアO
録音:1982年7月19日ロイヤル・アルバート・ホール(ステレオ)*/1962年9月6日アッシャー・ホール(モノラル)
正規盤初出。リンツはブルックナー7番と同日の演奏(BBCL.4123。ウィーン・フィルとの40番(87 年 / ORFEOR.654052)も耽美のきわみともいえるものでしたが、このリンツもジュリーニ晩年のスタイルに貫かれた圧巻の出来栄え。いっぽう、ブラームスはスタジオ盤(62年 / EMI)と同年のライヴ。ストレートなエネルギーの放射が見事。 (Ki)
BBCL-4176
ハイドン:交響曲第100番 「軍隊」*、
 交響曲第101番 「時計」*
ヒンデミット:ウェーバーの主題による交響的変容+
オイゲン・ヨッフム(指)
LPO*、LSO+
録音:1973年1月30日*/1977年6月23日+、共にロイヤル・フェスティヴァル・ホール(ステレオ)
ヨッフムのハイドンには、同じオケとのロンドン・セットのスタジオ録音(72〜73年)があり、彼の代表盤として評価の高いもの。同時期のこのライヴも含めて、生命力いっぱいのリズムの躍動が素晴らしい内容です。オリジナル楽器隆盛以前の当時にして、古楽筋からも注目されていたように今もって古さをまったく感じさせません。のちに桂冠指揮者に迎えられるロンドン響とのヒンデミットもリズムの面白さが特徴の曲。こちらもきびきびした感触が印象的です。 (Ki)

BBCL-4177
バッハ:カプリッチョ ホ長調
レーガー:バッハの主題による変奏曲とフーガ Op.81
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第24番「テレーゼ」/第21番「ワルトシュタイン」
ルドルフ・ゼルキン(P)
録音:1973年6月4日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(ステレオ)
モーツァルトの協奏曲集(BBCL.4157)につぐゼルキンのBBC第2弾はソロ・リサイタル・ライヴ。「ベートーヴェン弾き」として名高いゼルキン。先頃、協奏曲全集ライヴ(ORFEOR.647053)が、2005年度MIDEMカンヌ・クラシカル・アワードでヒストリカル部門賞に選ばれています。ここでも出てくる音楽の豊かさは比類なく圧倒的な感銘。オーボエが特徴のカンタータ第128番をテーマにしたレーガーの変奏曲。過剰な音符の書き込みで弾くにはリストのような難しさなのに、聞こえてくる音楽は渋くブラームス的。ピアノ・レパートリーの最難曲に位置付けられるもの。実演で取り上げるとは正真正銘のヴィルトゥオーゾ、ゼルキンのこだわりを感じさせます。 (Ki)
BBCL-4178
シューマン:ピアノ協奏曲*
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番+
バッハ:トッカータ ト長調#
マイラ・ヘス(P)、
マルコム・サージェント(指)BBC響*、
アレグザンダー・ギブソン(指)
スコティッシュ・ナショナルO+
録音:1958年9月18日ロイヤル・アルバート・ホール*/1960年8月30日アッシャー・ホール+/1950年10月13日BBCスタジオ#;(全てモノラル)
第二次大戦下の慈善リサイタル活動によりデイムの称号を贈られた「ピアノの女王」マイラ・ヘスは、イギリス本国では愛され続けるピアニスト。プロムスでのシューマンはリリシズムにあふれ、彼女の魅力をいまに伝えるもの。BBCLEGENDSではサージェントとの別演奏(BBCL.4028廃盤)があったベートーヴェンの2番。こちらも引退する直前の演奏で、人柄を偲ばせるかのようななんとも温かい表情に満ちています。 (Ki)
BBCL-4179
マーラー:交響曲第9番 ニ長調 ブルーノ・マデルナ(指)BBC響
録音:1971年3月4日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール
知的でシャープなフォルムのアプローチが独特のマデルノによるマーラー。シェルヘンによって十二音技法に開眼した彼はイタリアの前衛作曲家。すぐれた指揮者としても知られた彼の演奏は、目の覚めるようなシューベルトの「グレート」でも明らかなように先鋭的で、マーラー演奏史において先駆的役割を果たしています。トリノ・イタリア語RSO(72年)、収録データの異なるBBC SO(71年)の録音などが知られる第9番。BBCアーカイヴの正規音源による当録音は、50代(1973年)で亡くなった彼の貴重な遺産といえるでしょう。 (Ki)
BBCL-4180
ドヴォルザーク:2つのヴァイオリンとヴィオラのための三重奏曲 ハ長調 Op.74*、
弦楽四重奏曲第14番 変イ長調 Op.105+
ヤナーチェク:弦楽四重奏曲第2番「内緒の手紙」+
スメタナSQ
録音:1969年1月24日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール*/1975年2月2日クィーン・エリザベス・ホール+
スメタナ四重奏団のBBC LEGENDS第2弾は彼らのルーツ、スラヴもの。とくに日本ではファンの間に彼らの名前を強く印象づけたドヴォルザーク。深い共感と絶妙な語り口で語りかけてきます。彼らのライヴがいまこうして解禁となるのはたいへん喜ばしいことです。すべてBBCアーカイヴの正規音源からのリリース。  (Ki)

BBCL-4181
ディーリアス:ピアノ協奏曲*
モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番+
ベートーヴェン:合唱幻想曲#
クリフォード・カーゾン(P)、
ジョン・プリチャード(指)BBC響*、
ベルナルド・ハイティンク(指)LPO
録音:1981年9月3日ロイヤル・アルバート・ホール*/1979年11月6日+、1970年1月28日#、以上ロイヤル・フェスティヴァル・ホール
繊細な表情にあふれたディーリアス初期のピアノ協奏曲は、敬愛したグリーグのそれを思わせる親しみ易さ。録音そのものが珍しい上に、まして大家カーゾンが弾いているとあれば当アルバムの価値は計り知れません。曲を献呈されたテオドル・サーントーが、ピアノ・パートをヴィルトゥオーゾ風に改訂した版による演奏。カーゾンの24番はスタジオ盤のほか、フィナーレにセルのカデンツァを使ったクーベリックとのライヴ(70年/audite)もたいへん素晴らしいものでした。 (Ki)
BBCL-4182(2CD)
シルヴェストリ&ボーンマス響
エルガー:序曲「コケイン」*、交響曲第1番#
アーノルド:ベッカス・ザ・ダンディプラット+
チャイコフスキー:交響曲第2番「小ロシア」**
ドビュッシー:バレエ「遊戯」##
ブリテン:4つの海の間奏曲++
エネスコ:ルーマニア狂詩曲第1番***
コンスタンティン・シルヴェストリ(指)
ボーンマスSO
録音:1966年12月6日*/1968年7月25日#/1963年2月23日(ステレオ)+/1966年11月12日**/1965年11月10日##/1966年11月26日++、以上ウィンター・ガーデンズ、ボーンマス/1966年11月22日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール***
BBC LEGENDS開始以来となる個性派指揮者シルヴェストリのライヴ集。どれもたいへんユニークな音楽で、一部に熱狂的なファンが付いているのも頷ける強烈すぎるラインナップ。ここではアルバムの半分を占める英国ものに注目。ブリテンとエルガーでは強弱・緩急のコントラストが絶妙。しかも抜群の格好よさ!さらにマンフレッドや5番での濃厚な味付けが知られるチャイコフスキーや、血を感じさせずにはおかないエネスコ。とにかく理屈ぬきに楽しめる内容です。 (Ki)
BBCL-4183
ブラームス:ピアノ協奏曲第2番*
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第32番#
ジョン・オグドン(P)、
ジョン・バルビローリ(指)ハレO*
録音:1966年9月16日BBCマンチェスター*/1963年11月5日BBCスタジオ(以上モノラル)
1989年に50代の若さで亡くなった英国の巨漢ヴィルトゥオーゾ、オグドン。その実力に反して、いま聴ける録音が僅かなのは惜しいこと。重く強靭なタッチによるブラームスは醍醐味満点。流れるように歌うバルビローリの指揮もあって、スケールの大きな演奏が繰り広げられています。ベートーヴェン最後のソナタにおける輝かしい響きも忘れがたいものです。すべて正規盤初出。 (Ki)
BBCL-4184
プロコフィエフ:交響曲第5番*
ブリテン:青少年のための管弦楽入門#
プロコフィエフ:バレエ「ロメオとジュリエット」〜タイボルトの死#
ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー(指)
レニングラードPO
録音:1971年9月10日ロイヤル・アルバート・ホール(ステレオ)*/1960年9月9日アッシャー・ホール(モノラル)
1971年9月のプロムス・デビューで一大センセーションを巻き起こしたロジェストヴェンスキー&レニングラード・フィル。BBCラジオ・クラシックスで出ていたプロコ5番が、前日のチャイコ4番(BBCL.4143) と幻想(BBCL.4163) に続いてめでたく復活!ロジェヴェンの天才的なドライブと当時最強と謳われたレニングラード・フィルの恐るべき合奏能力。交響曲ではフィナーレまで異常なテンションとエネルギーに圧倒されっぱなし!また、幻想とのカップリング「フランチェスカ・…」と同じ日の2曲。かのムラヴィンスキーに鍛え抜かれた各パートの驚異的な技が次々とクローズアップされるブリテン。作品の白眉ともいうべき難曲タイボルトの死もまた、ゾクゾクするような興奮を覚えます。 (Ki)

BBCL-4185
チェルカスキー/1974年オールドバラ・ライヴ
ラモー:ガヴォットと変奏曲イ短調
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番 「悲愴」
メンデルスゾーン:幻想曲Op.28
ショパン:夜想曲Op.55-1、スケルツォ第2番
スクリャービン:前奏曲Op.11-5/Op.11-10
チャイコフスキー:夜想曲Op.19-4
リスト:ドン・ジョヴァンニの回想
シューラ・チェルカスキー(P)

録音:1974年6月24日スネイプ・モルティングス、コンサート・ホールオールドバラ音楽祭ライヴ(ステレオ)
まず何と言ってもベートーヴェンが聴きもの。自由奔放なチェルかスキーのイメージとは異なり、淡麗な味わいに満ちており、テンポの変動を抑えて端正な造型を守った安定感が独特の風格美を生んでいます。第2楽章は古今を通じて最も感動的な演奏の一つ。弱音による繊細なフレージングに頼らず、大きな構えをで常に前向きな音楽として捉えながら、中間部では一転して濃厚な陰影を湛えた別世界へ誘います。そこから主題へ回帰する際の切り替えと流れの自然さがまた絶妙の極み!終楽章な内声部の意味深さが尋常ではなく、恣意性を全く感じさせずに全ての声部が瑞々しく立ち上がり、色彩的な魅力を湛えたタッチとともに独特の深遠な仕立てています。2:58からの音の色合いが一瞬にして変わる瞬間は、チェルカスキーの真骨頂!これほど変化に富みながら全体として確固としたドラマと再現し尽くす奥義は、ドイツ本流の精神性重視のスタイルとは一線を画しますが、何度でも聴き返したくなるこの演奏の魅力は他に並ぶものがありません。
ショパンの夜想曲Op.55-1も、こんなに多様なニュアンスで彩られた演奏を他に知りません。暗く沈み込まず、一見楽天的とさえ思えるフレージングとタッチの奥底には常に涙が溢れており、その涙を支えきる人間的な器量の大きさにまず打たれます。
BBCL-4186
ブルックナー:交響曲第7番*
ベートーヴェン:「エグモント」序曲+
 「プロメテウスの創造物」序曲#
ジョン・バルビローリ(指)ハレO
録音:1967年4月26日*、1966年12月1日+、自由貿易ホール(*/+)/1969年4月30日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール#(全てモノラル)
美しい緩除楽章で知られるブルックナーのシンフォニーは、粘っこいカンタービレの表現が持ち味のバルビローリにとってはまさにうってつけの内容。これまでにBBC LEGENDSからは第3番(64年 / BBCL.4161、第8番(70年 / BBCL.4067、第9番(66年 / BBCL.4034)がリリースされています。このたび新たに加わる第7番はカタログ的には完全初出レパートリーという見逃せないポイントつき。演奏そのものも言うことなしで、なによりブルックナーが書いた有数の音楽である前半2楽章などバルビローリの独壇場。さらにまた初出のプロメテウスとともに、エグモントも49年のHMV録音以来2種目というベートーヴェンが聴けるのもこのアルバムの魅力です。すべてバルビローリ・ソサエティ提供による音源。 (Ki)

