湧々堂HOME 新譜速報: 交響曲 管弦楽曲 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 オペラ バロック 廉価盤 シリーズもの マニア向け  
殿堂入り:交響曲 管弦楽 協奏曲 器楽曲 室内楽 声楽曲 オペラ バロック SALE!! レーベル・カタログ チャイ5



CSO RESOUND
(アメリカ)



1891年設立、2007年で116年の歴史を数える名門シカゴ交響楽団の自主レーベル“CSO RESOUND(シーエスオー・リザウンド)”。“シカゴ交響楽団はとどろく”という意味のレーベルの名称は、オケそのもの、つまり輝かしい音色で名高いアンサンブルのめざましくパワフルな響きを表しています。



※「単価=¥0」と表示されるアイテムは廃盤です

※表示価格は、全て税込み。品番結尾に特に表記のないものは、全て1CDです。
品番 内容 演奏者

CSOR-901701(2CD)
マーラー:交響曲第3番ニ短調 ミシェル・デヤング(Ms)、
ベルナルド・ハイティンク(指)CSO、
シカゴ交響楽団女声cho、シカゴ児童cho

録音:2006年10月19、20&21日シカゴ、シンフォニーセンター(ライヴ)
2006年より首席指揮者に就任した巨匠ハイティンクがシーズンのオープニングコンサートで取り上げたマーラー第3交響曲ライヴ。 軍楽、民謡、自作歌曲との相互リンクといった、マーラーの音楽宇宙を構成するさまざま要素が混沌とする長大な第3交響曲。ハイティ ンクは次のように述べています。「マーラーに関していえば、見かけの上ではとても情緒豊かです。でも強いて口にすべきなら、そう、 指揮者というものは、表面の先を読まなくてはいけない。あえてマーラーが分かっていた以上に自分のほうが分かっているとは思いま せんけれど。」なるほどマーラーに対する自信のほどをうかがわせる言葉を裏付けるように、77歳にして巨匠が蓄積してきた経験はあ くまで自然な音楽運びにそのまま表われています。その点については新たな手兵シカゴ響との当ライヴでも別段変わりはありません。 ただし、こうしていま望み得る最高の楽器を手に入れたことで、まぎれもなく表現の幅とスケールが拡がったのも事実で演奏を聴けば 一目瞭然。どこをとっても合奏能力ではほとんど完璧とさえいえるスーパー・ヴィルトゥオーゾ集団にあって、ここで印象に残る面々 を挙げてゆくと、まず第1 楽章で息の長いソロのフレーズを情感たっぷりに歌い上げた首席トロンボーンのジェイ・フリードマン。さ えずるような調べで魅了するフルートは首席マチュー・デュフォー、日本のファンにもおなじみです。そしてクリストファー・マーティ ンのポストホルン・ソロ。どこまでも柔らかくのびやかな音色は郷愁を誘い恍惚とさせられます。 「マエストロ、シカゴにはあなたが必要なのです。あなたにいらしていただくためならどんなことでもします!」3月に行われたコンサー ト終演直後、ハイティンクの楽屋に駆け込んだのは首席ホルンのデイル・クレヴェンジャー(前音楽監督バレンボイムの擁護者として 知られる)でした。シカゴ響によるマーラー演奏では、第8代音楽監督ショルティが全集録音という金字塔を打ち立てましたが、円熟 のシェフ、ハイティンクが手兵からの確固たる信頼を得て臨んだ当ライヴは、ライナー、ショルティに連なる第3の楽団黄金時代の到 来をはっきりと予感させるものです。 (Ki)
CSOR-901704
CSOR-901706(1SACD)
ブルックナー:交響曲第7番(1885年ハース原典版) ベルナルド・ハイティンク(指)CSO

録音:2007年5月10、11、12&15日シカゴ・シンフォニーセンター・オーケストラ・ホール(ライヴ)
ベートーヴェンの「コリオラン」序曲、ルトスワフスキのチェーン2(ヴァイオリン独奏はコンマスのロバート・チェン)のあと、休憩を はさんで後半に置かれたメインのブルックナー第7番。これまでにハイティンクが振った3種の正規録音はすべてRCOとのものでしたが、年とともに演奏時間が拡大する傾向がみられ、最新のCSO とのライヴではついに最長となり、より細部に至るまで目の行き届いた表現となっ ているのが特徴です。 ショルティ、バレンボイム時代を通じて、すっかり世界屈指のブルックナー・オケに成長したCSO。もともと、めいめいが黙っていてもモノスゴイ音を出すオケにあって、いかなる誇張表現をも排して、終始自然な流れを大切にするハイティンク。このうえなくデリケートな弦 のトレモロから、深く静かに浮かび上がる息の長いフレーズで開始される第1 楽章。冒頭の部分を聴いただけでもこの演奏がただものでは ないことを予感させるに十分ですが、曲が進むにつれてその予感は確信へと変わってゆくのがわかります。各声部のバランス処理とブレン ド具合、遅すぎず速すぎずのテンポ設定、全曲のみごとな構成力。どの瞬間も無機的にならないのは78歳、これこそ巨匠の境地というべき でしょうか。 暖かくやわらかで、ホルンより低いバリトンの音域をもたらす四本のワーグナー・チューバ。アダージョではオーケストラ全体から極上の 響きが生み出されるなか、とりわけブラス・セクションの健闘が光ります。さらにフィナーレも、まさに音による大聖堂のような拡がりを 形づくって圧巻というほかありません。 5月12日付のシカゴ・トリビューン紙は「白熱の、説得力ある演奏。ハイティンクとCSO は力強く成長している。」と評し、シカゴ・サン・ タイムズもまた「ハイティンクはリズムにしたがってわたしたちの注意を強く求め、そして釘付けにするのだ。マエストロとCSO はほとんど感覚を超越したむすびつきに達している」とこの模様を絶賛しています。 最強の手兵CSOの圧倒的な合奏能力を武器に、おそらくは巨匠ハイティンクの総決算となるであろうブルックナー第7番。あいにく当アルバムには収められていませんが、伝え聞く終演後の長く大きな喝釆が、何よりも演奏内容の素晴らしさを物語っています。 (Ki)
SOR-901801
ブロッホ:ヘブライ狂詩曲「シェロモ」、
シャラフ
:ケルレンの伝説(2000)、
ルー・ハリソン
:琵琶協奏曲(1997)、
プロコフィエフ
:スキタイ組曲Op.20*
ヨーヨー・マ(Vc)、
ウー・マン[危蛮](中国琵琶)、
シルクロード・アンサンブル、
ミゲル・ハース=ベドヤ(指)、
アラン・ギルバート(指)*、CSO