BBCL-4187
ブラームス:ピアノ協奏曲第1番*
モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番+
アルトゥール・ルービンシュタイン(P)、
コリン・デイヴィス(指)
BBC響*、イギリスCO+
録音:1968年12月4日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(ステレオ)*/1962年7月13日ギルドホール、シティ・オブ・ロンドン・フェスティヴァル(モノラル)+
ふたつの協奏曲とも、それぞれほかに3種の録音を残したルービンシュタインですが、いずれもライヴとしてはこのたびが初めて。ライナー盤(54年)の印象が強烈なブラームスは、ステレオという条件の良さあって稀にみる醍醐味満点の演奏です。昔ながらのヴィルトゥオーゾ・スタイルによるブラームスでなくては満足できない方にぜひ。加えて、ルービンシュタイン初共演となったイギリス室内管とのモーツァルト。清清しい美に溢れていて、若き日のデイヴィスの指揮にも注目です。 (Ki)
BBCL-4188
ハイドン:交響曲第104番「ロンドン」*
ブリテン:「ピーター・グライムズ」〜4つの海の間奏曲+
ショスタコーヴィチ:交響曲第1番#
ルドルフ・ケンペ(指)BBC響
録音:1975年10月8日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(ステレオ)*/1975年10月12日クロイドン、フェアフィールド・ホール(ステレオ)+/1965年5月29日BBCスタジオ(モノラル)#
ケンペらしい端正な造型美に優った名演奏。ハイドンの冒頭はトランペットがかなり突出して響きますが、決して品のない響きではなく、粋なスパイスとして説得力を持って迫り、朝比奈隆があえて声部のバランスを再構築などせずに荒削りなスケール感を表出する、あの雰囲気にも似ているとも言えます。第1楽章主部の愉悦に満ちたリズムは、その弾力性そのものがハイドンの精神を映しているかのよう。展開部は誇張が一切ないにもかかわらずこの陰影の深さ!この1楽章を聴き終えただけでも、ケンペがハイドンの音楽に心から共鳴していることは痛切に感じられますが、第2楽章で、ゆったりしたテンポで丹念にその愛を紡ぎだす風情は格別。終楽章が構築がカチッと引き締まりテンポの爽快。フレーズ内のアクセントも誠実に施していますが、はたと気づくのは、昨今の演奏の多くがそのアクセントをエキセントリックに利かせることによるで、感覚的な効果を少なからず狙っているという事実。しかしケンペにはそんな魂胆はまるでなく、スコアに対峙する姿勢の純度が違うのです。もちろんモーツァルトもそうですが、スコアに忠誠を誓いながら音楽的に訴えかけてくるこういう真に偉大な演奏と小器用にスコアを読みこなしてサラッと舞台に乗せてしまう演奏の違いをまざまざと感じます。ブリテンは艶かしい色彩と終曲を中心としたスケール感が圧倒的。とてつもない迫力をぶちまけながらバーンスタインのような演奏者自身の体臭と一体化させるのではなく、あくまでも作品の持ち味を背後から押し上げるようなスタンスはここでも一貫しており、そのアプローチの揺るぎなさ、BBC響の見事なレスポンスと融合して、交響曲を丸々1曲聴くような手応えを与えてくれるのです。【湧々堂】
BBCL-4189
ショスタコーヴィチ:交響曲第8番 エフゲニー・スヴェトラーノフ(指)LSO
録音:1979年10月30日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(ステレオ)
これはBBC LEGENDSスタート時、ムラヴィンスキー&レニングラード・フィルのライヴ(60年 / BBCL.4002)以来の超弩級の衝撃!奇しくも同じショスタコーヴィチの第8番は、これまでに交響曲を数多く取り上げてきた怪物指揮者スヴェトラーノフにとって、もはや幻とさえいわれたプログラム。前作「レニングラード」から2年後の1943年に書かれ、戦争を真正面からみつめた大作だけに、ぜひともスヴェトラーノフの演奏でというのはファンの悲願でした。否応なしに期待が高まりますがこのときの演奏内容を示すエピソードとして、実際スヴェトラーノフは、このロンドン響との壮絶を極めたライヴの圧倒的な成功によって、同じ年に同オケの首席客演指揮者のポストを約束されたといわれるほど。英国国立図書館所蔵の正規音源によるステレオ録音。 (Ki)
BBCL-4190
フラグスタート〜お別れコンサート
グリーグ:歌曲集*〜春/若者/ルンダルネにて/目指すところ/初めての出会い/希望/白鳥/エロス/モンテ・ピンチョから/御身を愛す
ワーグナー:ヴェーゼンドンク歌曲集+、
イゾルデの愛の死+
ジョン・カルショウ、フラグスタート没後10年を追悼して語る#
キルステン・フラグスタート(S)、
マルコム・サージェント(指)BBC響
録音:1957年9月7日ロイヤル・アルバート・ホール*/1953年10月14日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール+/1972年8月、BBCスタジオ#(全てモノラル)
ワグネリアンでフラグスタートの名前を知らないひとはいないでしょう。1913年のデビュー以来このノルウェイが生んだ大ソプラノ(1895−1962)は、不世出のワーグナー歌いとして、バイロイト、メトと世界の舞台で戦前戦後を通じて活躍しました。ここでも十八番のワーグナー作品でみせる存在感は、オペラの舞台から退く年のものとはいえさすがというほかありません。この放送用録音はいずれも英国国立図書館の蔵出し音源で完全初出。そして、その彼女がロンドンでのラスト・コンサートに選んだのは、自身のルーツであり絶品といわれたグリーグの歌曲。優しく深い息遣いが印象的です。こちらはかつてSimaxより出ていたものと同じですが、新たにリマスタリングを施しての復活となります。さらにボーナスとして、デッカ、BBCの名プロデューサー、カルショウがフラグスタートを偲んで語った5分に及ぶテイクもたいへん興味深い内容です。 (Ki)
BBCL-4191(2CD)
ロッシーニ:歌劇「セミラーミデ」序曲*
マーラー:交響曲第6番 イ短調「悲劇的」+
ニールセン:交響曲第5番#
ホーレンシュタイン、ニールセンについて語る**(聞き手:デリック・クック)
ヤッシャ・ホーレンシュタイン(指)
BBC響*、ボーンマスSO+、
ニュー・フィルハーモニアO#
録音:1957年11月6日*、1971年2月26日(ステレオ)#、1971年2月**、以上BBC スタジオ/1969年1月10日ボーンマス、ウィンター・ガーデンズ+
ロンドン響との第3番や第9番(66年 / BBCL.4075)の録音が名高いホーレンシュタインのマーラー。マーラーの弟子ワルターの影響も色濃いといわれるそのスタイルで、しばしば英国客演の折にいくつもの印象深い演奏を残しています。ここでのボーンマス響との第6番もそのひとつ。英国国立図書館蔵出しの完全初出音源は、廃盤となったスウェーデン放送響との録音を除くと現状唯一のものとなるだけにたいへん貴重です。過去にBBC Radio Classicsで出ていたニールセンは、このたびリマスタリングでさらに音質を改善。インタヴューでは、指揮者のニールセンとの出会いから作品観、演奏に臨む上での下準備についてが短いながらも語られています。なお、ホーレンシュタインとしては初出レパートリーとなるセミラーミデ。こちらも英国国立図書館の音源保管庫に眠っていたものがようやく日の目をみることになりました。 (Ki)

BBCL-4192
モーツァルト:ホルン協奏曲第3番*
ブリテン:テノール,ホルンと弦楽のためのセレナード+
シューマン:アダージョとアレグロ#
モーツァルト:ディヴェルティメント第14番〜第1&4楽章**
ミヨー:ルネ王の暖炉〜ヴァラブルでの狩猟(第6曲)**
ピーター・ラシーン・フリッカー(1920-1990):木管五重奏曲++
デニス・ブレイン(Hrn)、
マルコム・サージェント(指)BBC響*、
ピーター・ピアーズ(T;+)、
ジョン・ホリングズワース(指)BBC響+、
ベンジャミン・ブリテン(P;#)、
デニス・ブレイン管楽アンサンブル(**/++)
1953年7月30日ロイヤル・アルバート・ホール(*/+)/1956年6月21日オールドバラ音楽祭#/1956年6月19日BBCスタジオ**/1957年8月24日エジンバラ音楽祭++
ホルン協奏曲とセレナードは、BBCのアーカイヴから新たに発見された16インチの保管ディスクを初CD化したもの。まさにこれは絶頂期の記録で、モーツァルトにブリテンと、ブレインを語る上で外せない演目であるのも幸いです。さらに名手ブリテンとの傑作アダージョとアレグロとはまた夢のよう!そのほか、ブレインのために書かれ初演も行ったフリッカーの作品やミヨーの断片にいたる、有名無名大小のさまざまなプログラムはどれをとってもかけがえのない宝物。 (Ki)
BBCL-4193
ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」*
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番#
ジョン・バルビローリ(指)ハレO
録音:1966年12月1日マンチェスター・自由貿易ホール*、1963年2月22日BBCスタジオ# (共にモノラル)
これはすごい!ブルックナー7 番(BBCL.4186)につづいて、またしてもバルビローリ・ファンを騒がす完全初出のタイトル「革命」が登場。バルビローリのショスタコーヴィチとはまったく意外ですが、大興奮のフィナーレに、存分に本領が発揮されたラルゴの美と聴きどころばかり。いっぽう、ついに全集を完成することがなかったベートーヴェン。手兵ハレ管とのラスト・コンサートで取り上げた第7交響曲、そして生前最後のリハーサルとなった「英雄」とゆかりの深さを踏まえると、47年のスタジオ盤まで遡る「運命」も価値ある内容。ともにバルビローリ・ソサエティ提供の音源。 (Ki)
BBCL-4194
ヒンデミット:金管と弦楽のための協奏音楽*
ドヴォルザーク:交響曲第7番*
ベートーヴェン:「エグモント」序曲#
カルロ・マリア・ジュリーニ(指)
ニュー・フィルハーモニアO*、LPO#
録音:1969年11月30日*/1975年5月14日#、以上ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(全てステレオ)
巨匠ジュリーニを偲ぶアルバムがBBCからリリース。ドヴォルザークは、翌年のロンドン・フィル盤(76年) や、後のグッとテンポを落としたコンセルトへボウ盤(93年) がともに有名ですが、ここではやはりライヴという条件が大きなポイント。フィルハーモニア管との8番(63年 / BBCL.4159)もそうでしたが、音楽の自然な流れを損なわない熱くストレートな表現に、この時期ならではの魅力があふれています。さらに、ジュリーニとしてはたいへん珍しいヒンデミットが聴けるのも見逃せないところで、機能的美と響きの面白さをたっぷり味わえます。 (Ki)
BBCL-4195
ウェーバー:「オベロン」序曲
シューベルト:交響曲第9番「ザ・グレイト」
ブラームス:悲劇的序曲 Op.81*
クラウス・テンシュテット(指)LPO
録音:1984年10月7日、1983年4月7日*、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(全てステレオ)
「グレート」は巨匠に惚れ込んでいる手兵とのライヴだけあって、ベルリン・フィルとのスタジオ盤(83年)を大きく上回り、異常に濃厚。前プロの「オベロン」も、オケの運動性を極限まで追い込んで激しく爆発しています。そして、交響曲第3番(BBCL.4167)と同日の「悲劇的序曲」は現状では唯一のもの。シリアスな内容は指揮者の指向する音楽とはまり過ぎで、重暗い響きに完全に打ちのめされます。 (Ki)
BBCL-4196
シューマン:蝶々Op.2*、
 序奏とアレグロ・アパッショナート.ト長調 Op.92#、
シューベルト:ピアノ・ソナタ第21番+
スヴャトスラフ・リヒテル(P)、
ベンジャミン・ブリテン(指)イギリス室内O
録音:1963年1月27日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール*/1965年6月16日オールドバラ音楽祭#/1964年6月20日教区教会、オールドバラ音楽祭+
ピアノの巨人リヒテル、BBCLEGENDS通算10枚目のアルバム。これまでにリリースされたすべてが、圧倒的に強靭な打鍵と透徹したピアニズムの生の姿を伝えるものとしてロングセラーを続けています。初出レパートリーの作品92、別名コンツェルト・シュトゥックは、ピアノ連弾など音楽祭を通じての朋友ブリテンとの息のあったやりとりが聴ける貴重な記録です。リサイタルで非常にしばしば取り上げていた「蝶々」も、これまで当ライヴのほかにはスタジオ盤(EMI/62年10月)しか正規録音のなかったもの。シューベルト最後のソナタは、リヒテル屈指のプログラムとしてつとに有名で、72年11月のスタジオ録音を筆頭に数種の異演盤があります。ちなみに当日は、同じシューベルトで6番のソナタ、ブリテンとのデュオで変奏曲、さらにはロストロとのブラームスの第1番も演奏されていました。 (Ki)
BBCL-4197
廃盤
ソヴィエト連邦国歌*
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲#
 二重協奏曲 イ短調 Op.102+
ダヴィド・オイストラフ(Vn;#/+)、
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(Vc;+)、
キリル・コンドラシン(指)モスクワPO
録音:1965年10月ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(*/#)/1965年10月9日ロイヤル・アルバート・ホール#(全てモノラル)
濃く太く大きな音の魅力で共通するふたり、オイストラフとロストロポーヴィチ。彼らの真価を一度に目の当たりにできるブラームスの二重協奏曲はまさに格好のプログラム。1965年ロンドンでのロシア音楽祭における最大の呼びもののひとつでした。同一の内容はすでにDVD映像作品としてリリースされていますが、‘この空気はけっしてスタジオでは作り得ない’と云われるように、改めて聴きなおしてみても壮絶としか表現しようのない世紀のライヴです。英国国立図書館所蔵の正規音源で状態もバッチリ。一方、61年ライヴのサージェント盤(BBCL.4102)も素晴らしかったヴァイオリン協奏曲。さすがにオイストラフは盤石の構えで言うことなし、コンドラシンの引き締まった棒がこれをサポートしています。 (Ki)
BBCL-4198
ハイドン:チェロ協奏曲第1番*
サン=サーンス:チェロ協奏曲第1番#
エルガー:チェロ協奏曲#
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(Vc,指)、
ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー(指)#
LSO
録音:1965年7月1日*/1965年7月#、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(全てモノラル)
1965年にロンドンで行なわれたロシア音楽祭。ロストロのほかコンドラシン、オイストラフ、リヒテル、ロジェストヴェンスキー、スヴェトラーノフなどゾヴィエトを代表する演奏家が一同に会し、とてつもないパワーを見せつけました。哀感のむせぶ作風に野太い音色が映えるエルガーは、同じロジェヴェンとの64年ライヴ、またナタン・ラクリンとの58年録音(いずれもオケはモスクワ・フィル)が知られますが、意外にも正規リリースは初めてとなります。エルガーと同様にハイドンとサン=サーンスも、40歳手前でバリバリのテクニックを誇っていた頃のもの。「プラハの春」番外編とでもいうべきか、ピリピリとした緊張感が漂う中でのライヴのせいか、たいへんエネルギッシュです。 (Ki)
BBCL-4199
シューマン:謝肉祭 Op.9*
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第7番#/第16番#
アニー・フィッシャー(P)
録音:1963年5月19日(モノラル)*/1987年11月11日(ステレオ)#
モーツァルトやシューベルトと並び、フィッシャーにとって生涯を通じてレパートリーの中心であり続けたベートーヴェン。彼女はリサイタルを活動の中心に据えていたこともあり、ついにスタジオ録音で全集を完成することがありませんでした。ライヴによる全集(77〜78年/HUNGAROTON)からさらに10年近くの時を経たロンドンでのライヴは、出てくる音楽の豊かさ、深みにどなたも圧倒されることでしょう。また、子供の情景ほかを収めたアルバム(BBCL.4141)以来のシューマン。間のとりかた、息づかいとどれをとっても絶品です。 (Ki)

BBCL-4200
ジャネット・ベイカー/ブラームス
郷愁 II Op.63-8*、おお涼しい森よOp.72-3*、
ひめごとOp.71-3*、僕たちはさまよい歩いたOp.96-2*、
航海Op.96-4*、セレナードOp.106-1*、
さすらい人Op.106-5*、雨の歌Op.59-3*、
乙女Op.95-1*、乙女の歌*、
月の夜WoO 21*、墓地でOp.105-4*、
野の寂しさOp.86-2#、
甲斐なきセレナードOp.84-4#、
ナイチンゲールにOp.46-4#、
わたしの愛は緑(青春の歌 I )Op.63-5#、
秋の気配Op.48-7#、蜘蛛の糸Op.72-2#、夕立Op.70-4#、失望Op.72-4#、
夢遊病の人Op.86-3#、
すぐ来てねOp.97-5#、
死それは冷たい夜Op.96-1#、永遠の愛Op.43-1+
ジャネット・ベイカー(Ms)、
アーネスト・ラッシュ(P;*/+)、
ポール・ハンバーガー(P)#
録音:1960年9月16日*/1968年1月4日#/1961年2月7日+、以上BBC (全てモノラル)
英国の至宝といえば、デイムを冠する彼女もまた忘れてはならないひとり。このスタジオ・ライヴが収められた1960年と68年は、1933年生まれのベイカーがそれぞれ27歳と34歳。ちょうどこれからキャリアをこれから築いてゆく時期にあたるもの。この間オペラ歌手として62年に英国国民オペラ、66年にはコヴェントガーデンの舞台デビューを果たしています。深みあるアルトが紡ぐブラームスの晦渋に満ちた世界に、これからの季節じっくりと浸られてみてはいかがでしょうか。1908年生まれ、BBC放送協会付きの名伴奏者として活躍したラッシュのピアノがまた味わいに満ちています。 (Ki)
BBCL-4201
バッハ:前奏曲とフーガ ト長調BWV.902*、
イギリス組曲第2番7*、
ハイドン:ピアノ・ソナタ第62番Hob.XVI-52#、
シューマン:謝肉祭Op.9+
マイラ・ヘス(P)
録音:1956年11月2日*/1962年1月3日#/1950年10月13日+
1965年に亡くなったヘスは、ピアノの女王として英国の人々からいまもなお愛されつづけています。ここに聴くBBCの放送用録音ライヴは、その人気の背景を裏付けるに十分な内容。シューマンは1938年のSP録音が彼女の代表的な演奏に数えられていますが、満面にたたえられたリリシズムは絶品。定評あるバッハをはじめ、すべての演奏に慈愛のひとへスならではの温かいまなざしが感じられます。 (Ki)
BBCL-4202(2CD)
ハイドン:交響曲第85番 変ロ長調Hob.I-85「王妃」*
ドビュッシー:夜想曲**/管弦楽のための「映像」〜イベリア*
ベートーヴェン:交響曲第4番 変ロ長調Op.60#
バルトーク:管弦楽のための協奏曲#
アンセルメ、ドビュッシーについて語る(聞き手;ロバート・チェスターマン)+
エルネスト・アンセルメ(指)BBC響,(*/**)、
BBC 女声cho**、フィルハーモニアO#
録音:1964年2月2日ロンドン・BBC スタジオ、
1958年8月28日エジンバラ・アッシャー・ホール*、
1969年ジュネーヴ#(全てモノラル)
「兵士の物語」ほかの初演を手がけストラヴィンスキーの第一人者として知られるスイスの名匠アンセルメ(1883−1969)は、手兵スイス・ロマンド管とデッカに残した数多くの録音と来日公演によって日本にもなじみの深い指揮者です。BBC LEGENDS初登場となる彼のライヴ集は英国のオケとのものである点が珍しく、しかもプログラムがまたじつに盛りだくさんの内容。まずクレンペラー時代のフィルハーモニア管との顔合わせに注目。クレンペラーの看板であるベートーヴェンは、アンセルメにとっては全集を残しているとはいえあまり聴く機会のなかったもの。さらにアンセルメのバルトークというのも意外ですが、彼はこの同時代音楽の巨人をたいへん尊敬していて傑作への熱い共感も聴きどころ。このほかにも、親交のあったドビュッシーでは、改めてフランス音楽への圧倒的な造詣の深さを感じ取れるはず。アンセルメによるライヴ集の登場は、これまでほとんどスタジオ録音でしか伝えられてこなかった彼の姿を知るうえで重要な意味をもつといえるでしょう。 (Ki)
BBCL-4203
バッハ:パルティータ ハ短調BWV.826*
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第16番K.570*
ショパン:夜想曲第7番Op.27-1*/Op.27-2 *、
 マズルカ第15番ハ長調Op.24-2 *
ドビュッシー:組曲「子供の領分」#
ミェチスワフ・ホルショフスキ(P)
録音:1983年6月13日*/1984年6月9日#、以上、モールティングス、スネイプ、オールドバラ音楽祭(全てステレオ)
カザルスとの運命的な出会いを経たのち、90歳を迎えるあたりから各地で行なったライヴの数々は、かけ がえのないものばかり。83年のオールドバラでのリサイタルは、スタジオ盤の平均律が名高いバッハに、直系の弟子ミクリに学んだショパン、きらきらとした光を放つモーツァルトと、巨匠にとって不動の作曲家の名前が並びます。さらに86 年のプラド・ ライヴでも弾いていたドビュッシー。ここでも幻のピアニストの至芸を存分にご堪能いただけます。 (Ki)
BBCL-4204
チャイコフスキー:「くるみ割り人形」組曲第2幕より*
ショスタコーヴィチ:バレエ「ボルト」組曲*
ストラヴィンスキー:バレエの情景+
ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー(指)
BBC響
録音:1987年8月18日ロイヤル・アルバート・ホール*/1981年4月29日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(全てステレオ)
チャイコフスキーは、組曲のほかに第2 幕からの音楽も加えたオリジナルの選曲。全曲録音も見事なものでしたが、ライヴは また格別です。後年のロイヤル・ストックホルム・フィルとの全曲盤でも知られる「ボルト」は社会主義リアリズム路線の作品。 人を喰ったような味わいはこの指揮者にしか出せないものです。1980年代といえばロジェヴェンのまさに絶頂期。あまり耳にす る機会のないストラヴィンスキーも含めて、天才的手腕が遺憾なく発揮された内容となっています。 (Ki)
BBCL-4205
クレンペラー:メリー・ワルツ*
ヴォーン・ウィリアムズ:トマス・タリスの主題による幻想曲*
ラヴェル:スペイン狂詩曲*
ブラームス:交響曲第4番 ホ短調*
ノヴァーチェク:常動曲#
レオポルド・ストコフスキーー(指)
ニュー・フィルハーモニアO*、LSO #
録音:1974年5月14日*/1964年9月21日#(全てステレオ)
クレンペラーが世を去った翌年に「オーケストラの魔術師」ストコフスキーが、亡き巨匠の手兵ニュー・フィルハーモニアと行なったライヴ。音楽を楽しく聞かせることにかけては他に並ぶもののいないサービス精神旺盛な彼のこと。融通無碍なるブラームス、カラフルで爆発的なラヴェルとどれをとっても満足度100 パーセント。さらに巨匠を偲んで代表作メリー・ワルツを、前プロの一曲目に取り上げているのが面白いところです。 (Ki)
BBCL-4206
廃盤
モーツァルト:ピアノ協奏曲第22番*/27番#
アダージョとフーガ ハ短調KV.546ス+
スヴャトスラフ・リヒテル(P)、
ベンジャミン・ブリテン(指)イギリスCO
録音:1967年6月13日モールティングス、スネイプ(*/+)/1965年6月16日ブライスバラ・チャーチ、サフォーク#(全てステレオ)
ピアノ協奏曲は、多くのリヒテルとブリテンの共演盤の中でも、伴奏の彫りの深さ、リヒテル特有の緊張度、全体に漲る高揚感においてダントツの魅力を誇っています。第2楽章の恐ろしい程の深遠な空気、終楽章の比類なき格調美は、このコンビ以外では考えられません。協奏交響曲も感動的で、二人のソリストの楽器の鳴りの良さ、音色美、呼吸の一体感、一貫した緊張など、過去の有名名盤と比べても異彩を放っています。特に第2〜3楽章の淀みない流れは、ライブとは思えない程です。  【湧々堂】
BBCL-4207(2CD)
シルヴェストリ&ボーンマス響Vol.2
ウォルトン:パルティータ*
ドビュッシー:交響詩「海」*
ラフマニノフ:交響曲第3番 イ短調Op.44#
ヘンデル:「王宮の花火の音楽」組曲+
ベートーヴェン:交響曲第8番へ長調Op.93**
ディーリアス:パリ、大都会の歌##
R.シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」++
コンスタンティン・シルヴェストリ(指)
ボーンマスSO
録音:1965年5月7日*/1967年12月1日#/1967年11月20日+/1966年12月6日**/1967年3月2日##/1967年1月5日++、(全てモノラル)
チェリビダッケと同じルーマニア生まれで、方向性こそ違うものの大胆なほどユニークな音楽というところが共通するシルヴェ ストリ。エルガー、チャイコフスキーほか(BBCL.4182)につづいて手兵ボーンマス響とのとっておきのライヴ集。 べったりと濃厚に歌い上げるラフマニノフ、キレた感じのベートーヴェン。そしてヘンデルやシュトラウスに聴く豪放なスケー ルなどにその個性が際立っています。 (Ki)
BBCL-4208
テンシュテット Vol.4
ヤナーチェク:グラゴル・ミサ
R.シュトラウス:組曲「町人貴族」Op.60#
シーラ・アームストロング(S)、
アメリル・ガンソン(A)、
ロバート・ティアー(T)、
ウィリアム・シメル(Bs)、
クラウス・テンシュテット(指)LPO、同cho
録音:1985年5月12日*/1986年5月4日#
東独時代の1970年代前半にテンシュテットは、「利口な女狐の物語」組曲やタラス・ブーリバ、オペラ「イェヌーファ」の上演などヤ ナーチェクを積極的に取り上げています。当85 年のほかに91年にも再演しているグラゴル・ミサは、モラヴィア民謡を基調としたむ せび泣くような響きが独特の魅力。ここでは全身全霊を傾ける巨匠のもと、シンフォニエッタ(BBCL.4139)でも圧倒的だったブラス に加え、独唱、合唱もすべての音が絶叫するような音楽は恐るべき迫力です。カップリングは当日、ソプラノのノーマンとの歌曲の夕べの前に演奏されたシュトラウス「町人貴族」。モーツァルトのようとも評さ れ、華美で古典の様式による当作品からも、ユーモラスで軽妙な味わいと艶美を紡ぐあたり、巨匠の手腕が光ります。 魂の巨匠テンシュテットを味わいつくす一枚がまた加わりました。 (Ki)
BBCL-4209
イギリス国歌、
ベートーヴェン
:交響曲第9番「合唱つき」
シルヴィア・フィッシャー(S)、
ナン・メリマン(A)、リチャード・ルイス(T)、
ム・ボルイ(Bs)、
トーマス・ビーチャム(指)RPO、
エジンバラ音楽祭cho
録音:1956年8月19日エジンバラ、アッシャー・ホール(ライヴ)
BBC LEGENDSスタート以来の大看板ビーチャム卿は、英国の人々が敬愛する偉大な指揮者ですが、なんとここに驚くべきアルバムが登場します。これまで一切出たことのなかったベートーヴェンの第九は、ビーチャムもめったに振らなかったレパートリー。このたびようやくビーチャム夫人の許諾を得てリリースにこぎつけました。神々しいまでに巨匠の風格が迫るビーチャムの第九。ソリストにメリマン、ルイスといった国際的なスター歌手がみられるのは、エジンバラ音楽祭ならでは。さらにエルガー編曲オケと合唱による英国国歌はビーチャムお得意のナンバー。このうえなく大きな構えで聴きものです。 (Ki)
BBCL-4210
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番 、
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集「四季」、
二重協奏曲 イ短調〜アレグロ・アッサイ*
ヘンリク・シェリング(Vn,指)イギリスCO、
ホセ・ルイス・ガルシア(Vn)*)
録音:1972年2月26日クィーン・エリザベス・ホール
2008年に生誕90周年と没後20周年を同時に迎えるシェリングは、いまなお美しい音色と清潔な音楽でファンを魅了し続けてやまないヴァイオリニスト。同じイギリス室内管とのスタジオ録音(69 年)でも知られる四季、また同様にスタジオ盤(69年)が名演とされるお得意のモーツァルト。ピリオド・スタイル隆盛以前でいささか時代を感じさせるとはいえ、それでもシェリングのヴァイオリンが奏でる格調高さと美しさとは普遍的です。 (Ki)
BBCL-4211
ルドルフ・ゼルキン Vol.3
メンデルスゾーン:前奏曲とフーガ ホ短調*、
ブラームス:4つのピアノ小品 Op.119*、
ベートーヴェン:ディアベッリ変奏曲Op.120#
ルドルフ・ゼルキン(P)
録音:1975年2月3日*/1969年4月25日#
モーツァルトの協奏曲(BBCL.4157)、ベートーヴェンほか(BBCL.4177)に次ぐ、巨匠ゼルキンによる第3 弾は、またしてもベートーヴェン弾きとしての圧倒的な存在感をみせつけるディアベッリ変奏曲のライヴ。輝かしい音色と、あいまいさのかけらもないくっきりしたタッチはまぎれもなくゼルキンのもの。この1969年ライヴのほかに、ゼルキンが弾いたディアベッリは、1957年のスタジオ録音、実はもう一つ1975年のライヴもあります。今回息子のピーターの強い要望で、1969年のものが選ばれています。カップリングの2作品は、その1975年にディアベッリとともに演奏されたプログラム。ゼルキンがコンサートで頻繁に取り上げていたものです。 (Ki)
BBCL-4212
ヘンデル:アリアと変奏(調子のよい鍛冶屋)*
ブラームス:ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ Op.24*
ベルク:ピアノ・ソナタ Op.1*
スカルコッタス:15の小変奏曲(1927)*
プロコフィエフ:トッカータ ハ長調 Op.11*
ショパン:ピアノ・ソナタ第3番Op.58#
シューラ・チェルカスキー(P)
録音:1963年4月21日*/1964年12月15日#、以上BBCスタジオ(全てモノラル)
ヨーゼフ・ホフマンの高弟チェルカスキーは、19世紀以来のヴィルトゥオーゾの流れを汲むピアニストとして、ヨーロッパでは早くから絶大な人気を得ていました。演奏当時51歳(ショパンのみ53歳)、このふたつのライヴはちょうどセンセーショナルにキャリアを築いていた頃と重なり、その評判のほどをうかがわせるものです。近年注目を集めるスカルコッタスをこの時期に取り上げているのも興味あるところですが、やはり聴きものはショパンとブラームス。ぬめりとした音色でバリバリと弾きまくるさまが理屈抜きに痛快で、最晩年のライヴとはまるで輝きがちがいます。 (Ki)
BBCL-4213
シューリヒト&ボールト
ブラームス:悲劇的序曲*
レーガー:ヒラーの主題による変奏曲とフーガ *
ベートーヴェン:大フーガ変ロ長調 Op.133#
カール・シューリヒト(指)LSO*、
エイドリアン・ボールト(指)
ニュー・フィルハーモニアO#
録音:1964年1月31日ホーンシー・タウン・ホール、ライヴ*/1968年8月19日ロイヤル・アルバート・ホール、ライヴ#(全てステレオ)
2007年に没後40周年を迎えるシューリヒトを記念して、BBC LEGENDSよりまたとないリリース。1963年以来客演指揮者を務めたロンドン響との貴重なライヴは、幅広いレパートリーを誇るなかでもその中心にあったドイツもの。シューリヒトは師レーガーのモーツァルト変奏曲を好んで取り上げていますが(hanssler / 93.154)、ヒラー変奏曲もまた「変奏曲の大家」レーガーの代表作で、同じく趣向を凝らした管弦楽法にその魅力があります。全曲40 分近くの間、終始いつものように人格をそのまま投影したかのように高潔な音楽で満たされ、悲劇的序曲とともに巨匠の偉容を伝えています。カップリングは来年が没後25 周年にあたる巨匠ボールトが振った大フーガの弦楽合奏版。かつてIntaglio盤(廃盤)で出ていた有名な演奏が音質改善を施されて嬉しい復活です。 (Ki)
BBCL-4214
アーリン・オジェー/1987年歌曲ライヴ
シューマン:献呈 Op.25-1/ばらよ、ばらよ Op.89-6/そう、春なのだ Op.79-23/紡ぎ歌 Op.79-24/ミニョン Op.70-29/悲しい調べで歌わないで Op.98a-7
シューベルト:春の思い D.686/蝶 D.633/夜と夢 D.827/愛は何処に居ても D.239/初めてなくしたものD.226/糸を紡ぐグレートヒェン D.118
シェーンベルク:4つの歌曲 Op.2
R.シュトラウス:ばらの花環 Op.36-1/けしの花 Op.22-2/サフラン Op.10-7/木蔦 Op.22-3/懐かしい面影 Op.48-1/春よ Op.37-5
シューベルト:野ばら D.257
リー・ホルビー:悪魔
アーリン・オジェー(S)、
ダルトン・ボールドウィン(P)
録音:1987年1月2日バーミンガム・ぺブル・ミル、BBC第1スタジオ
エジンバラ音楽祭への出演やコヴェント・ガーデンでの「ドン・カルロ」などを通じて、50年代後半から60年代前半にジュリーニはひ んぱんに英国のオケに登場しています。ちょうどこの時期に数多くの録音を残したフィルハーモニアとの傑作宗教曲ライヴ。まさしくカン タービレの巨匠と異名をとる彼の持ち味が存分に活きた内容で、いまにも吸い込まれそうな美しさ。同じフィルハーモニアとのスタジオ盤 (86年)で知られるフォーレでは、スゼーの優しく温かみある歌声が心に沁みます。ヴェルディはこの公演での成功を受けてでしょうか、同 じ年12月に同一キャストでスタジオ録音を行なっています。ともにソリストを務めるのはおなじみのベイカー。 (Ki)
BBCL-4215
ティペット:二重弦楽合奏のための協奏曲*
ベルク:ヴァイオリン協奏曲#
ヤナーチェク:シンフォニエッタ+
エディト・パイネマン(Vn;#)、
ルドルフ・ケンペ(指)BBC響
録音:1976年2月18日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ライヴ(*/#)/1975年10月12日フェアフィールド・ホール、ライヴ+(全てステレオ)
BBC LEGENDS 通算7種目となるケンペ&BBC響のライヴ・アルバム。聴きものはこの年に世を去るケンペとはいかにも通好みの顔合わせ、パイネマンとのベルクの協奏曲。1939年生まれマックス・ロスタル門下の彼はこの作品を得意としていて、十二音と調性とのはざまを行き交う危うい美しさを引き出しています。英国で人気のティペットは、イギリスに根付いた弦楽アンサンブルの伝統が息づく内容で、錯綜するテクスチュアをさばくさまがじつにスリリング。さらに、同じBBC 響とは74 年ライヴ(BBCL.4087)に次いで2種目のシンフォニエッタ。明快で濃い表情付けでは甲乙つけがたいほど、聞かせどころを押さえた稀代の職人指揮者の腕前が光ります。 (Ki)
BBCL-4216
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番*
サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番#
ヴィラ=ロボス:「赤ちゃんの一族」第1組曲+〜小さな褐色の紙の人形/小さなボロ布人形/道化人形
ショパン:練習曲Op.25-5+、スケルツォ第2番**
アルトゥール・ルービンシュタイン(P)、
アンタル・ドラティ(指)LPO*、
ルドルフ・シュヴァルツ(指)BBC響#
1967年12月6日*/1957年11月27日#/1968年12月4日(ステレオ)**、以上ロイヤル・フェスティヴァル・ホール/1958年11月9日BBCスタジオ+
ルービンシュタイン生誕120年記念リリース。生涯にじつに3度も全集録音を完成させているベートーヴェン。なかでも第4番は第3番とともに実演でひんぱんに取り上げていたナンバーで、力みの抜けたタッチで興にまかせ音楽に遊ぶさまは大家の芸。ここでは名指揮者ドラティのサポートがまた絶妙です。3 つ のスタジオ盤があるサン=サーンスも得意の曲で、これはシューマン(BBCL.4152)と同日のライヴ。ルービンシュタインの代名詞で あるショパン演奏もいうことなし。スケルツォはブラームスの第1 番(BBCL.4187)のアンコールとして演奏されたものです。サン= サーンスをのぞいて、BBC アーカイヴ音源からの復刻となります。 (Ki)
BBCL-4217
ベートーヴェン:「エグモント」序曲 *
ヴァイオリン協奏曲*
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第3番 #
ヴォルフガング・シュナイダーハン(Vn)
イシュトヴァーン・ケルテス(指)*LSO*
カール・ゼーマン(P)#