録音:2007年4月12-17日、5月17-22日*シカゴ、シンフォニーセンター、オーケストラ・ホール(ライヴ)
クラシックの枠を飛び越えてクロスオーバーな活躍を続けるヨーヨー・マが1998年以来、情熱を傾けてきたシルクロード・プロジェクト。自 身の世界各地での演奏経験を踏まえて、数世紀にわたってヨーロッパと東方を結んでいた交易路、シルクロードに沿って音楽の伝統と異文化のつ ながりとを探求し、世界共通語である音楽を通じて相互理解や文化交流を図ろうという壮大なもの。 「シカゴには世界の分岐路にあった長い歴史があります。」と語るヨーヨー・マ。“シルクロード・シカゴ”と名付けられた、ヨーヨー・マ率いる シルクロード・アンサンブルとCSO ならびにシカゴじゅうの何十もの文化機関とのユニークで画期的な催しは、2006年6月から2007年6月まで の1年間さまざまな形で行なわれ、大きな話題を提供しました。そして今年の4月、グランド・フィナーレを迎えたCSO のコンサート“Sounds of the Silk Road”ではプロジェクトにふさわしく、中国伝承のほかエキゾチックな魅力とヴァラエティに富んだプログラムが取り上げられていま す。当夜の演目から編まれたCSO リザウンド最新アルバムは、題して“伝統と変化、シルクロード・シカゴのひびき”。前作までとはうって変わ り意表を突くリリースに、誰しも少なからぬカルチャーショックとスリルとを与えられることでしょう。
現代アメリカのルー・ハリソン(1917 − 2003)による最後の大曲「琵琶協奏曲」。アジアの民俗楽器が西欧の弦楽オケに対峙する構図が、まさ にシルクロード・プロジェクトにピッタリな内容。第1 楽章こそクラシックのコンチェルトの様式を暗示するものの、以下の楽章はなんとも形容 し難いほど独特。第2 楽章は変化に富んだ小組曲、琵琶をバラライカ風に、また打楽器として、さらにマンドリンというふうに異なる形態の独奏 楽器としてフューチャーしています。ハリソン天性のものといえるメロディラインが聴けるフィナーレ「ラメント」は、13、14世紀のフランスと イタリアにおける舞曲スタイル、エスタンピー。まさに琵琶のためのヴィルトゥオーゾ・ショーピースになっています。作品を献呈され世界初演 を果たしたウー・マンは1963年中国浙江省杭州市生まれ。ヨーヨー・マとの数多くの共演をはじめ、タン・ドゥンの「ゴースト・オペラ」、クロ ノス・クァルテットとのコラボでも注目される第一人者です。
「ケルレンの伝説」は、音楽を通して物語をかたるというモンゴルの伝統スタイルの現代版解釈で、ケルレン川にまつわる話。1952 年にモンゴ ル生まれた作曲者ビャンバスレン・シャラフはロシアのエカテリンブルグ音楽院で学び、モンゴル民謡と西欧音楽の伝統とを関連づける作風を確 立しています。ここで特徴的なのが西洋のブラスと打楽器に、モンゴルをもっとも象徴する響きのうちのふたつ、子供の頃に父から手ほどきを受 けた「馬頭琴」とゴビ砂漠に広がる平原一帯で歌い継がれてきた「長い歌(オルティン・ドー)」とを組み合わせていること。特殊な呼吸法から つくられる大きく伸ばすフレージングは、しみじみと美しくどこか心落ち着かせるはたらきがあります。 さらに、ここで馬頭琴を弾くのがもちろんヨーヨー・マ。ドロドロにむせび泣く歌いまわしも濃厚なブロッホの名作「シェロモ」と合わせて、圧 倒的な表現力と存在感はさすがとしかいいようがなく惹きつけて離しません。
シルクロードつながりのカップリングは、N響客演でもおなじみアラン・ギルバートが振ったプロコフィエフの大音響スペクタクル。ストラヴィ ンスキー「春祭」そっくりのバーバリスティックな内容は、8本のホルンを筆頭にCSO が世界に誇るブラスの見せ場だらけ。ド迫力のサウンドに 浸れます。 (Ki)
CSOR-901804
CSOR-901807(1SACD)
マーラー:交響曲第6番「悲劇的」 ベルナルド・ハイティンク(指)CSO

録音:2007年10月18、19、20&23日シカゴ、シンフォニーセンター、オーケストラ・ホール(ライヴ)
シカゴ響のあらたなシェフとなったハイティンクが、首席指揮者就任コンサートでマーラーの第3交響曲を取り上げて圧倒的な成功を収めたのが2006年10月。それからちょうど一年後、ここにまたマーラーとともに巨匠がシカゴ響に帰ってきました。CSOリザウンド最新アルバムは、ほとんど完璧とまで大絶賛された第3番を受けてコンサートのスケジュール段階から早くもリリースが切望されていたマーラーの第6番ライヴ。ハイティンクにとってはRCOと2種(68年ライヴ、69年スタジオ)、ベルリン・フィル(89年)、フランス国立管(2001年ライヴ)につづいて、じつに5種目となるCSOとのマーラーの第6番。歳月を重ねて音楽に深みを増しているともっぱら評判のハイティンクは、同じ第6番で大きな話題を集めるゲルギエフ&LSO(LSO.0661)とは対照的に、ここでは終始遅めのテンポでじっくりと描いてゆきます。ライヴの熱を帯びながらも、いつもとまったく同じように誇張を排し、マーラーのスコアの指示を忠実に守るのがいかにもハイティンク。ちなみにこれまでの録音でも一貫してそうしているように第2楽章スケルツォ、第3楽章アンダンテの順に演奏、フィナーレでのハンマー打撃は2度実行しています。いっぽうのシカゴ響も、第6番についてはドラティによる楽団初演(68年)に始まり、録音ではショルティ(70年)、アバド(79年)以来とあっていよいよ機も熟してのことでしょう。心服を置く巨匠の意図に十全に応えます。なかでも印象に残るソリストの顔触れをあげてゆくと、あたたかく優美な音色を聴かせたチューバのジーン・ポコルニーに、メローに沁みるバス・クラリネットのJ・ローリー・ブルーム。そして、首席打楽器奏者のシンシア・イエ・シュトラウス。彼女はフィナーレでハンマー打撃を必死にこなし、立派に大役を果たしています。じっさい演奏の内容が期待に違わぬものであったことは各紙レビューからもうかがえます。「破格で決然として…(フィナーレのハンマー打撃による)運命の叫びがこんなにも恐ろしく聞こえることはめったにありえない。」(シカゴ・トリビューン)「シカゴ響はいままさに絶頂期にある。(中略)マーラーの巨大で重厚な第6交響曲は、ハイティンクとシカゴ響により明解にかつきめこまやかに演奏された。それは時を止めているかのようにおもわれるものだった。」(シカゴ・サン・タイムズ)ハイティンクの首席指揮者就任から一年を経て、シカゴ響が着実に黄金時代を迎えつつあることを実感させるマーラーの第6番。やはり大きな反響を呼んだRCOとの第4番ライヴや先述の第3番の再現ともいうべき完成度の高さと圧倒的な手ごたえを感じさせるものとなっています。
CSOR-901810
CSOR-901812(1SACD)
プロコフィエフ:交響曲第3番
スクリャービン:法悦の詩Op.54、
ラヴェル
:ボレロ
リッカルド・ムーティ(指)CSO