1964年3月13日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(ステレオ)*/1956年9月5日アッシャー・ホール(モノラル)#
ウィーンに生没したシュナイダーハン(1915 − 2002)は、オタカル・シェフチーク、ユリウス・ヴィンクラーに師事して、ドイツ=オーストリアの本流を汲むスタイルからいまなお根強いファンを持つヴァイオリニスト。1933年にウィーン響初のコンマスに就任、37年にはウィーン・フィルのコンマスを歴任したのち、ソリストとして活躍。またカルテットやクーレンカンプのあとを受けてフィッシャー、マイナルディらとのトリオでも味わい深い演奏を聴かせました。50 年代にファン・ケンペン、62年にヨッフムとスタジオ録音を残しているベートーヴェン。そのヨッフム盤同様、ティンパニが加わるのが異色という自作のカデンツァも聴きものですが、なによりあたたかくリリカルな音色が古きよき香りを伝えます。また、不幸な事故で早くに世を去ったケルテスのライヴとしてもこれは貴重で、音質も良好なステレオという点もうれしいところです。さらに、同じ顔触れによる翌57年のスタジオ盤が有名なブラームス。名コンビとの華美に流れぬ朴訥とした味わいは得難い魅力です。 (Ki)
BBCL-4218
ベイカー&レパード/1971年オールドバラ・リサイタル
モンテヴェルディ:あの蔑みの眼差し SV.247-1/苦しみが甘美なものならば SV.332/面影よ、呪われよ SV.246
ボニファツィオ・グラツィアーニ(1604 or 05-1664):カンタータ「棕櫚のように、薔薇のように」
ミスター・バーリングクルー:賛美歌「エホバの御代」
ハンフリー:汝その罪をゆるしたまえ(父なる神への讃歌)
パーセル:おお私をどこかしずかな木陰へ連れて行っておくれ/追い求める美/ああ、無情な、残酷な運命よシューベルト:妹の挨拶 D.762/アリエッタ「恋はいたるところに」 D.239-6/アリエッタ「あちこち矢が飛び交う」 D.239-3/沈みゆく太陽に D.457/リンツの試補ヨーゼフ・シュパウン氏へ D.749
フォーレ:マンドリン Op.58-1/ひそやかに Op.58-2/夕暮れ Op.83-2/捨てられた花 Op.39-2
グノー:セレナードヘンデル:オラトリオ「ジョシュア」HWV.64〜ああ、私にユバルの竪琴があれば
ベイカーへのインタビュー(聞き手:マージョリー・アンダーソン)*
ジャネット・ベイカー(Ms)、
レイモンド・レパード(P/Cemb)、
ジョイ・ホール(Vc)
録音:1971年6月14日オールドバラ音楽祭/1969年10月22日BBCスタジオ*
英国の名花ベイカーとレパードと30年以上にもおよぶ何ものにも代え難いパートナーシップは、1950年代後半ブリテンによるオー ルドバラ音楽祭での出会いにはじまります。このリサイタルはブリテンたっての希望で実現したもの。膨大なレパートリーのかげで自 らに厳しかったベイカーのためにレパードが用意したプログラムは、音楽祭ゆかりのパーセル、モンテヴェルディのほかに、レパード が“再発見した”グラツィアーニ、バーリングクルー、パーセルの師で夭折のぺラム・ハンフリー(1647 − 1674)に加えて、ベイカー お気に入りのシューベルト、フォーレなど多彩なラインナップ。アンコールのグノー、ヘンデルまで表情豊かな歌唱はさすが女王の貫禄。 (Ki)
BBCL-4219
ブルックナー:交響曲第3番(1877年エーザー版)、
ブゾーニ
:踊りのワルツOp.53 / K288*
ヤッシャ・ホーレンシュタイン(指)
BBCノーザンSO、RPO*
録音:1963年7月3日チェルトナム音楽祭(ライヴ)、
1966年5月9日ロンドン・BBCスタジオ* (共にモノラル)
BBCアーカイヴ音源からの復刻。1928 年のベルリン・フィルとの第7 番に始まる巨匠ホーレンシュタインのブルックナー録音。BBC LEGENDS では第5番(BBCL.4033)、第8番& 第9番(BBCL.4017)につづいて、完全初出の第3番が登場します。ちなみに同じエーザー 版によるものとして、データではほかに1957年11月9日メイダ・ヴェイル・スタジオで行ったBBC 響との放送録音もありますが、収 録テープが未発見のため現状正規ではこれが唯一のものとなります。 さて、演奏ですがブルックナーは得意とするだけあって、スケールは巨大、緊張感、迫力、パワーが漲る骨太の内容。これまでと同じ く期待を裏切りません。 余白はワルツの父ヨハン・シュトラウスに献呈された作品。ブゾーニはホーレンシュタインがキャリアをスタートさせた1920年代に 熱烈に師事していた作曲家。密接な親交があったため信頼も厚く、BBC からブゾーニの音楽祭での指揮を依頼されています。 (Ki)
BBCL-4220
ショスタコーヴィチ:交響曲第4番(英国初演)、
 組曲「カテリーナ・イズマイロヴァ」(英国初演)*、
 祝典序曲#
ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー(指)
フィルハーモニアO、LSO#
録音:1962年9月7日、1962年9月4日*、
1985年7月8日#(全てステレオ)
すべてBBC アーカイヴ音源からの復刻。天才ロジェヴェンが絶頂期に客演したエジンバラでのライヴの2 曲はともに英国(西側)初 演、しかも作曲者の御前演奏という強力なポイントつき。なかでも最大の問題作第4 交響曲は、その演奏史において語り草となってい たもので、ようやく全貌が明らかとなります。当時のタイムズ紙も興奮が冷め遣らぬ異常演奏の模様を次のように伝えています。「こ の作品こそまさしく天才の仕事、豊潤な響きと構成要素の多様性とはとんでもなく素晴らしいかぎり。当夜、このとてもやっかいなプ ログラムに説得力満点の演奏を思い描くのがむずかしいように、マエストロ、ロジェストヴェンスキーがフィルハーモニアから引き出 したよりも輝かしい演奏を想像することはむずかしい。」 はたしてBBC LEGENDS とショスタコーヴィチとは不思議な因縁があるようで、ムラヴィンスキー(BBCL.4002)とスヴェトラーノフ (BBCL.4189)の第8 番、オイストラフの協奏曲集(BBCL.4060)と過去に重要なリリースが続いていますが、またしてもここにとんで もない価値のアルバムが出現したといえるでしょう。 (Ki)
BBCL-4221
ジュリーニのフォーレ&ヴェルディ
フォーレ:レクイエム Op.48*、
ヴェルディ:聖歌四篇#
ジャネット・ベイカー(S)、
ジェラール・スゼー(Br;*)、
カルロ・マリア・ジュリーニ(指)
フィルハーモニアO&cho
録音:1962年4月30日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール
エジンバラ音楽祭への出演やコヴェント・ガーデンでの「ドン・カルロ」などを通じて、50年代後半から60年代前半にジュリーニはひ んぱんに英国のオケに登場しています。ちょうどこの時期に数多くの録音を残したフィルハーモニアとの傑作宗教曲ライヴ。まさしくカン タービレの巨匠と異名をとる彼の持ち味が存分に活きた内容で、いまにも吸い込まれそうな美しさ。同じフィルハーモニアとのスタジオ盤 (86年)で知られるフォーレでは、スゼーの優しく温かみある歌声が心に沁みます。ヴェルディはこの公演での成功を受けてでしょうか、同 じ年12月に同一キャストでスタジオ録音を行なっています。ともにソリストを務めるのはおなじみのベイカー。 (Ki)
BBCL-4222
シューベルト:ピアノ・ソナタ第14番D.784*
 ヒュッテンブレンナーの主題による変奏曲D.576#
シューマン:幻想小曲集 Op.12#〜夕べに/ 飛翔/なぜに/夜に/夢のもつれ/歌の終わり
ドビュッシー:映像第2集〜葉ずえを渡る鐘の音#
スヴャトスラフ・リヒテル(P)
録音:1979年3月31日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール*/1969年10月8日自由貿易ホール#
第14 番のソナタはオール・シューベルト・プ ロ(BBCL.4010)からのもので、合わせて当夜の内容がすべて揃います。なお、このリサイタルは同じ年の2 月から3月にかけての来日公演直後にあたり、第14番は東京と大阪のプログラムにも組まれていました。いっぽう、さかのぼること10年前マンチェスターでのライヴは 当夜のプログラム前半を収録(後半はラフマニノフ。BBCL.4090)。とりわけシューマンはリヒテルの真骨頂とも呼べる出来栄えです。 (Ki)
BBCL-4223
ニールセン:交響曲第4番「不滅」*
シベリウス:交響曲第3番#
ジョン・バルビローリ(指)ハレO
録音:1965年7月30日*/1969年8月8日#
シベリウスの名演奏と呼ばれるものの多くが素朴な味わいをとどめた地元フィンランド勢で占め られるなか、粘っこい歌いまわしで作品の世界を訥々と描いてゆくバルビローリのそれは独特のポジションを獲得しています。そのシベリ ウスのエキスパート、バルビローリと手兵ハレ管による第3 交響曲ライヴ。69 年8 月は同曲のスタジオ録音から3ヵ月後、ようやく解禁と なった内容は文字通りファンには宝物といってさしつかえないでしょう。 ニールセンの「不滅」はシベリウス5 番(68 年ライヴ)とのカップリングでBBC ラジオ・クラシックスから出ていたもの。シベリウス同様 に作品との相性もよく、とくに第1 楽章のヤマ場における、たたみかけるような気迫にみちた激しさは一度耳にすると記憶に焼きついて離 れません。廃盤により長らく入手困難であったためこのたびの復活は嬉しいところです。 (Ki)
BBCL-4224(2CD)
マーラー:交響曲第7番「夜の歌」*、
モーツァルト:交響曲第41番「ジュピター」#
クラウス・テンシュテット(指)LPO
録音:1980年8月29日エジンバラ音楽祭*/1985年9月13日ロイヤル・アルバート・ホール#(全てステレオ)
手兵ロンドン・フィルとはすでに2種の別録音を数えるテンシュテットの「夜の歌」。このたび登場するエジンバラ音楽祭におけるライヴは、 全集シリーズの1980年10月のセッション録音に先立って同年8月に行なわれました。テンシュテットがまだ病に倒れる以前ということも あり、気力の充実と演奏の白熱ぶりには凄まじいものがあります。それはたとえば、演奏時間が全体でおよそ7分も長くなった93年のライ ヴと比較して、80年のライヴはスタジオ盤とほとんど変わらぬテンポを保っていることからもうかがい知れます。テナーホルンの奇抜なアイデアが響きに異化効果を生む第1 楽章。副題の所以ともなったふたつの夜曲。そしてフィナーレにおけるエネル ギーの開放。マーラーの音楽が内包するとりとめのなさ、途方もない落差をそのまま提示したテンシュテットによるライヴ。テンシュテッ トを知るにはやはりライヴを聴くしかない。あらためてそう思わせる破格の内容です。 カップリングの「ジュピター」はさきのベートーヴェン第九(BBCL.4131)と同日のライヴで、北ドイツ放送響盤(1980 年ライヴ)に次い で2種目にあたります。ここでは申し分なく雄渾でありながら、音楽運びにより自由度と燃焼度の高さとが増しており、手兵と息のあった ところをみせてくれます。しかも、演奏から終始漂う張り詰めた気配はなんとも独特で、このコンサートこそが病に倒れる直前のものであっ たことと無関係ではないのかも知れません。 すべてBBCアーカイヴ音源からの復刻で音も万全なうえ、ともに正規盤初出ということを合わせると、ファンには見逃すわけにはゆかない アルバムとなりましょう。 (Ki)
BBCL-4226
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番*、
ラフマニノフ:交響詩「死の島」Op.29#
エフゲニー・スヴェトラーノフ(指)LSO*、
ソヴィエト国立SO#
録音:1978年8月28日アッシャー・ホール*/1968年8月22日ロイヤル・アルバート・ホール#(全てステレオ)
稀代の怪物指揮者スヴェトラーノフがLSO を振った「革命」は、エジンバラ音楽祭におけるライヴで完全初出。スヴェトラーノフといえば手兵ソヴィエト国立響との演奏を抜きに語れませんが、この翌年には首席客演指揮者に任命されることになるLSOは、当時プレヴィンのもとで大躍進を遂げ、アンサンブルの条件が揃っていました。スタイルの異なるプレヴィン&LSO盤(65年)との聴き比べもまた興味深いところではないでしょうか。いずれにせよ、第8 番(BBCL.4189)の余韻も冷め遣らぬところへ、またしてもファンにはとんでもないタイトルの出現といえそうです。いっぽう、これより10 年前、プロムスでの実況録音による「死の島」。40 歳を目前にして、戦車に喩えられる激烈で濃厚な味付けはこの時期ならではのもの。なお、当日はオイストラフ独奏でショスタコーヴィチの第2 協奏曲(BBCL.4060)とスクリャービンの法悦の詩(BBCL.4121)も演奏されています。 (Ki)
BBCL-4227
R・ゼルキン/モーツァルト:ピアノ協奏曲集 Vol.2
ピアノ協奏曲第14番 変ホ長調 KV.449*、
ピアノ協奏曲第21番ハ長調 KV.467#
2つの行進曲KV.335〜第1番*、
6つのドイツ舞曲 KV.571*
ルドルフ・ゼルキン(P)、
アレクサンダー・シュナイダー(指)
イギリスCO
録音:1964年8月28日アッシャー・ホール、ライヴ*/1966年7月23日ギルド・ホール、ライヴ#(全てステレオ)
コレクター収蔵音源による21番をのぞいて、すべてBBC アーカイヴからの復刻。前作第12番(BBCL.4157)を聴いた音楽評論家許光俊氏 が「夢見心地。こんなすごいモーツァルトがあった!」と驚きを隠さないゼルキンのモーツァルト。嬉しいことに続編が登場です。しかも 今回はすべてステレオ、年代相応のすぐれた音質でいうことなし。甘美、はかなさと、さまざまな表情をみせてこれこそ絶品としか云いよ うのないピアノに、またしても絶妙なサポートで応えるのは朋友シュナイダー。フィルアップのドイツ舞曲は既出(BBCL.4157)と同一の 内容ですが、新たに発見されたステレオ音源での再登場となります。 (Ki)
BBCL-4228
ニコラーエワ、バッハ・ライヴ
バッハ:ゴルトベルク変奏曲、
パルティータ第5番 〜前奏曲、
主よ人の望みの喜びよ」(ヘス編)
タチアナ・ニコラーエワ(P)
録音:1986年11月10日セント・ジョンズ・スミス・スクエア
生前バッハのエキスパートとして知られたニコライ「ワの初出ライヴです。彼女のゴルトベルクは少 なくとも現状で3 種の別録音(70年、87年ライヴ、92年)を数えますが、80年代半ばという時期は実演に接した人びとが口を揃えて語るようにちょうどピークにあたります。一音一音が研ぎ澄まされ、あいまいさのかけらもないピアニズムは、深い精神性を湛えて費やす言葉 もありません。アンコールにいたるまで、しんと静まり返った空気が独特です。 (Ki)
BBCL-4229
ケルテス&LSO
ロック:国王陛下のサックバットとコルネットの為の音楽*、
シューマン:交響曲第1番「春」#、
ブラームス:交響曲第2番*
イシュトヴァーン・ケルテス(指)LSO
録音:1966年2月15日*/1965年11月30日#、以上ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(全てステレオ)
LSO第10代首席指揮者ケルテスがその在任中(1965−68)におこなった興味深いライヴ集。かれに対するLSOの信頼が厚かったことはつとに知られ、そのことはシューベルトの「未完成」やドヴォルザークの第6番(1966年ライヴ/AN.4100)でもはっきりと確かめられますが、ここでも気力の漲った音楽運びがまことに壮快。ことにシューマンは初レパートリーとなるためたいへん貴重です。さらにまた、チャールズ2世の戴冠式のために書かれたとされるロックでは、LSOご自慢のブラス・セクションの輝かしいサウンドが耳に残ります。 (Ki)
BBCL-4230
ミェチスワフ・ホルショフスキ、初出
カザルス:プレリュード*、
ショパン:ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 Op.58*、
バッハ(リスト編):前奏曲とフーガ イ短調 BWV.543#、
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第12番KV.332#、
ヴィラ=ロボス:満ち潮#/だれでも通るこの橋#、
ショパン:マズルカ[変ロ短調 Op.24-4#/ハ長調 Op.56-2#]、
メンデルスゾーン:無言歌「紡ぎ歌」Op.67-4#
ミェチスワフ・ホルショフスキ(P)
録音:1984年6月9日*/1987年6月21日#、以上オールドバラ(全てステレオ)
伝説とまで謳われたカザルス・ホールでのライヴが行われたのが1987年12月9日。これより半年ほど前、ホルショフスキがおこなったオールドバラでのリサイタルは、その東京公演と同じ年ということもあり、モーツァルト、ヴィラ=ロボス、メンデルスゾーンとプログラムが重なりますが、それにしても美しい。ここに聴く奇跡のようなピアノはどれもこれももはや尽くす言葉がありません。アルバム前半のカザルスとショパンのソナタは、既出「子供の領分」(BBCL.4203)と同日のライヴ。カザルスの曲を取り上げているのが、ふたりのゆかりの深さをあらためて思い起こさせます。音楽好きの静かな感動を呼ぶ一枚。
BBCL-4231
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」*
ガーシュウィン:ピアノ協奏曲ヘ調#
シューラ・チェルカスキー(P)、
ロナルド・ゾールマン(指)*、
BBC スコティッシュSO*、
ヴァーノン・ハンドリー(指)BBC響#
録音:1992年1月29日アッシャー・ホール*/1985年9月14日ロイヤル・アルバート・ホール#(全てステレオ)
19世紀の流れを汲む最後のヴィルトゥオーゾ、チェルカスキー。これまでにBBCLEGENDSでは5枚のアルバムを数えることからも根強い人気がうかがえます。ノリのよさが天下一品のガーシュウィンは、曲調も相俟って文句のない出来栄え。いっぽうで古典派作品は不向きとの評を抑えて、「皇帝」はたいへんロマンチックなピアノが聴けるところがチェルカスキー流。ちょっとほかでは聴いたことのない味わいです。ともに録音状態が良好なのもうれしいポイント。 (Ki)
BBCL-4232
マーラー:交響曲第9番 ニ長調 クルト・ザンデルリング(指)BBCフィル
録音:1982年7月17日マンチェスターBBCスタジオ7(ステレオ)
●湧々堂推薦盤
2002年5月の引退表明からはや5 年あまりを経過したいまもつぎつぎとライヴが発掘され、その人気が衰えることを知らない‘最後の巨匠’クルト・ザンデルリング。このたびBBC LEGENDSより、BBCフィルとのマーラーの第9 番ライヴがリリースされます。この作品に対するザンデルリングの思い入れの深さは、手兵ベルリン響(79年)やフィルハーモニア管(92 年)とのスタジオ録音からもうかがえますが、おそらくはライヴという条件がプラスに働いているのでしょう。BBCフィルとのライヴも破格のスケールとなんとも有機的な音の溶け合いに、以前別レーベルから発売されたときにザンデルリングの決定盤と言われたことにも納得の内容となっています。情緒型のアプローチとは方向性もまったく異なるザンデルリングの冷徹なるマーラー。聴きこむほどに彼岸のひびきを感じさせる不思議な演奏です。なお、レーベルの最高責任者ジョン・パトリック氏によれば、音質も大幅な改善が図られているとのことでより一層期待が高まります。 (Ki)
BBCL-4233
R=コルサコフ:序曲「ロシアの復活祭」*
ラフマニノフ:交響曲第1番#
プロコフィエフ:戦争終結に寄せる頌歌 Op.105+
ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー(指)
BBC響
録音:1979年8月31日*/1979年8月23日#/1978年10月11日+、以上ロイヤル・アルバート・ホール(全てステレオ)
ロジェストヴェンスキーが第8代首席指揮者(1978−81)を務めたBBC響とのライヴは、十八番のロシアものばかりを集めたきわめつけの内容です。まさに指揮者として絶頂期に差し掛かっていたころで、アルバム一曲目R=コルサコフから目もくらむような華麗なるサウンドが大爆発。ラフマニノフはLSOとの第2番がすばらしかっただけにおおいに期待されるかたも多いはず。ソビエト国立文化省響との録音(84年)もある「戦争終結に寄せる頌歌」は、第2次大戦終結時に政府におもねって書かれましたが失敗に終わったいわくつきの作品。さらに、コントラバス8本、ハープ8台、ピアノ4台、吹奏楽編成のブラス・セクション、打楽器と巨大な編成を擁することもあって滅多に聴く機会もありませんが、それにしてもこの演奏はじつに痛快で立派。やり過ぎくらい思い切りのよさにロジェヴェン節が炸裂してファンには大きな満足感を約束してくれることでしょう。 (Ki)

BBCL-4234
ブラームス:ドイツ・レクイエム ルチア・ポップ(S)、トーマス・アレン(Br)、
クラウス・テンシュテット(指)LPO
ロンドン・フィルハーモニーcho

録音:1984年8月26日ロイヤル・アルバート・ホール(ステレオ・ライヴ)
正規初出!BBCアーカイヴ音源からの復刻。いまやレーベルの顔となったテンシュテットがことし没後10周年を迎えるのに合わせて、ファンのあいだでは名高いドイツ・レクイエムがBBCLEGENDよりリリースされます。演奏内容はこの指揮者らしく精魂をすべて注いだ迫真の出来栄え。深深と開始される第1曲から歌詞の一語一句を噛んで含むようなテンポで進みますが、高揚する場面では熱く激し、そうかと思えば、つぎの瞬間にはマーラーでもみせる底知れぬ暗さという具合に、途方もない落差が印象的。直前に収録されたスタジオ盤(1984年8月19、20、23、24、25日)でのノーマン&ヒュンニネンに替わって、ソリストに起用された英国の誇りアレンと、とりわけいまは亡きポップがチャーミングな彩りを添えている点も聴きどころといえるでしょう。   (Ki)

BBCL-4235
ウェーバー:歌劇「オイリアンテ」序曲、
ティペット
:コレルリの主題による協奏的幻想曲*、
ブラームス
:交響曲第4番*
エリ・ゴレン(Vn),ベラ・ダカニ(Vn)、
ヴィゲイ・デニス(Vc)、
ハンス・シュミット=イッセルシュテット(指)BBC響
録音:1971年4月11日ロンドン・メイダ・ヴェイル・BBCスタジオ、
1971年4月14日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(全て全てステレオ・ライヴ)*
正規盤初出!すべてBBCアーカイヴ音源の復刻。ドイツ本流の巨匠シュミット=イッセルシュテット(1900−1973)が最晩年に行なった貴重なライヴがBBCLEGENDよりリリース。ベルリンに生まれ、1945年ハンブルク北ドイツ放送響を創設、以後26年間に渡り同オケを率いた巨匠は、地元ハンブルクやミュンヘンのほか、コヴェント・ガーデンやグラインボーンといった英国のオペラハウスにもひんぱんに登場しています。ここではドイツ音楽を語る上で欠かせないウェーバー、さらに手兵北ドイツ放送響(73年)とのライヴでも誉れ高いブラームスが強靭でエネルギッシュなアプローチで最高の聴きもの。ティペットでは、同時代の作品を取り上げることにも積極的だったかれの一面をうかがい知ることができます。 (Ki)

BBCL-4236
エルガー:チェロ協奏曲、
ブラームス
:ヴァイオリンとチェロの為の協奏曲、
ドビュッシー:チェロ・ソナタ.ニ短調#
ポール・トルトゥリエ(Vc)、
エイドリアン・ボールト(指)BBC響、
ヤン・パスカル・トルトゥリエ(Vn)、
サー・ジョン・プリッチャード(指)BBC響*、
アーネスト・ラッシュ(P)#

録音:1972年11月14日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、1974年4月17日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール*、1959年2月10日BBCスタジオ# (以上、全てステレオ・ライヴ)
ドビュッシーを除きすべてBBCアーカイヴ音源の復刻。大御所カザルスとも親密な間柄にあったポール・トルトゥリエは、同じ時代を生きたフルニエやジャンドロンとともに20世紀フランスのチェロ界をリードしたひとりでした。このアルバムではトルトゥリエによる貴重なライヴの数々を楽しむことができます。大権威ボールトの棒によるという点も魅力のエルガーは、ほかに2種のスタジオ盤を残すトルトゥリエにとっては唯一のステレオによるライヴ。現在指揮者として活躍中の息子ヤン・パスカルとの親子共演が実現したブラームスでは、スタジオ盤でのフェラスとはまた違った趣きで聴かせます。   (Ki)
BBCL-4237
ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第4番、
シベリウス:交響曲第4番*
マルコム・サージェント(指)BBC響
録音:1963年8月16日、1965年9月2日* 
ロイヤル・アルバート・ホール(共にステレオ・ライヴ)
すべてBBCアーカイヴ音源よりの復刻。英国の名匠サージェント(1895−1967)がその晩年に、もっとも得意としていたシベリウスとヴォーン・ウィリアムズを振ったライヴ。いずれもスタジオ盤を残さなかったプログラムで、ヴォーン・ウィリアムズは以前にもストコフスキーによる第8番とのカップリング(BBCラジオクラシックス・廃盤)でリリースされたことがありますが、BBC響とは第1、第2そして第5交響曲、また「フィンランディア」や「ポホヨラの娘」をウィーン・フィルと録音したシベリウスは完全初出のため、さらに貴重です。英国に独自の演奏の伝統がいきづくシベリウスに、自国の大作曲家ヴォーン・ウィリアムズによるふたつの第4交響曲。作品成立と同じ時代を生きたサージェントがここで率いるのは、首席指揮者時代(1950−1957)を通じて、亡くなるまで信頼の厚かった手兵BBC響。英国きってのすぐれた合唱指揮者としても知られた腕前は美しいハーモニーで確かめられます。 (Ki)

BBCL-4238
フィルクスニー/1980年ロンドン・ライヴ
シューベルト:3つの小品 D.946
マルティヌー:ファンタジーとトッカータ H.281
ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」
ショパン:マズルカ Op.63-3
スメタナ:フリアント、演奏会用練習曲
ルドルフ・フィルクスニー(P)