録音:2007年9月14、15、16、19、20&21日シカゴ・シンフォニーセンター、オーケストラ・ホール(ライヴ)
プロデューサー:ジェイムズ・マリンソン
エンジニア:クリストファー・ウィリス
シカゴ響2007/08年のシーズンは、1975年以来32年ぶりに‘凱旋’(シカゴ・サンタイムズ紙)を果たした巨匠ムーティとともに幕を開けました。当コンビはシカゴでの6公演に引き続いて、ローマ、ミュンヘン、パリ、ロンドンなどヨーロッパの7つの都市を巡る楽団史上33度目のワールド・ツアーを敢行して大成功を収めています。意外にもムーティとシカゴ響との初顔合わせとなるCSOリザウンド最新アルバムでは、今シーズンのオープニングを飾り、またツアーでも取り上げられたプログラムのうち、近年、巨匠が傾倒する強烈な色彩を放つロシアものが選ばれています。タイトルそのままにエロスを前面に出したスクリャービンの傑作と、スキャンダラスな自作オペラ「炎の天使」からの素材をふんだんに扱ったプロコフィエフの交響曲。ともに前衛的で神秘的、ときに凶暴でさえある官能と陶酔が支配するふたつの作品は、ムーティにとってはフィラデルフィア管音楽監督時代(1980−1992)のすぐれた録音(1990年)でも知られるように大のお気に入り。ここで世界有数の剛直なオケをリードする巨匠は、長年オペラで劇的なカンタービレと天性のリズムにより名を馳せただけに、こうした妖艶なる美をしなやかな感性で歌い上げることにかけては天下一品。セクシーなまでに抗い切れない魅力という点では、前回の華麗をきわめた演奏にもまして、CSOの肉感的なサウンドがロシア勢に引けをとらない濃厚な味わいを醸し出しています。なお、両作品でとりわけ光るのがトランペット・ソロ。名技といえばカップリングのボレロがまた強烈。おあつらえ向きに各パートに見せ場が受け継がれてゆく屈指の名曲は、ムーティのライヴでの評判を踏まえればその白熱ぶりといい、フィラ管との旧録(1982年)を大きく凌ぐもの。スーパープレイヤー軍団CSOの驚異的な実力にはもはやあきれるほかありません。シカゴ・トリビューン紙でも、2006年以降空席のままとなっているCSO音楽監督のポストへの最短距離にいるひとりとも目されている巨匠ムーティ。このたびのアルバムはCSOとの確かな結びつきを裏付けるに十分な内容といえるでしょう。   (Ki)
CSOR-901814
(1CD+DVD)
ショスタコーヴィチ:交響曲第4番 ベルナルド・ハイティンク(指)CSO

録音:2008年5月8−11&13日シカゴ、シンフォニーセンター、オーケストラ・ホール(ライヴ)
■DVD…NTSC/Region Free/57’
音声:英、字幕:日西仏独伊露
ハイティンクのCSO へのデビューは1976年3月のこと。このときのプログラムがショスタコーヴィチの第4交響曲、しかもこれが当作品 のCSO にとっての楽団初演でした。それから30 年あまり、首席指揮者となったハイティンクによるCSO RESOUND 最新作は、その再現とも いうべきショスタコーヴィチの第4番。シカゴ・トリビューン紙によると‘連日2,566席のホールを満たし、終演後しばらく大喝采が鳴り 止まなかった’と伝えられる2008年5月の最新ライヴです。 西側初となる交響曲全集録音の完成という偉業を通じて、ショスタコーヴィチのエキスパートとして広く認められることになるハイティン ク。第4番の録音はCSOデビューののち、その全集プロジェクト開始まもなく1979年にロンドン・フィルと行なわれました。いっぽうのCSOも楽団初演の翌年にはプレヴィンの指揮でスタジオ録音(1977年)を果たしています。ともに再録となるこのたびのアルバムは、まさにか れらにとって運命的なもの。ハイティンクにしても、あまりにも過激で凶暴、そして複雑な作品の性格にたいして前回より明らかに格上と おもわれるパワフルな手兵を起用した効果ははかり知れないものがあります。地力の差をみせつけるCSO戦慄のパワー。これでこそこの問 題作が孕む狂気と暴力が浮き彫りになるというもの。ましてや、当曲ゆかりのマエストロをようやく迎えられたCSOにとって、格別に意義 深い内容となっているのはいうまでもありません。 なお、ボーナスとして“スコアを越えて”と題されたショスタコーヴィチのドキュメンタリー映像作品のDVD が付属します。作曲家とその 友人たちの言葉をふくむニュース映画や関係者の証言で構成されるほか、15分ずつ2本のインタビューが含まれ、うち一つはハイティンク のもの(※インタビュー・パートは英語音声のみで日本語字幕はつきません)という充実の中身。タイトルにも謳われているように音楽に とどまることなく、取り巻く政治的、社会的な背景や意味合いも込められて製作されており、ここでハイティンク& CSOがみせた破格の演奏内容と合わせていわくつきの作品の理解に大きく寄与するものとおもわれます。   (Ki)
CSOR-901902
CSOR-901904(1SACD)
マーラー:交響曲第1番「巨人」 ベルナルド・ハイティンク(指)CSO

録音:2008年5月1、2&3日シカゴ、シンフォニーセンター、オーケストラ・ホール(ライヴ)
第6番「悲劇的」より半年あまりを経た2008年5月、前作ショスタコーヴィチ第4番(CSOR.901814)にわずか1週間ほど先立っておこなわれた第1番「巨人」ライヴ。巨匠ハイティンクがマーラーを得意としていることはよく知られていますが、「巨人」については、交響曲全集録音の最初期、1962年にコンセルトへボウ管(RCO)とセッション録音して以来、1972年に同じくRCOとセッション録音で、さらに1977年にもRCOとはライヴ録音(同内容の映像有り)しているほか、1987年にベルリン・フィルともセッション録音、ベルリン・フィルとは1994年にライヴ映像作品も収録しています。いっぽう、作曲者自らの初演より四半世紀ののち、第2代音楽監督フレデリック・ストックの指揮で、1914年11月の定期演奏会における楽団初演に起源を遡るCSOもまた、首席客演指揮者ジュリーニ(1971年)と同じくアバド(1981年)、第8代音楽監督ショルティ(1983年10月)、テンシュテット(1990年ライヴ)、ブーレーズ(1998年)とのあいだに豊富な録音歴を誇ります。円熟の巨匠が導く世界最強のオケという、厚い信頼に結ばれた理想的な関係性。首席指揮者就任より3シーズン目に入り、つい先ごろ11月にもマーラー「復活」の公演で圧倒的な成功を収め、いよいよ2009年2月にはマーラー「悲劇的」を携えての来日公演が待望されるハイティンクとCSOとの相性の良さはいまさら申し上げるまでもないでしょう。「ほかの数多くの指揮者は、われわれにシカゴ響をただヴィルトゥオーゾ・オケというものとして提示してきた。ハイティンクは彼ら全員がどんなに立派な音楽家であるかということをわたしたちに教えてくれるのだ。」(フィナンシャル・タイムズ)「ハイティンクの解釈は、あたたかく開放的でみごとなものだった。」(シカゴ・トリビューン)「ハイティンクとシカゴ響は、確信と活力とゆとりをみせつけ、(中略)満員の聴衆を5分間にもおよぶスタンディング・オべーションさせるに十分だった。」(シカゴ・サン・タイムズ)ハイティンクにとって、またCSOにとっても6種目となるマーラー「巨人」。完璧とまで騒がれた第3番、とてつもなく長大なスケールで描かれ深い味わいを残した第6番と、前2作の出来栄えを踏まえると当然の流れといえそうですが、各誌レビューが伝える当夜の模様からも、演奏内容はおおいに期待の持てるものといえそうです。  (Ki)
CSOR-901906
CSOR-901908(1SACD)
プーランク:グローリア、
ラヴェル
:バレエ音楽「ダフニスとクロエ」(全曲)
ベルナルド・ハイティンク(指)CSO、
シカゴ響cho、ジェシカ・リヴェラ(S)