録音:1980年2月21日クィーン・エリザベス・ホール(ステレオ・ライヴ)
すべてBBCアーカイヴ音源の復刻。シューベルト、ハイドン&ブラームスを弾いた1969年のリサイタル(BBCL.4173)につぐ、フィルクスニーのBBCLEGENDS第2弾。前回から11年後、場所も同じクィーン・エリザベス・ホールでのリサイタルは、得意の「展覧会の絵」をはじめ、自国チェコのスメタナと、友人であり熱心な紹介者として知られたマルチヌーなど、きわめつけのレパートリーがならんでいます。1994年に世を去ったいまもファンの多いフィルクスニー。なるほど、高貴なピアニズムは一度聴いたら忘れがたい味わいを湛えています。  (Ki)
BBCL-4239
ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」、
ワーグナー
:「神々のたそがれ」〜ジークフリートのラインへの旅*、
 「トリスタンとイゾルデ」〜前奏曲と愛の死*
サー・ゲオルグ・ショルティ(指)LSO、
コヴェント・ガーデン王立歌劇O*、
ビルギット・ニルソン(S)
録音:1968年1月30日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(ステレオ・ライヴ)、
1963年9月6日ロイヤル・アルバート・ホール(ステレオ・ライヴ)*
すべてBBCアーカイヴ音源からの復刻。昨年早くも歿後10年を迎えた巨匠ショルティの初出ライヴ。同じmediciグループ傘下となったEUROARTSからはCSOとのライヴ映像がリリースされますが、こちらはBBCLEGENDSということで英国のオケとの顔合わせ。まず、LSOとの「エロイカ」は、既出のチャイコフスキー第1協奏曲(チェルカスキー独奏・BBCL.4160)と同日のライヴで、ウィーン・フィル(1958年)、CSOとの2種(1973年、1989年)につづいて、ショルティでは4種目。当時55歳のマエストロのもと、すばらしい反応をみせるLSO。優美で力強く、いつもの彫琢をきわめたつくりに、ライヴのいっそう大きなスケール感を加えています。カップリングは、1961年から1971年まで音楽監督を務めた手兵ロイヤル・オペラ管を率いて登場したプロムスでのワーグナー。愛の死におけるイゾルデは、ウィーン・フィルとの全曲盤(1960年)でも同名役を歌ったニルソン。リング全曲やシュトラウスの楽劇など、実演ならびに録音でショルティとの共演機会の多かった女王が、オケを凌ぐ圧倒的存在感を聴かせています。リマスタリング担当はポール・ベイリー。 (Ki)
BBCL-4240
R・シュトラウス:交響詩「ドン・キホーテ」、
ハイドン
:チェロ協奏曲第2番*
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(Vc)、
ハリー・ダンクス(Va)、ヒュー・マグワイア(Vn)、
マルコム・サージェント(指)BBC響、
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(Vc&指)LSO*

録音:1964年8月25日ロイヤル・アルバート・ホール(モノラル・ライヴ)、1965年7月1日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(モノラル・ライヴ)*
いずれも英国図書館サウンド・アーカイヴよりの復刻。1960年代、ロストロが脂の乗り切っていた頃のライヴが楽しめる一枚。「ドン・キホーテ」は有名なカラヤン盤(1975年)より11年前のプロムス・ライヴ。名匠サージェントの堅実な音楽運びのもと、巨大なチェロに迫る、BBC首席ダンクスとLSOのリーダーだったマグワイアのソロも聴きもの。ハイドンは同日の第1番ハ長調(BBCL.4198)と合わせてこのたび2曲が揃います。  (Ki)
BBCL-4241
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第29番「ハンマークラヴィーア」、
ピアノ・ソナタ第31番*
ルドルフ・ゼルキン(P)

録音:1968年5月13日(モノラル・ライヴ)、1971年6月16日(ステレオ・ライヴ)*
「ワルトシュタイン」&「テレーゼ」(1973年・BBCL.4177)や、ディアベッリ変奏曲(1969年・BBCL.4211)でも、あらためてベートーヴェン弾きとしての存在感をみせつけたルドルフ・ゼルキン。「ハンマークラヴィーア」はスタジオ盤(1969&1970年)に次いでこれで2種目、第31番もスタジオ録音2種(1960年、1971年)、1987年のライヴにつづいて4種目となりますが、テクニックの絶頂期におこなわれたライヴというのがいずれもポイント。輝かしい音色はいっそうまばゆく、これはなによりファンにはうれしい内容といえるでしょう。  (Ki)
BBCL-4242
ショスタコーヴィチ:交響曲第12番「1917年」**、
 交響曲第6番*、
J.シュトラウス:ポルカ「まあつべこべ言わずに」#、
J.シュトラウス(ショスタコーヴィチ編):ポルカ「観光列車」#、
ユーマンス(ショスタコーヴィチ編):2人でお茶を(タヒチ・トロットOp.16)#
ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー(指)
フィルハーモニアO**、BBC響
録音:1962年9月4日アッシャー・ホール(西側初演ライヴ)、
1980年12月10日*、
1981年8月14日ロイヤル・アルバート・ホール(以上全てステレオ・ライヴ)
BBCアーカイヴ音源の復刻。第12番をのぞいてすべて初出。交響曲第12番は、同年同月同所における第4番(BBCL.4220)とともに、作曲者本人立会いのもとでおこなわれた西側初演のドキュメント。長らく廃盤が続いていたところへ、久々の復活となります。ロジェヴェン2種目の第6番はソ連文化省響との録音(1983年)も激烈でしたが、目まぐるしく疾走するフィナーレがあざやかに決まります。でも、そんなことよりスゴイのは、この曲の世紀の名演と通の間で云われて久しい「タヒチ・トロット」がついに音で聞けること。シュトラウス作アレンジの珍品ポルカともども、天才ロジェヴェンの手腕がもっとも花開いた例といえるでしょう。 (Ki)
BBCL-4243
廃盤
マーラー:交響曲「大地の歌」、
ブラームス:アルト・ラプソディ*
ジャネット・ベイカー(Ms) ジョン・ミッチンソン(T)、
レイモンド・レパード(指)BBCノーザンSO、
エイドリアン・ボールト(指)BBC響&BBC男声cho*
録音:1977年2月22日マンチェスター・自由貿易ホール(ステレオ・ライヴ)、
1968年11月6日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(モノラル・ライヴ)*
「大地の歌」がBBCアーカイヴ音源の復刻。英国の誇りベイカーの歌う「大地の歌」といえば、BBCLEGENDSにはすでにケンペ盤(1975年・BBCL.4129)がありますが、わずか2年ほどの差といえベイカー絶頂期の記録といえるのがこのレパード盤。このたびポール・ベイリーのリマスタリングで音質改善がはかられ、カタログ復活となります。テノールはホーレンシュタイン盤(1972年・BBCL.4042)でも歌っていたミッチンソン。カップリングはおなじボールトの指揮でスタジオ録音(LPO・1970年)を残すアルト・ラプソディ。こちらはライヴということで、いずれにしてもファンにはかけがえのないものとなるでしょう。 (Ki)
BBCL-4244
エルガー:チェロ協奏曲ホ短調Op.85
プリオー・レーニエ
:チェロ協奏曲(1964)*、
ラッブラ:チェロ・ソナタ.ト短調Op.60#
ジャクリーヌ・デュ・プレ(Vc)、
イリス・デュ・プレ(P)、
マルコム・サージェント(指)BBC響、
ノーマン・デル・マー(指)BBC響*

録音:1964年9月3日ロイヤル・アルバート・ホール(ステレオ・ライヴ)、1962年7月6日チェルトナム音楽祭(モノラル・ライヴ)#
エルガーとレーニエがBBCアーカイヴよりの復刻。デュ・プレにとってのエルガーとは、彼女の代名詞といえる魂の一曲。生涯を共にした銘器ダヴィドフより紡がれる嘆き節が胸を締め付けるプロムスでのライヴ。この曲の決定盤に数えられるバルビローリとのスタジオ盤(1965年)より半年前にあたります。ほかにカップリングも重要。南アフリカ出身の英国の作曲家レーニエ(1903−1986)のコンチェルトは演奏時間20分ほど、デュ・プレ唯一の録音でこれが世界初演時のドキュメント。ただし、一説には彼女は技術的に困難なこの作品を嫌悪していたとも伝えられています。ラッブラのソナタはデュ・プレの師、ウィリアム・プリースに献呈されたもの。これはデュ・プレを愛するすべてのかたにとって宝物となることでしょう。  (Ki)
BBCL-4245
ハイドン:ピアノ・ソナタ第49(44)番変ホ長調Hob.XVI-49、
プロコフィエフ
:ピアノ・ソナタ第2番、
 ピアノ・ソナタ第8番「戦争ソナタ」、
 束の間の幻影Op.22〜第3-6,8,9,11,14,15,18番、
 10の小品Op.12〜第6曲「伝説」
スヴャトスラフ・リヒテル(P)

録音:1961年7月8日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(モノラル・ライヴ)
1961年、前年に念願のアメリカ・デビューを果たしたリヒテルは、前半は国内に留まりモスクワでの活動が中心でしたが、7月に入るとロンドンで集中的にリサイタルをおこなっています。ちなみに、このライヴから数日後、10日にショパンとドビュッシー(BBCL-.4021)や、コンドラシンとの共演で16日にショパンのアンダンテ・スピアナートと大ポロネーズを、18日にはリストの協奏曲2曲(いずれもBBCL-.4031)を演奏、これらの模様はすでによりCD化されています。この時期、リヒテルは英国でもまだまだ謎のヴェイルに包まれていた存在であり、リサイタルそのものが特別の事件でした。メインのプロコフィエフを目の当たりにした当時の聴衆の衝撃たるや想像に難くありません。束の間の幻影をのぞいて、すべて初出となります。  (Ki)
BBCL-4246
ブラームス:ドイツ・レクイエムOp.45 イレアナ・コトルバス(S)、
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br)、
エジンバラ国際音楽祭cho、
カルロ・マリア・ジュリーニ(指)LPO

録音:1978年8月26日エジンバラ、アッシャー・ホール(ステレオ・ライヴ)
ジュリーニのドイツ・レクイエムといえば、現状ではこれより9年後のウィーン・フィルとのライヴ盤を残すのみ。このたび重要性を鑑みてがリリースに踏み切りました。1987年のライヴが73分を越えるのに対して、ここではおよそ68分と演奏時間に5分もの違いがありますが、それでも遅めのテンポによる馥郁たる美はまぎれもなくジュリーニならではのもの。ソリストにはクレンペラー盤での歌唱が知られるフィッシャー=ディースカウに、当時絶頂を迎えていたコトルバス。さらには、こうした機会にジュリーニの起用も多かったエジンバラ音楽祭合唱団が、ジョン・カーリーのもとベストを尽くしています。  (Ki)
BBCL-4247
モーツァルト:ピアノ協奏曲第16番、
 ピアノ協奏曲第17番*、
バルトーク
:ピアノ協奏曲第2番#
ゲザ・アンダ(指,P)イギリスCO
ピエール・ブーレーズ(指)BBC響#

録音:1968年11月28日BBCスタジオ、1975年4月9日*、1973年12月5日#、以上ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(全てステレオ・ライヴ)
完全初出。ヴィルトォーゾ、アンダのきわめつけというべきモーツァルトとバルトークの協奏曲ライヴが聴ける注目のアルバム。ハンガリー出身のアンダには音楽語法にも精通し、また同時代の音楽として身近であったバルトークですが、ここでの指揮はなんと若き日の鬼才ブーレーズ。この顔合わせに興奮を覚えない方はいないでしょう。また、モーツァルテウム管との全集があまりにも有名な“弾き振りによるモーツァルト”は、いずれもそのスタジオ録音以降におこなわれたもの。もはや説明不要、ちょっとしたニュアンスといい、この美しさはほかでは得がたいものです。  (Ki)
全て作品はDGのスタジオ録音が存在しますが、それだけに自信に満ちたアンダのピアニズムを心行くまで堪能できます。ここではモーツァルトの「第16番」が特に名演!この曲の弾き振りによる演奏の頂点を行く演奏です。オケの導入から気迫に満ち、引き締まった響きにニュアンスが充溢。アンダのピアノがこれまたいつも以上に闊達で雄弁。テンポは前のめりスレスレで、グングン前に直進。だい1がくしょうなど、全体が一つの塊のように響きます。カデンツァでは華やかでありながらストイックなアンダのピアニズムが全開。第2楽章も穏やかに滞留せず、音楽が実にアグレッシブに立っています。終楽章は全体が一丸となってシンフォニックな響きを打ち立てており、決して可憐な軽やかさに流れません。それにしてもこの憑かれたような集中力と凝縮力は何事でしょうか?この手法が行き過ぎるとモーツァルトも逃げ出しかねませんが、それをも強力に引き止めようとする得体の知れない牽引力!これはライヴではなく放送用のスタジオ録音ですので、その点でもこのテンションの高さは驚異的です。  【湧々堂】
BBCL-4248
モーツァルト:歌劇「ドン・ジョヴァンニ」序曲、
マーラー
:交響曲第4番ト長調
フェリシティ・ロット(S)、
クルト・ザンデルリング(指)BBCノーザンSO

録音:1978年4月17日マンチェスター、BBCスタジオ(ステレオ)
第9番(BBCL-.4232)のカタログ復活につづいて、なんとザンデルリングによるマーラー第4番がBBC LEGENDSに登場。音源そのものも完全初出、しかもザンデルリング初のレパートリーとくれば、これは絶対見逃すことの出来ない内容といえるでしょう。ザンデルリングのマーラーといえば、9番や10番が巨大なアプローチでとりわけ人気を集めていますが、初期の作品であるこの4番でも巨匠スタイルによる構えの大きさが際立っています。また、フィナーレを彩るのは女王ロットというのも魅力。さらに、デモーニッシュな表現が凄みをきかせる「ドン・ジョヴァンニ」も貴重なカップリング。いずれも音質良好です。  (Ki)
BBCL-4249
ニールセン:交響曲第3番ニ短調Op.27「ひろがりの交響曲」
シベリウス:交響曲第5番変ホ長調Op.82*
[ボーナストラック]ロバート・シンプソンによるホーレンシュタインへの弔辞#
アレクサンドラ・ブラウニング(S)
コリン・ホイットレー(Br)、
ヤッシャ・ホーレンシュタイン(指)
BBCノーザンSO

録音:1970年10月30日マンチェスター・タウン・ホール(ライヴ)、1970年10月31日シェフィールド・シティ・ホール(ライヴ)* 1973年#(全てモノラル)
巨匠ホーレンシュタインがスケールゆたかに描く北欧のシンフォニー2題。これらは、ホーレンシュタインによるマーラー第3番や第6番の名録音で知られる、Unicorn社のオーナーでプロデューサー、ジョン・ゴールドスミスによって収録されたもので、ともにIntaglio(廃盤)よりリリースされたことがありますが、久々のカタログ復活となります。ホーレンシュタインにとって、ニールセンは第3番のほか、交響曲では第5番と第6番、クラリネット協奏曲やオペラ「サウルとダヴィデ」などの録音も残しているように、たいへん得意としていた作曲家。いっぽう、ひんぱんに第2交響曲やヴァイオリン協奏曲を取り上げていたシベリウスですが、第5交響曲はホーレンシュタイン唯一無二の録音にあたるものです。なお、ボーナスとして、作曲家で指揮者の友人でもあったシンプソン(1921−1997)が1973年、ホーレンシュタインの死に寄せて述べた弔辞を収録しています。   (Ki)
BBCL-4250
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第7番ニ長調Op.10-3、
 エロイカ変奏曲Op.35
スクリャービン:練習曲嬰ヘ短調Op.8-2
 練習曲嬰ハ短調Op.2-1、5つの前奏曲Op.74、
ラヴェル:水の戯れ、
 道化師の朝の歌、
プーランク
:パストゥレル
エミール・ギレリス(P)

録音:1980年11月20日チェルトナム、タウン・ホール(ステレオ・ライヴ)
BBCアーカイヴ音源よりの正規復刻。BBCLEGENDSでは、1957年&1959年ロンドン・リサイタル(BBCL.4015)以来となる「鋼鉄のピアニズム」ギレリスのアルバム。1980年といえばギレリスが世を去る5年前、晩年はロシア国内に留まっていたため、おそらくは西側における最後の時期の活動を収めたものとしても貴重です。プログラムはほとんどすべてほかに録音があるものですが、やはりギレリスのベートーヴェンは最高。音楽と演奏とがかくも高いレベルで結びついた例は稀というほかありません。おそろしく繊細なニュアンスが絶品のスクリャービン、磨き抜かれた硬質のタッチで描かれるラヴェルの美しさも際立っています。ここには名教師ネイガウス門下でリヒテルと名声を分かち合った偉大な個性の姿が刻まれています。これはピアノ好きにはたまらない内容といえるでしょう。   (Ki)
BBCL-4251
ブラームス:交響曲第1番ハ短調Op.68、
シューマン:ピアノ協奏曲イ短調Op.54
ホルへ・ボレット(P)、
クラウス・テンシュテット(指)LPO

録音:1990年5月6日、1984年10月7日以上ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(ライヴ)  (全てステレオ)
すべてBBCアーカイヴ音源よりの復刻で正規初出。テンシュテットはブラームスの第1番を同じく手兵LPOと1983年にスタジオ・セッションで録音していますが、なんといってもこのたびのポイントは彼らの真骨頂であるライヴという点に尽きるといえます。ちなみにすでにCD化されている当日前半のプログラム、チョン・キョンファ独奏のブルッフ第1協奏曲も壮絶きわまりないものですが、ここでも全身全霊を音楽に傾ける姿勢が、第3番(BBCL.4167)同様に顕著な内容となっています。シューマンの協奏曲は、ウェーバーの「オベロン」序曲に続いて、シューベルトの「グレイト」と同日におこなわれたもの(BBCL.4195)。同曲をシャイーとスタジオ・セッション(1985年)で残すボレットもまたスタジオ録音よりはライヴで真価を発揮する名うてのヴィルトゥオーゾ。シューマンの狂気は、テンシュテットとの顔合わせであるこちらのほうがはるかに色濃いといえるでしょう。いずれも音質良好で、ファンを釘付けにするのは必至と思われます。   (Ki)
BBCL-4252
ブラームス:二重協奏曲イ短調Op.102
ベートーヴェン:三重協奏曲ハ長調Op.56
イェフディ・メニューイン(Vn)
モーリス・ジャンドロン(Vc)
へフツィバ・メニューイン(P)、
イシュトヴァン・ケルテス(指)LSO

録音:1964年6月10日コルストン・ホール(バス音楽祭におけるモノラル・ライヴ)
往年の名手ジャンドロンとメニューインはソリストとしてはもちろん、その妹のヘフツィバを加えてじつに25年もの間トリオとしての活動でも名を馳せました。これはかれらが一同に会し、ブラームスとベートーヴェンとによる多重協奏曲のきわめつけの2作品を取り上げた注目のライヴを収めたものです。この翌年LSOの首席指揮者に就任するケルテスのダイナミックなアプローチも聴きどころとなっており、モノラルながら迫力も十分です。名エンジニア、リチャード・ランドーによる録音。 (Ki)
BBCL-4253
ストラヴィンスキー:バレエ「アゴン」、
3楽章の交響曲、バレエ「ミューズの神を率いるアポロ」、
バレエ「火の鳥」〜フィナーレ
イーゴル・ストラヴィンスキー(指)BBC響

録音:1958年12月10日ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(モノラル・ライヴ)
BBCアーカイヴ音源よりの正規復刻。ストラヴィンスキーの自作自演はこれまでにも数多くの録音で知られていますが、これは1958年に作曲者がBBC響を振ったライヴ。1928年の「アポロ」、1946年の「3楽章の交響曲」、そして1957年の「アゴン」というように、「火の鳥」をのぞいて、すべてみずからの指揮で初演した作品を取り上げています。なかでも、前年に完成をみたばかりの「アゴン」では同時代の生々しい香りを感じ取れます。モノラルながらクリアな音質。   (Ki)
BBCL-4254
チェルカスキー/1970年ロンドン・リサイタル
メンデルスゾーン:ロンド・カプリチオーソホ長調Op.14、
シューベルト
:ピアノ・ソナタ第20番イ長調D.959、
シューマン
:謝肉祭Op.9
チャイコフスキー(ラフマニノフ編):子守歌Op.16-1、
シューマン(タウジヒ編):密輸入者Op.74-10
シューラ・チェルカスキー(P)

録音:1970年11月1日ロンドン、クィーン・エリザベス・ホール(ステレオ・ライヴ)
晩年、20世紀が生んだ最後のヴィルトゥオーゾと騒がれたチェルカスキーによるBBC LEGENDS第7弾。1970年のリサイタル・アルバムでは、1960年のワールド・レコード・クラブ録音をのぞいて、以来決して残さなかったシューベルトのソナタ第20番ほかを取り上げています。なかでも、華麗で技巧的なメンデルスゾーンはもっともチェルカスキー向きのレパートリーといえ、ぬめり感のある独特の音色とともに印象深いものとなっています。リマスタリング担当はポール・ベイリー。   (Ki)
BBCL-4255
廃盤
F=ディースカウ/1965&72年オールドバラ・ライヴ
ブラームス:歌曲集「マゲローネのロマンス」Op.33*
シューベルト:ドナウにてOp.21-1,D553、
 さすらい人D649、友にD654、
 プロメテウスD674、
ヘリオポリスUD754、
 さすらい人が月に寄せてOp.80-1,D870、
 漁師の歌D881
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br)、
スヴャトスラフ・リヒテル(P)*、
ベンジャミン・ブリテン(P)

録音:1965年6月20日オールドバラ、教区教会(ライヴ)*、1972年6月8日オールドバラ、スネイプ、モルティングス(ライヴ)(全てステレオ)
バリトンの巨人フィッシャー=ディースカウがオールドバラ音楽祭で行なったふたつのリサイタルから収録。リヒテルとは、1970年のザルツブルク音楽祭(ORFEOR.490981)でも取り上げているブラームスの「マゲローネのロマンス」。ふたりともキャリアの絶頂期にあった、この1965年のリサイタルは記録では知られる内容でしたが、正規盤でのリリースは喜ばれるところでしょう。フィルアップのブリテンとのシューベルトは過去にブリテン・ザ・パフォーマーとして出ていたもの。このたびトニー・フォークナーによる新リマスタリングで音質の改善が施されています。   (Ki)
BBCL-4256
ボールト/タリス幻想曲&交響曲第6番
ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第6番、
 トーマス・タリスの主題による幻想曲
ハドリー:春のある朝*/バックス:地中海*
ベルク:抒情組曲からの3つの楽章#
サー・エイドリアン・ボールト(指)
ニュー・フィルハーモニアO、
LPO*、BBC響#

録音:1972年7月7日チェルトナム・タウン・ホール(ヴォーン・ウィリアムズ生誕100年記念コンサート・ライヴ)、1969年11月26日バーキング・タウン・ホール(スタジオ・セッション)*、1966年12月12日BBCメイダ・ヴェイル・スタジオ# (以上全てステレオ)
英国の巨匠ボールトは、アナログ期に2度に渡る交響曲全集完成という前人未到の偉業を成し遂げたヴォーン・ウィリアムズのエキスパート。1972年の作曲者生誕100年記念コンサートより、1947年に初演を手がけた交響曲第6番に、有名なタリス幻想曲を収めています。作曲家の親友であったボールトにとっては、ともに幾つもの別演奏を数えるものとはいえ、やはりモニュメンタルなライヴということでは格別価値ある内容といえるでしょう。ほかに、敬愛するディーリアスの影響と抒情美が特徴的で、ヴォーン・ウィリアムズ70歳の誕生日を祝して作曲されたハドリーに、自作ピアノ曲からの編曲作であるバックスの小品も、英国音楽のスペシャリストたるボールトの看板どおりの出来栄えとなっています。さらに、ボーナスのベルクはボールト・ファンには絶対に見逃せないレアな内容。ボールトは1933年にヴォツェックを先駆的に取り上げており、期待の高まるものといえそうです。   (Ki)
BBCL-4257
スーク生誕80年記念
ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲イ短調Op.53
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲*
ヨゼフ・スーク(Vn)、
マルコム・サージェント(指)BBC響

録音:1964年8月27日、1965年9月9日* 以上ロンドン、ロイヤル・アルバート・ホール・ライヴ (共にステレオ)
2009年が生誕80年にあたる名手スークを記念して、若き日のめずらしいプロムス・ライヴがBBC LEGENDSよりリリースされます。スークの記念すべきプロムス・デビューにあたるドヴォルザークに、久々のカタログ復活となるベートーヴェン。ソリストとして、またスーク・トリオのメンバーとして長年、数多く日本のファンを魅了し続けたスークがまだ30代半ば、ともに40年以上も前のライヴですが、清潔感のある美しくあたたかい音色はいまも昔も変わりません。リマスタリング担当はポール・ベイリー。 (Ki)
BBCL-4258
シルヴェストリ/チャイコフスキー&エルガー
レズニチェク:歌劇「ドンナ・ディアナ」序曲*、
チャイコフスキー:交響曲第3番「ポーランド」、
エルガー:エニグマ変奏曲Op.36
コンスタンティン・シルヴェストリ(指)
ボーンマスSO
録音:1962年9月25日ボーンマス・タウン・ホール(ライヴ)*、1967年7月3日以上ボーンマス・ウィンター・ガーデンズ(ライヴ) (全てモノラル)
マニアから熱い支持を集める鬼才シルヴェストリは2009年に歿後40年を迎えます。晩年に音楽監督を務めた手兵ボーンマス響とのライヴ集も今回ですでに4種目。EMIにセッションで行った後期の3曲が代表的な録音とされるように、また、BBC LEGENDSでは1963年のマンフレッド(BBCL.4007)、1966年の第2番(BBCL.4182)が知られるチャイコフスキーは、シルヴェストリが得意とするプログラム。さらに、1968年の交響曲第1番や1966年の序曲「コケイン」(いずれもBBCL.4182)が知られるエルガーもまた、シルヴェストリが好んで取り上げていた作曲家。両作品とも思い入れが強く、ファンにはこたえられない濃厚な味わい。なお、レズニチェクはシルヴェストリの母方の甥にあたる作曲家。代表作「ドンナ・ディアナ」からの序曲は、シルヴェストリとボーンマス響の持ち味が良く出たハイテンションな演奏です。   (Ki)
BBCL-4259
ラフマニノフ:交響詩「死の島」Op.29
ラフマニノフ(レスピーギ編):2つの「音の絵」Op.33
ムソルグスキー(ラヴェル編):組曲「展覧会の絵」
エフゲニー・スヴェトラーノフ(指)BBC響

録音:1999年10月28日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(ステレオ・ライヴ)
ロシアの怪物指揮者としていまなお絶大な人気を誇るスヴェトラーノフ。このたびのBBC響への客演ライヴは演奏も破格なら、「展覧会の絵」に「死の島」といった具合に、とにかく曲目がスゴイ。キエフの大門で聞かせるどっしりした響きなど圧巻で、ファンの期待を裏切りません。さらにまた、管弦楽法の大家レスピーギ編曲で、いっそうあざやかに模様替えした「音の絵」からの2曲もうれしい拾いものといえそうです。音質優秀。 (Ki)

BBCL-4260
ギレリス/1968年ロンドン・リサイタル
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第21番「ワルトシュタイン」
 ヴラニツキーのバレエ「森の乙女」のロシア舞曲の主題による12の変奏曲イ長調WoO.71
 創作主題による32の変奏曲ハ短調WoO.80
ウェーバー:ピアノ・ソナタ第2番変イ長調Op.39
エミール・ギレリス(P)

録音:1968年3月26日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(モノラル・ライヴ)
20世紀の生んだ最高のベートーヴェン弾きのひとり、ギレリスの真骨頂が発揮されたライヴ。曲想にふさわしく勇壮そのものの「ワルトシュタイン」や、キャリアの最初期から好んで取り上げている32の変奏曲など、美しく硬質のタッチに完璧なテクニックと、すべてがまさに理想的。ギレリスが亡くなって早や四半世紀が過ぎようという今日でも、少しも輝きを失うことがないのはこの演奏を聴けば自明といえるでしょう。華麗で技巧的なウェーバーではこのピアニストならではの高貴な佇まいも魅力です。 (Ki)
BBCL-4261
ギレリス/BBC最初期&最後のライヴ
D.スカルラッティ:ソナタニ短調K.141*
 ソナタヘ長調K.518*、ソナタニ短調K.32*
 ソナタヘ短調K.466*、ソナタイ長調K.533*
 ソナタロ短調K.27*、ソナタト長調K.125*
ドビュッシー:ピアノのために*、水に映る影*
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第27番Op.90
スクリャービン:ピアノ・ソナタ第4番Op.30
プロコフィエフ:「つかの間の幻影」〜第1、3、5、10、11、17番
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第3番イ短調Op.28
エミール・ギレリス(P)

録音:1984年10月15日ロンドン、スミス・スクェア、聖ヨハネ教会(ライヴ・ステレオ)*、1984年10月15日ロンドン、スミス・スクェア、聖ヨハネ教会(ライヴ・ステレオ)
ギレリスがBBCのためにおこなった最初期と最後のライヴ録音を収めたアルバム。翌年10月に世を去るギレリスにとって、1984年10月15日の聖ヨハネ教会におけるランチタイム・コンサートは、ロンドンにおける最後の公演となりました。アルバムの前半ではまず、清潔なタッチが印象的なスカルラッティが音質もすぐれていることもあり、大いに歓迎されるものと思われます。また、初めて取り上げた1953年以降、この年までどういうわけか封印されていたドビュッシー「ピアノのために」が聴けるのも貴重。ギレリスは1952年末に英国デビューを果たしていますが、じっさいにBBCに初めて録音するのはようやく1957年4月になってから。機が熟して臨んだレコーディングだったのでしょう。後半のベートーヴェンやロシアものは異様な緊迫感と勢いに加えて、たいへん完成度の高い内容となっています。 (Ki)

BBCL-4262
R.シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」
シューベルト:交響曲第8番「未完成」*
クルト・ザンデルリンク(指)BBCノーザンSO(現:BBCフィル)