録音:2007年11月8、9&10日シカゴ、シンフォニーセンター、オーケストラ・ホール(ライヴ)
シリーズ初のフランスもの。「ダフニスとクロエ」は古代ギリシアの恋愛物語を念頭に、ラヴェルがディアギレフ率いるロシア・バレエ団のために作曲したバレエ音楽。1912年に全曲の初演が行なわれ、1923年にはシカゴ響も第2代音楽監督ストックのもと、第2組曲を定期公演で初めて取り上げています。さらに、当オケは1928年1月20日と21日に、この第2組曲を当時アメリカ楽旅中であったラヴェル自らの指揮で演奏しています。これよりシカゴ響にとって「ダフニスとクロエ」は格別ゆかりあるプログラムとなったのでしょう。録音ではやはりその第2組曲に集中している感があり、フランス音楽のレパートリー拡大に努めた第7代監督マルティノンが1964年に、続いて第9代監督バレンボイムが1991年にセッション録音しているほか、1958年にはジュリーニが、また第二の楽団黄金期を築いた第8代監督ショルティもセッション録音こそ残さなかったものの1987年に、いずれもライヴを楽団の自主制作盤という形で残しています。いっぽうのハイティンクもまたRCO時代の初期よりラヴェルを好んで取り上げており、主要な管弦楽作品をRCO、のちにボストン響とセッションで録音していることからも、エキスパートを自認していることがうかがい知れます。なかでも当作品への入れ込みようは相当なもので、RCOとは、まず1961年に第1、第2組曲をセッション録音、さらに1971年に第2組曲をセッションで再録音、1989年には全曲をボストン響とセッション録音しています。実演でも2005年にバレンボイムが第2組曲を取り上げて以来となる、シカゴ響による「ダフニスとクロエ」。以上のような背景からも、経験ゆたかなハイティンクと、等しく代々演奏の系譜を連ねてきたシカゴ響との顔合わせによる最新録音は、おおいに期待を抱かせる内容といえるのではないでしょうか。カップリングは、全3回の公演を通じて当日前半のプログラムとして演奏されたプーランクの「グローリア」。ヴィヴァルディによる同名の宗教曲を手本にしながらも、洒脱なセンスにあふれたプーランクの個性がよく出たこのナンバーは、いきなり重厚な弦楽セクションに乗せてブラスが絢爛豪華に鳴り渡る開始早々、まさしくシカゴ響向きといえる内容。また同時に、ここでは総勢150人にも及ぶシカゴ・シンフォニー・コーラスの活躍ぶりも大きな聴きどころとなっています。加えて、当公演(アルバム)でCSOデビューを果たしたリヴェラ。アダムズやゴリホフのオペラで注目されるアメリカの成長株が、中空を舞うように魅力的な歌唱で華を添えます。「音楽の献身的な愛が歓喜にあふれ、彼ら合唱の歌唱から放射していました。冒頭の『グローリア・イン・エクセルシス・デオ(天のいと高きところには神に栄光)』では壮大に、その後はきびきびと、ハイティンクは白熱のパフォーマンスをリードしました。」(シカゴ・トリビューン)「ハイティンクはまったくもって、ずばぬけた演奏手腕の持ち主だ。(合唱指揮のデュアイン)ウルフによるコーラスは完璧なバランスだった。」(シカゴ・サン・タイムズ)当コンビといえば、2009年2月、アジア・ツアーの一環として行なった来日公演の大成功がまだ記憶に新しいところですが、ここまでの流れを見る限り、今後の動向も目が離せないものといえそうです。  (Ki)
CSOR-901914
CSOR-901916(1SACD)
マーラー:交響曲第2番「復活」 ミア・パーション(S)
クリスティアーネ・ストーティン(Ms)
シカゴ交響cho
ベルナルド・ハイティンク(指)CSO

録音:2008年11月20、21、22&25日シカゴ、シンフォニーセンター、オーケストラ・ホール(ライヴ)
当コンビによるシリーズはこれまでに3作を数え、2006年10月のハイティンク首席指揮者就任記念コンサートにおける第3番、ちょうど一年後2007年10月の第6番「悲劇的」、そして本作より半年前2008年5月の第1番「巨人」と、順調なペースで進んできていることから全集完成への呼び声も高く、CSORESOUNDの目玉となりつつあります。ハイティンクはマーラーの「復活」を、1968年にRCOと交響曲全集企画としてセッション録音、1984年にはRCOとライヴ録音しており、さらに1993年1月にベルリン・フィルとセッション録音、また、ベルリン・フィルとはほぼ同時期に映像作品もライヴ収録しています。いっぽうのCSOは「復活」を1976年2月にアバドとセッション録音、1980年5月にはショルティの指揮で全集シリーズとしてセッション録音しています。21世紀に入り、ハイティンクにとって15年ぶり、CSOにとってはじつに28年ぶりとなる「復活」は、これまでの流れからもともに盤石の備えで臨んだレコーディングといえますが、ここであらたに華を添えているのが魅力的なソリストたち。古楽でおなじみの清澄な感性をそのままに持ち込んだソプラノ、パーションとともに起用されたのは、ハイティンクのお気に入りでオランダ出身の新進メッツォ、ストーティン。このアルバムに先立って、「復活」の第4楽章に転用された「原光」を含むマーラーの歌曲集を発表しているストーティンは、マーラーにすぐれた適性を示していただけに、同様にここでの歌唱も聴き逃せないところです。「かつてないほどスコアに忠実でありながら、ハイティンクによる個々のテンポ設定、リズム、音量、凝集と色彩の選択はほとんど衝撃的とおもわせるものでした。」(シカゴ・サン・タイムズ)と伝えられるように、このたびの模様もまたおおいに期待をつなぐ内容といえるでしょう。 (Ki)
CSOR-901918
CSOR-901920(1SACD)
ストラヴィンスキー:バレエ「プルチネルラ」(全曲)
3楽章の交響曲(1942-45)
オーケストラの為の4つのエテュード(1914-1928)
ロクサーナ・コンスタンティネスク(Ms)
ニコラス・ファン(T)
カイル・ケテルセン(Bs-Br)
ピエール・ブーレーズ(指)CSO

録音:2009年2月26、27、28日&3月3、5、6、7日シカゴ、シンフォニーセンター、オーケストラ・ホール(ライヴ)
1995年以来、シカゴ交響楽団(CSO)首席客演指揮者のポストにあり、2009年10月よりあらたにヘレン・レーゲンスタイン名誉指揮者の称号を得た、楽壇の最重鎮ピエール・ブーレーズ。来る2010年3月に85歳の誕生日を迎えるのを記念してリリースの運びとなったCSO・RESOUND最新アルバムは、ブーレーズがもっとも得意とする作曲家ストラヴィンスキーの作品集。
◆【ブーレーズのストラヴィンスキー】
ストラヴィンスキーは、1950年代末より本格的に指揮活動を開始したブーレーズが意欲的に取り上げてきた作曲家のひとり。1960年代より1970年代にかけて、管弦楽曲から歌曲にいたる作品の数多くを録音したのちも、CSOをはじめ世界有数のオケとともに実演と並行して繰り返しレコーディングを行なっています。じっさい、ここに収録された3つの作品もすべてライヴによる再録音となります。2010年に生誕300年を迎えるペルゴレージの音楽素材からストラヴィンスキーがまったく独自の手法で組み上げた、新古典主義時代の代表作「プルチネルラ」。ブーレーズは1975年に組曲をニューヨーク・フィルとセッション録音、1980年には全曲版をアンサンブル・アンテルコンタンポランとセッション録音しています。「3楽章の交響曲」をブーレーズは1996年にベルリン・フィルとレコーディング。なお、CSOは「3楽章の交響曲」を1993年にショルティと録音しています。ブーレーズにとって本アルバム収録作品中最多の録音回数となる「4つのエテュード」は、まず1963年にフランス国立管と録音、1981年に同じくフランス国立管と再録音、1992年にはCSOと録音しています。
◆【さらに冴え渡るブーレーズの精緻なアプローチ】
もとより明晰きわまりないアプローチで、精緻な内容を聴かせることで知られるブーレーズは、上述の「エテュード」と併せてバレエ「火の鳥」と「花火」のレコーディングでも、CSOよりカラフルでパワフルな響きを引き出すことに成功していました。前回より17年ぶり、いっそうの結びつきを強めているCSOとの再顔合わせとなる「エテュード」はもちろん、膨大な情報量に加え、とりわけ過激なリズムと広大なダイナミクスで、もっともCSO向きの作品ともいえる「3楽章の交響曲」、魅力的な若手ソリストの起用も話題の「プルチネルラ」でも、これまで同様に最上級の成果が期待されるところです。「フランスのマエストロによる非の打ちどころのないみごとな指揮ぶりとCSOにおよぼす途方もない影響力によりいつも、わたしたちはずっとさらに多くを渇望するままでいるのだ。」(シカゴ・サン・タイムズ紙)
「ブーレーズがサクッと、そしてエレガントに作品の姿を提示したことによって、ストラヴィンスキー初期のリズムと構造への洞察がいかに深く、また、いかに注目すべき点を作品が留めていたままかを、わたしたちにちょうど思い起こさせます。」(アンドルー・パトナー−サン・タイムズ・ドットコム)
◆【元フィリップス・スタッフによる超優秀録音】
このたびの録音プロデューサーは、元フィリップスの録音スタッフが創設したオランダ・ポリヒムニア社の総帥エヴァレット・ポーター。これまでに手がけた高品位のレコーディングでオーディオ・ファイルからの信頼も厚いスタッフの起用は、まさにブーレーズの方向性に沿うものといえるでしょう。 (Ki)
CSOR-9011002
CSOR-9011004(1SACD)
R・シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」
ウェーベルン:夏風のなかで
ベルナルド・ハイティンク(指)CSO