録音:1975年9月30日マンチェスター・自由貿易ホール(ステレオ・ライヴ)、1978年4月17日マンチェスター・BBCスタジオ(ステレオ・ライヴ)*
マーラーの第9交響曲(BBCL.4232)のカタログ復活を皮切りに、BBCLEGENDSが意欲的に発掘を推し進めているザンデルリングのBBCノーザン響ライヴ・シリーズ。このたび登場するのは、既出マーラーの第4交響曲ほか(BBCL.4248)と同日の演奏で、おそらくザンデルリングでは現状入手できる唯一のシューベルト「未完成」というなんともとてつもない内容。この一曲だけでも計り知れない価値があるといえますが、カップリングには1975年の録音で、ライプツィヒ放送響との1972年ライヴ盤でも知られる「英雄の生涯」という、これまた楽しみなプログラムが組まれています。いずれも悠然たる構えでじっくり聞かせるスタイルが特徴的で、惜しまれつつ引退した巨匠の芸風にどっぷり浸れる最高の一枚といえるでしょう。ともに音質優秀です。 (Ki)
BBCL-4263
廃盤
ロストロポーヴィチ/チェロ・ソナタ集
ブラームス:チェロ・ソナタ第1番ホ短調Op.38
グリーグ:チェロ・ソナタイ短調Op.36
ショスタコーヴィチ:チェロ・ソナタニ短調Op.40*
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(Vc)
スヴャトスラフ・リヒテル(P)
ベンジャミン・ブリテン(P)*

録音:1964年6月20日オールドバラ、教区教会(ステレオ・ライヴ)、1964年6月14日オールドバラ教区教会(ステレオ・ライヴ)*
ショスタコーヴィチの紹介で1960年代はじめより親交を深め、ブリテンが中心的役割を果たしたオールドバラ音楽祭を通じて、記憶に残る演奏を繰り広げたロストロポーヴィチ、リヒテルそしてブリテン。同音楽祭でロストロポーヴィチがリヒテルとデュオをはじめて組んだのが1960年のこと。このときに演奏されたのがブラームスの第1ソナタでした。そのブラームスとグリーグを演奏した1964年のライヴは、以前から有名な演奏で内容は折り紙つき。このたびはBBCオリジナル・マスターよりの復刻となります。ちなみに、同日にリヒテルはシューベルトのソナタ第6番(BBCL.4146)、第21番(BBCL.4196)のほか、ブリテンとのデュオで変奏曲を弾いています。ブリテンとのショスタコーヴィチのソナタは、生前にロストロポーヴィチたっての要請でBBCLEGENDSでのリリースが実現したもの。ロストロポーヴィチとショスタコーヴィチの関係と同様に、交響曲第14番の英国初演などでも知られるようにブリテンとショスタコーヴィチとの結びつきについてもまたつとに知られるところ。ショスタコーヴィチへの深い共感と理解を共有する両者による演奏だけに、作品の本質に肉迫するものと期待されます。 (Ki)
BBCL-4264
新マスタリング/ケルテスの「ロマンティック」
ヴォーン・ウィリアムズ:トーマス・タリスの主題による幻想曲
ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」(1878/80年ハース版)*
イシュトヴァン・ケルテス(指)LSO

録音:1966年2月15日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(ライヴ・ステレオ)、1964年3月13日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(ライヴ・ステレオ)*
名匠ケルテスが1964年3月13日にLSOを振ったブルックナーの「ロマンティック」のライヴ演奏がようやくカタログに復活します。ケルテスとLSOによる「ロマンティック」といえば、この翌年に行われたセッション録音はストレートで歌謡性に富む美しいブルックナーとして、信頼の厚かったLSO時代最良の成果に挙げられる内容ですが、同じ顔合わせによる前年のライヴもまた、かつてBBCRADIOCLASSICSよりリリースされた際にファンの間で高い評価を得ていました。このたびはオリジナル・マスターからあらたにマスタリングを施して、音質の大幅な改善がはかられています。ケルテスの初レパートリーであるタリス幻想曲は、オケがLSOであることがおおいにプラスに働いているようで、作品に寄せる共感の深さが演奏からひしと伝わってきます。 (Ki)
BBCL-4265
シューベルト:ピアノ・ソナタ第19番ハ短調D.958
バルトーク:15のハンガリー農民歌Sz.71
シマノフスキ:「仮面劇」Op.34〜シェエラザード/道化のタントリス
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第7番「戦争ソナタ」
スヴィヤトスラフ・リヒテル(P)

録音:1970年12月7日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(ライヴ・モノラル)
レーベル黎明期よりBBC LEGENDSの大きな看板となっているリヒテルのライヴ演奏。このたび登場するのは1970年12月7日のロンドンでのリサイタルを収めたもので、同時期に同一演目を好んで集中的に取り上げるリヒテルらしく、9日にブライトンで行われたリサイタルと、アンコールを除いて同じプログラム構成となっています。おなじみのシューベルトをはじめ、異色のバルトークや初レパートリーのシマノフスキも注目されますが、この日の白眉はなんといってもプロコフィエフ。作曲者の親友として第6番や第9番のソナタとプロコフィエフ作品の初演の機会を得たリヒテルですが、3曲ある「戦争ソナタ」随一の傑作との誉れ高い第7番は、作曲者より初演を任された1943年以来四半世紀以上の歴史を刻んだきわめつけのプログラムということもあるのでしょう。アレグロでのメカニカルで力感みなぎるタッチや、鎮魂の鐘をおもわせるアンダンテのリリシズム。そして熾烈きわまるフィナーレは離れ技の嵐が吹き荒れてまさに圧巻。当時いかにリヒテルがセンセーショナルな存在であったかを知る上でこれに勝るものはありません。 (Ki)
BBCL-4266
マーラー:交響曲第1番「巨人」
グリンカ:「ルスランとリュドミラ」序曲*
ジョン・エイミスによるテンシュテットへのインタビュー#
クラウス・テンシュテット(指)LPO

録音:1990年1月28日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(ライヴ・ステレオ)、1981年8月28日アッシャー・ホール(エジンバラ音楽祭ライヴ・ステレオ)*、1990年ロンドン#
テンシュテットが1990年1月28日に手兵ロンドン・フィルとおこなった注目度満点のライヴがリリースされます。ロンドン・フィルとのライヴでは1985年に次いで2種目の「巨人」は、同年の5月末から6月頭にかけて同じ演目を振ったシカゴ響とのライヴ盤や、前年11月のベートーヴェンの第7交響曲(BBCL4167)、12月のベートーヴェンの第1交響曲(BBCL4158)が凄絶な内容をみせていただけに、この間にはさまれた時期の演奏ということで、同様のテンションの高さが期待されるところです。喉頭がんの発病による活動休止から明けてのテンシュテットは、以前にもまして独特の凄みが加わったといわれるように、この「巨人」のフィナーレでも異常な緊迫感と熱気をはらんだ演奏内容となっているのはまず間違いのないところでしょう。カップリングのグリンカはテンシュテット初のレパートリーで、喉頭がんを発病する以前のもの。曲想からこちらも燃焼度の高い爆演が期待できます。なお、ボーナストラックには、テンシュテットがマーラーについて語る貴重なインタビューも収められています。聞き手はイギリスの放送人で、ガーディアン紙やBBCにひんぱんに寄稿を重ねている著名なクラシック音楽批評家ジョン・エイミス。 (Ki)
BBCL-4267
初演者オイストラフによるショスタコーヴィチ
ブリス:ファンファーレ
ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第2番
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲ニ長調*
ダヴィド・オイストラフ(Vn)
ユージン・オーマンディ(指)LSO
マキシム・ショスタコーヴィチ(指)LPO*

録音:1967年11月19日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(ライヴ・ステレオ)、1972年11月26日ロイヤル・アルバート・ホール(ライヴ・ステレオ)*
とんでもない録音が残されていたものです。作品の献呈者にして初演者である、オイストラフによるショスタコーヴィチの第2協奏曲は、モスクワ初演から間もない1967年11月26日におこなわれた演奏で、西側での初演ドキュメントという歴史的意味でもはかり知れません。オイストラフにはそのモスクワでの世界初演ライヴ録音をはじめ、また、すでにBBC LEGENDSには翌1968年8月のスヴェトラーノフとのライヴ録音(BBCL4060)などがあり、いずれも緊張感と手ごたえで圧倒的な存在感をみせつけていますが、このたびのライヴもまた文字通り決定盤にふさわしい内容といえるでしょう。この年に手兵フィラデルフィア管と初来日を果たすオーマンディがLSOに客演というのも興味深く、どのような表情をオケより引き出しているのかも注目されるところです。ちなみに、当夜はLSOトラスト(信託基金)を目的としたガラ・コンサートということで、ブリス作曲のファンファーレで幕を開けています。カップリングのチャイコフスキーは、大家オイストラフではやはりいくつもの別演奏を数えるなかでもっとも時期の新しいもの。テクニックはもとより緩徐楽章でのメランコリックな旋律の歌いまわしなど格別の味わいです。すべて音質良好なステレオ録音。 (Ki)
BBCL-4268
ニコラーエワ最晩年のリサイタル
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第15番「田園」*
シューベルト:ピアノ・ソナタ第21番変ロ長調D.960
 即興曲第3番変ト長調D.899-3
タチアナ・ニコラーエワ(P)

録音:1993年1月18日BBCスタジオ(ライヴ・ステレオ)*、1991年12月9日BBCスタジオ(ライヴ・ステレオ)
ソナタ2曲ともニコラーエワがセッション録音を残していないレパートリーであることに加えて、優秀な録音状態もポイントで、ニコラーエワの持ち味である透徹したピアニズムに酔える最高の内容といえるでしょう。なかでも、静けさと寂寥感を湛えたシューベルト最後のソナタは絶品。彼女の得意としたバッハの宇宙にも一脈通じる深遠なる音楽を聴かせてくれます。 (Ki)
BBCS-5002(3CD)
廃盤
ポートレイト・オブ・ア・レジェンド/ミケランジェリ
[CD 1](BBCL 4043)
グリーグ:ピアノ協奏曲、ドビュッシー:前奏曲集第1巻/フリューベック・デ・ブルゴス(指)ニュー・フィルハーモニアO
録音:1965年6月17日モノラル、1982年4月13日ステレオ ロイヤル・フェスティヴァル・ホール]

[CD 2](BBCL 4064)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第12番、ピアノ・ソナタ第4番、ドビュッシー:映像第1集〜ラモーを讃えて、ラヴェル:夜のガスパール*[録音:1982年4月13日ステレオ、1959年6月30日モノラル*]

[CD 3]モノラル(BBCL 4128)
D・スカルラッティ:ソナタ ハ短調K.11/変ロ長調K.332/変ロ長調K.172、ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第32番、クレメンティ:ピアノ・ソナタ変ロ長調Op.12-1*、ショパン:ピアノ・ソナタ第2番「葬送」*[録音:1961年5月12日、1959年6月30日* 全てモノラル]
アルトゥール・ベネデッティ・ミケランジェリ(P)
ドビュッシー、ラヴェル、ショパンなど極端に限られたレパートリーをとことん磨き上げた孤高のピアニスト、ミケランジェリ。録音には慎重、納得のゆかないステージには立たないという独特のスタイルは、エキセントリックなイメージだけが先行しがちですが、それもこれも理想の演奏を追求した結果。いまなお光を放つ彼の偉大さは直弟子のアルゲリッチだけでなく、音楽性の点でツィンマーマンらにも多大な影響を与えていることがなによりの証といえるでしょう。
BBCS-5003(3CD)
廃盤
ポートレイト・オブ・ア・レジェンド/D・オイストラフ
[CD 1](BBCL 4060)
ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番/ロジェストヴェンスキー(指)フィルハーモニアO、ヴァイオリン協奏曲第2番*/スヴェトラーノフ(指)ソヴィエト国立SO、イザイ:友情Op.26#/I・オイストラフ(2Vn)、サージェント(指)LPO[録音:1962年9月7日モノラル、1968年8月22日ステレオ*、1961年2月26日モノラル#]

[CD 2]モノラル(BBCL 4102)
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲/ノーマン・デル・マー(指)RPO、ブラームス:ヴァイオリン協奏曲*/サージェント(指)LPO*[録音:1960年1月19日、1961年2月26日*]
[CD 3]モノラル(BBCL 4127)
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲/コンドラシン(指)モスクワPO、モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第4番*/ダヴィド・オイストラフ(指)LPO[録音:1965年10月10日、1965年10月12日*]
太く大きく美しい音色で圧倒的な存在感を示したオイストラフ。第1番の初演者で第2番の被献呈者であるショスタコーヴィチ。ロン ドンの聴衆を釘付けにしたロシア音楽祭のベートーヴェンとモーツァルト。絶頂期のライヴをまとめたこのセットは、ヴァイオリン音楽 の魅力を体現したようなかれの演奏を味わいつくせるまたとない内容です。 (Ki)

BBCS-5004(4CD)
廃盤
ポートレイト・オブ・ア・レジェンド/リヒテル
[CD 1]モノラル(BBCL 4031)
ショパン:アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ*、
リスト:ピアノ協奏曲第1番/第2番、
ハンガリー幻想曲/コンドラシン(指)LSO[録音:1961年7月16日*、1961年7月18日ロイヤル・アルバート・ホール]

[CD 2]ステレオ(BBCL 4082)
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第5番、
チャイコフスキー
:「四季」〜5月/6月/11月/1月、
ラフマニノフ
:練習曲集「音の絵」、
スクリャービン
:ピアノ・ソナタ第9番「黒ミサ」、
プロコフィエフ
:ピアノ・ソナタ第4番[以上、録音:1966年6月19日オールドバラ・パリッシュ・チャーチ]

[CD 3]モノラル(BBCL 4126)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第9番、
 ピアノ・ソナタ第10番、
シューベルト
:さすらい人幻想曲、
シューマン
:ウィーンの謝肉祭の道化*、アベッグ変奏曲*、
ショパン
:練習曲Op.10-4*[録音:1963年2月2日、1963年1月27日* ロイヤル・フェスティヴァル・ホール]

[CD 4]ステレオ(BBCL 4146)
シューベルト:楽興の時〜第1番/第3番/第6番、
 ピアノ・ソナタ第6番*、
ショパン
:舟歌#、
リスト
:ピアノ・ソナタ#[録音:1965年6月22日、1964年6月20日*、1966 年6月21日# オールドバラ・パリッシュ・チャーチ]
スヴャトスラフ・リヒテル(P)
2008年にレーベル創設10周年を迎えるBBC LEGENDS。これに向けて、これまでのBBC LEGENDSのベスト・セラーばかりをアーティストごとにまとめたお得なボックスセットが登場します。その名も「ポートレイト・オブ・ア・レジェンド」。第1弾はテンシュテット、リヒテル、ミケランジェリ、オイストラフという豪華な顔ぶれを揃えた全4タイトル。完全限定盤につきお見逃しなく!
BBC LEGENDS スタートから10枚を超えるタイトル数を誇り、たいへん息の長いセールスを続ける「ピアノの巨人」リヒテルのライヴ。まったく同じ顔合わせで行なったスタジオ録音直前にあたるリストの協奏曲ライヴをはじめ、ブリテンとの親交によって実現したオールドバラ音楽祭のライヴなど、すべてが西側に出て目覚しい活躍ぶりをみせていた絶頂期のドキュメントです。 (Ki)


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