録音:2008年12月4、5&6日シカゴ・シンフォニーセンター・オーケストラ・ホール(ライヴ)、2009年4月23、24、25&28日シカゴ・シンフォニーセンター・オーケストラ・ホール(ライヴ)
巨匠ハイティンクが最強の手兵CSOを率いて、楽団の看板レパートリーであるシュトラウスの「英雄の生涯」をレコーディンク。カップリングは CSO楽団初演にして初録音となるヴェーベルンの「夏風のなかで」という対照的なプログラムです。 【CSOによる「英雄の生浬」アメリカ合衆国初演】 1891年に創設されたCSOは、シュトラウスが自作自演をおこなったことでも知られ、1899年3月3日の作曲者白身によるフランクフルト世界初演 の翌年、1900年3月9日と10日にオーディトリアム・シアターで、初代音楽監督セオドア・トーマス指揮のもと「英雄の生涯」のアメリカ初演をおこなっ ています。
【CSOによる「英雄の生浬」のレコーディング】 シュトラウス作品の録音に間しては、第4代音楽監督ロジンスキーが積極的な役割を果たしたともいわれていますが、なんといってもやはりCSOの今 日に至るシュトラウス演奏の礎を築いたのは、ステレオ期に数多くのシュトラウス作品を録音して絶大な人気を博し、楽団に第1期黄金時代を到来さ せた第6代音楽監督ライナーといえるでしょう。 CSOぱ英雄の生涯」を、1954年にライナー指揮でセッション録音、1990年に第9代音楽監督バレンボイム指揮でセッション録音しています。ちなみに、 第2次黄全期の第8代音楽監督ショルティは「英雄の生涯」こそウィーン・フィルとの録音でしたが、1973年に「ドン・ファン」を、1975年に「ツァラ」 と「ティル」をそれぞれCSOとセッションで録音しています。
【38年ぶりの再録音となるハイティンクの「英雄の生浬」】 ハイティンクは、「英雄の生涯」を献呈された名門ロイヤル・コンセルトヘボウ管(RCO)の首席指揮者在任中に、1970年の「英雄の生涯」を皮切りに、 シュトラウスの主要な管弦楽作品をセッションでレコーディングしています。 ハイティンクのシュトラウスに対する取り組みといえば先頃も、本録音より半年前の2008年6月ライヴで、LSOとの「アルプス交響曲」における充 実の内容が記憶にあたらしいところです。この「アルプス交響曲」より1週間後、ハイティンクはLSOとの顔合わせでも「英雄の生涯」を、2008年 6月15日と17日にバーピカンで指揮していましたし、よほど自信のあるプログラムということなのでしょう。2008年12月に行なわれたシカゴでの 本公演を経て、ハイティンクはCSOと2009年2月の来日公演でも「英雄の生涯」を取り上げていました。 ついでながら、CSOも本ライヴに先がけてマンフレート・ホーネックの指揮で2008年3月13日、14日、15日に「英雄の生涯」を演奏しています。 このように38年ぶりにライヴで再録音となるハイティンクはもちろんのこと、前作より18年を経過しているCSOにしても、あらたな「英雄の生涯」 のレコーディングに臨む環境は十分に整えられていたといえるのではないでしょうか。 【ハイティンクが引き出すCSOのあらたな魅力】 「ハイティンクは静かに演奏するところで、このオーケストラがまさにどれだけ美しく演奏するかをわかっていますし、ほかのだれでもない流儀で静かに 演奏させます。(中略)ブラスと木管は、きっと作曲家をニンマリとさせたであろうふうに結びつけられます。」(シカゴ・サンタイムズ紙アンドルー・パトナー) 「英雄の生涯」公演初日の模様が「ハイティンクはシカゴ響の輝きと美とを引き出す」(シカゴ・サンタイムズ紙アンドルー・パトナー)と高く評されたよ うに、ここでハイティンクはCSOのパワフルな持ち昧を活かしつつも、かつてCSOが操り広げてきた名演奏のいずれとも異なるなにかを聴かせてく れるとおもうとおおいに期待が膨らみます。
【CSO楽団初演&初録音のヴェーベルン「夏風のなかで」】 か2ノブリングは、シェーンベルクに師事する以前の1904年に、ヴェーベルンが作曲した大管弦楽のための牧歌「夏風のなかで」。ヴェーベルン初期の 平易な作風からレパートリーに取り入れるオーケストラが多いなか、また、CSOは新ウィーン楽派の実演ならびに録音を幾度も経験してきたにもかか わらずl意外にもこのたびが初のレパートリーとなります。 いっぽうで、「夏風のなかで」はハイティンクが実演で好んで取り上げてきた作品として知られ、録音が行なわれた2009年4月同様、マーラーの「復 活」にも起用されていたメッツォ、ストーティンがリュッケルト歌曲集を歌った2005年9月のRCOの公演でも、偶然にもハイティンクは本作をプロ グラムに組んでいました。 この作品はヴェーベルンが初期にワーグナーに傾倒していたことを証明すると同時に、シェーンベルクの「浄夜」をごく直近に初めて聴き、当時20歳 の作曲家がどれだけ激しくその新しい音楽に惹きつけられたのかを示唆しているといわれます。ハイティンクで定評あるマーラーのアダージョ楽章にも 通じる濃厚なロマンティシズムが滴る美曲は、本来CSOがもっとも得意とする部分でもあることから、こちらの出来ぱえにも相乗効果が期待される ところです。  (Ki)
CSOR-9011006(2CD)
CSOR-9011008(2SACD)
ヴェルディ:レクィエム バルバラ・フリットリ(S)
オリガ・ボロディナ(Ms)
マリオ・ゼッフィリ(T)
イリダール・アブドラザーコフ(Bs)
シカゴ交響cho
リッカルド・ムーティ(指)CSO

録音:2009年1月15、16&17日シカゴ、シンフォニーセンター、オーケストラ・ホール(ライヴ)
ムーティといえば言わずと知れた“ヴェルディのエキスパート”。「レクィエム」も過去に2度、まず、フィルハーモニア管と、首席指揮者・音楽監督在任中(1973−1982)の1979年にセッション録音、さらに、音楽監督(1986−2005)を務めたミラノ・スカラ座管とライヴ録音しており、ムーティにとっていずれもキャリアの節目に必ず取り上げているのが注目されるところです。その意味でも、このたびムーティがCSORESOUNDデビューの記念すべき一枚に「レクィエム」を選んだのは決して偶然ではなく、世界最強の楽団とのあらたな歴史を築き上げてゆく意気込みを強く感じさせるもので、期待を抱かせるに十分な内容といえるでしょう。いっぽうで、ムーティがCSOとの「レクィエム」に込めた特別な思いは、起用された歌手の顔触れにもそのまま顕れています。ソプラノのバルバラ・フリットリは1967年ミラノ生まれ。ムーティのファンには有名な2001年スカラ座の「オテロ」でのデズデモナの記憶が鮮明です。オリガ・ボロディナは、1963年7月29日サンクト・ペテルブルク生まれのメッツォ。「ドン・カルロ」のエボーリ公女、「アイーダ」のアムネリスを持ち役とするボロディナにとって、ヴェルディの「レクィエム」は2000年収録のゲルギエフ盤以来。近年はムーティとの共演機会の多いことでも知られています。マリオ・ゼッフィリは1967年ギリシャのアテネ生まれのテノール。これまでにスカラ座をはじめ、ローマ、トリノ、ボローニャ、ナポリ、フィレンツェ、ヴェローナ、そしてパリ、バルセロナ、ベルリン、チューリヒ、ドレスデンの舞台に定期的に出演。2008年のラベンナ音楽祭では、ムーティの指揮でベルリオーズの「レリオ」や、ボロディナ、アブドラザーコフとともに、ヴェルディの聖歌四篇のほか、スターバト・マーテル、テ・デウムを歌っています。バスのイリダール・アブドラザーコフは、1976年ロシア連邦バシキール自治共和国のウファの生まれ。1996年に第17回グリンカ記念コンクールで第1位。1998年に第3回リムスキー=コルサコフ記念国際コンクール優勝、1999年にエレーナ・オブラスツォワ記念国際コンクール優勝、2000年に第5回マリア・カラス(ヴェルディの声)コンクール優勝。1998年に「フィガロの結婚」のタイトル・ロールでマリインスキー劇場にデビュー。以来、ゲルギエフの指揮で数多くのオペラに出演。2001年のスカラ座デビュー以来、2003/04年のシーズンにムーティ指揮ロッシーニの「モーゼとファラオ」のモーゼで一躍国際的な名声を獲得したのをはじめ、アブドラザーコフはムーティと数多くのオペラで共演を重ねています。現在、METを拠点に活動するアブドラザーコフですが、2008/09年にムーティ指揮で新演出の「アッティラ」でもタイトル・ロールを務めました。ヴェルディの「レクィエム」を得意とするアブドラザーコフは、ムーティのほかに、すでにゲルギエフ、シャイー、チョン・ミョン=フンらの指揮でも歌い評判を取っています。なお、いまロシア一番のバス歌手として“シャリアピンの再来”とまで騒がれているアブドラザーコフはプライヴェートではボロディナの夫君でもあります。 (Ki)


CSOR-9011101

CSOR-9011103
(1SACD)
CSO BRASS
(1)ウォルトン:戴冠式行進曲「王冠」(ヨセフ・クラインス編)
(2)G.ガブリエリ:サクラ・シンフォニア第6番(エリック・チース編)
(3)G.ガブリエリ:第12旋法による10声のカンツォーナ(エリック・チース編)
(4)G.ガブリエリ:第7旋法による8声のカンツォーナ(第2番)(R.P.ブロック編)
(5)バッハ:パッサカリアとフーガハ短調BWV582(エリック・チース編)
(6)グレインジャー:リンカンシャーの花束(ティモシー・ヒギンズ編)
(7)レブエルタス:センセマヤ(ブルース・ロバーツ編)
(8)プロコフィエフ:『ロメオとジュリエット』〜「モンタギュー家とキャピュレット家」「踊り」「ティボルトの死」(ヨセフ・クラインス編)
(1)ジェイ・フリードマン(指)
(2)Gーク・ライデノー(指)
(3)クリストファー・マーティン、ジョン・ハグストロム(Tpソロ)
(5)(6)マーク・ライデノー(指)
(7)マイケル・マルケイ(指)
(8)デール・クレヴェンジャー(指)

【ホルン】
デール・クレヴェンジャー(首席)、ダニエル・ギングリッチ、ジェームス・スメルサー、デイヴィッド・グリフィン、オットー・カリッロ、スザンナ・ドレイク
【トランペット】
クリストファー・マーティン(首席)、マーク・ライデノー、ジョン・ハグストロム、テージ・ラーセン、デイヴィッド・ゴーガー、デイヴィッド・インモン、チャニング・フィルブリック
【トロンボーン】
ジェイ・フリードマン(首席)、
マイケル・マルケイ(テノール・チューバ兼任)、チャールズ・ヴァーノン、マイケル・ベッカー、ペーター・エルフソン
【バス・トロンボーン】
ランダル・ホーウェ
【チューバ】
ジーン・ポコーニ(首席)、アンソニー・ニッフェン
【ティンパニ】
ヴァディム・カルピノス
【打楽器】
シンシア・イェ、パトリシア・ダッシュ、エリック・ミルシテイン
【クラリネット】
ジョン・ブルース・イェー
【コントラバス】
ロジャー・クライン

録音:2010年12月16,17,18日(ライヴ/シンフォニー・センター・オーケストラ・ホール)
これは!泣く子も黙るシカゴ響による、大注目のブラスCDの登場です。1966年からシカゴ響で首席ホルン奏者を務めているデール・クレヴェンジャー、1965年からマルティノンの指名により首席トロンボーン奏者を務めているジェイ・フリードマン、ショルティの指名で1989年からシカゴ響に在籍しているマイケル・マルケイなど、名門シカゴ響の中でもブラス・セクションは最高峰。熱いファンをもっています。冒頭のウォルトンの華々しいファンファーレに続いて、2005年からハーセス・チェアの座についている若手のクリストファー・マーティンのガブリエリ作品での輝かしい音色!各パートが大変巧いからこそ引き立つ、各声部が対等の重みをもつバッハ作品。センセマヤでは各プレイヤーの遊び心が光ります。グレインジャーもプロコフィエフも、堂々の出来栄えはさすがです。シカゴ響サウンドを支えるブラス・セクションの実力、妙技を贅沢に味わえる1枚です。もちろん録音も優秀、ガブリエリもオーディオ効果満点です。


CSOR-9011301
(2CD)
CSOR-9011303
(2SACD)
ヴェルディ:歌劇「オテロ」 アレクサンドルス・アントネンコ(T オテッロ)
カルロ・グェルフィ(Br イアーゴ)
クラッシミラ・ストヤノヴァ(S デズデーモナ)
フアン・フランシスコ・ガテル(T カッシオ)
バルバラ・ディ・カストリ(Ms エミーリア)
マイケル・スパイアズ(T ロデリーゴ)
エリック・オウェンズ(Bs-Br ロドヴィーコ)
モンターノ(Bs パオロ・バッターリア)
デイヴィッド・ガヴァーツン(Bs 伝令)
リッカルド・ムーティ(指)CSO
シカゴ交響楽Cho(合唱指揮:デュエイン・ウルフ)

録音:2011年4月、シカゴ
ムーティは2011年4月7、9、12日とシカゴ交響楽団の定期演奏会で「オテッ ロ」を演奏会形式で上演、さらに一同を率いて15日にはニューヨークのカーネギー・ホールでも演奏。相当力を入れていたことが分かります。ムーティ はスカラ座でもザルツブルク音楽祭でも素晴らしい「オテッロ」を残していますが、これはシカゴ交響楽団という世界屈指のシンフォニー・オーケストラを 起用していることで、細部まで彼の意図が浸透した出来栄えになっています。 オテッロには、2008年8月、ザルツブルク音楽祭でムーティが大抜擢したラトヴィア出身の若いテノール、アレクサンドルス・アントネンコ。3年で大き く成長した歌が聞けます。イアーゴは、悪役バリトンを歌わせたら今これ以上の人はいないほどの個性派名バリトン、カルロ・グェルフィ。近年珍しいくら い憎々しくいやらしいイヤーゴです。クラッシミラ・ストヤノヴァはデズデーモナが当り役で、2006年3月、東京のオペラの森公演でデズデーモナを歌っ たのをご記憶の方も多いことでしょう。楚々とした声に加えドラマティックな表現力にも長けた、デズデーモナに打ってつけのソプラノ。カッシオには、若 いロッシーニ・テノールとして注目を浴びているフアン・フランシスコ・ガテル。またロデリーゴにも、ロッシーニ・テノールとして活躍しているマイケル・ スパイアズ。若く優秀な歌手を重用するムーティらしいやり方です。 通常CDとSACD hybridの2種の発売です。ご注文の際は番号にご注意ください。 (Ki)

CSOR-9011402
プロコフィエフ:バレエ「ロメオとジュリエット」組曲第1番op. 64bis、
 組曲第2番op. 64terより(10曲)
モンタギュー家とキャピュレット家/少女ジュリエット/マドリガル/メヌエット/仮面/ロメオとジュリエット/タイボルトの死/僧ローレンス/別れの前のロメオとジュリエット/ジュリエットの墓の前のロメオ
リッカルド・ムーティ(指)CSO

録音:2013年10月3、5、8 & 11日/シカゴ、シンフォニーセンター、オーケストラ・ホール(ライヴ)
米グラミー賞をはじめ、各方面から絶賛されたヴェルディの「レクィエム」以来、4年ぶりにムーティがCSO RESOUNDに帰ってきました。最新アルバムで 取り上げたのはプロコフィエフの「ロメオとジュリエット」。2013年10月にシカゴ響を指揮した定期公演の模様をライヴ収録したものです。  ヴェルディは別格として、ムーティのレパートリーには幅広いものがありますが、ロシアものではチャイコフスキー、スクリャービンとならんで、プロコフィエフ は好んで取り上げてきた作曲家のひとり。  1977年に、首席指揮者時代のムーティがフィルハーモニア管を指揮してセッション録音した「イワン雷帝」は当時より強烈に刻み込まれているほか、1980 年より音楽監督に就任したフィラデルフィア管とは、1990年に交響曲第5番、ヴォルガとドンの出会い、交響曲第1番をセッション録音、1991年に交響曲第 3番をセッション録音してもいました。  「ロメオとジュリエット」も、ムーティは1981年にフィラデルフィア管を指揮して第1組曲と、第2組曲からの5曲を合わせて12曲をセッション録音していたので、 シカゴ響とのアルバムは32年ぶりの再録音ということになります。  このたびのシカゴ響新盤は、フィラデルフィア管旧盤とのトラックタイムの比較では、曲によって最大で12%、平均でも5%ほど演奏時間が拡大する傾向が認 められます。
ムーティの深い呼吸の音楽運びと、余裕のポテンシャルで応えるシカゴ響のあきれるばかりのうまさもあらためて印象的な「ロメオとジュリエット」。 じっさいに、音源を聞いたところ、格段にスケールとパワーがアップしており、印象の違いには数字以上のものがあります。  「タイボルトの死」での、ずしりと迫力ある音調はやはりシカゴ響ならでは。変拍子の複雑なリズム処理もあざやかで、弦楽パートのメカニカルな運動性も驚異的。  繊細にして、ときにむせかえるような美観に息を呑む「ロメオとジュリエット」。そして、悲痛なまでの感情の高鳴りを描き尽した「ジュリエットの墓の前のロメオ」 など、全篇、色彩感は極上、表現の幅はとてつもなく、プロコフィエフの天才をみごとに解き明かすと同時に、現代オーケストラ・サウンドの極限を見る思いで、 圧巻と云うほかありません。  近年は、お気に入りのプログラムのみを取り上げて、納得のゆく出来ばえのもの以外は一切リリースを許可しないというムーティだけに、その意味でも間違い なくこれは当たりといって差し支えないでしょう。 (Ki)

CSOR-9011501(2CD)
ベルリオーズ:幻想交響曲
レリオ(または「生への回帰」)op. 14b
ジェラール・ドパルデュー(語り)
マリオ・ゼッフィリ(T)
カイル・ケテルセン(Bs-Br)
シカゴ・シンフォニー・コーラス
デュアイン・ウルフ(合唱指揮)
リッカルド・ムーティ(指)CSO

録音:2010年9月23、24、25 & 28日シカゴ・オーケストラ・ホール(ライヴ)
ベルリオーズの「幻想交響曲」は、「ある芸術家の生活のエピソード」という標題のもとに書かれた二部作の第一部にあたり、「レリオ」はそれに続く完 結篇として1831年に完成しています。  このアルバムは、リッカルド・ムーティが2010年9月のシカゴ響音楽監督就任記念コンサートで、1832年の「レリオ」初演時と同じく「第一部、 第二部として通しで演奏するように」というオリジナル・コンセプト通りに演奏したライヴ録音からのCD化です。  大女優ハリエット・スミスソンへの熱狂的な恋愛感情と失恋の痛手が作曲の動機付けとなった「幻想交響曲」と同様に、ベルリオーズ自身の個人的体 験が「レリオ」の成立に直接的な影響を及ぼしています。それは、ローマ大賞の作曲コンクール優勝と「幻想交響曲」初演の成功という絶頂から一転、フィ アンセで新進ピアニスト、カミーユ・モークに婚約破棄を通告されて逆上し、その殺害を図ったというあまりに劇的で驚くべきもの。  抒情的独白劇「レリオ」を構成する6曲は、第1曲が1828年頃の歌曲、第2曲が1829年のローマ大賞コンクール用カンタータ「クレオパトラの死」 第2曲「瞑想」、第3曲が1829年頃の歌曲の改作、第4曲と第5曲ともに1827年のローマ大賞コンクール用カンタータ「オルフェウスの死」の改訂、 そして第6曲は「レリオ」初演以前の1830年作曲、オペラ座初演という具合に、それぞれ別個に作曲されたもので、ベルリオーズ自身を模した作曲家 レリオのモノローグを介してつなぎ合わされています。  第1曲やコーダをはじめ、「レリオ」においては重要なポイントで「幻想交響曲」の固定楽想(イデ・フィクス)が現れて全体の統一感をもたらしていますが、 同時に全曲を通じて中心となる「語り」の役割がきわめて重要なため、歌手ではなく、すぐれた第一級の演劇俳優が演じるよう指定されています。  ベルリオーズの指定はさらに続き、本番で舞台上には語り手のみが立ち、開始から第5曲まではオーケストラ、独唱者、合唱団は舞台に下ろされたま まのカーテンの背後で演奏、第6曲の演奏時にのみカーテンが上げられます。これは第6曲以外の全てをレリオの空想上のこととするためで、こうした細 部に亘るこだわりにも作品の特異性が際立っています。  独創的なアイディアと天才的力業とでもいうべき画期的な表現が発揮された「レリオ」ですが、ムーティがここに至る過程で、その上演に情熱を傾けて きたのは熱心なファンのあいだでよく知られるところです。  2007年8月にザルツブルク音楽祭でウィーン・フィルと、2008年6月にラヴェンナ・フェスティバルでケルビーニOおよびイタリア・ユース管 弦楽団の合同オケと、2009年2月にパリ・シャンゼリゼ劇場でフランス国立Oと、ムーティはひとりの指揮者としては異例ともいえる頻度でこの 作品を演奏しており、シカゴ響を指揮したこのたびの内容はこうした実演でのじゅうぶんな成果を踏まえた流れのなかに位置するものといえます。  当時、この公演の模様は大きく取り上げられましたが、これには「レリオ」の要となる語り手にふさわしく、ムーティによる上記の実演全てに参加して いた名優ジェラール・ドパルデューの存在も見逃せません。ムーティとの呼吸もさすがで、フランス語の味わい深いディクションからは、あらためて作曲者 の意図を知る思いがします。  なお、ムーティは「幻想交響曲」を、1984年にフィラデルフィア管を指揮して録音、2007年にケルビーニOとイタリア・ユース管弦 楽団の合同オケを指揮してライヴ録音していたので、このたびが3種目、「レリオ」については上記ラヴェンナでの公演を収めたライヴ映像作品があったので、 2 種目となります。  2016年1月には、ムーティとシカゴ響の来日も予定されており、ますます注目度の高まるコンビといえるでしょう。 (Ki)
CSOR-9011602
シェーンベルク:コル・ニドライOp.39〜語り手、合唱、管弦楽のための
ショスタコーヴィチ:ミケランジェロの詩による組曲Op.145a*
リッカルド・ムーティ(指)CSO
イルダール・アブドラザコフ(Bs)*
アルベルト・ミズラヒ(語り手)
シカゴ交響楽団cho*

録音:2012年3月、6月*/シンフォニーセンター・コンサートホール(ライヴ)
ムーティ&シカゴ響待望の新譜はシェーンベルクとショスタコーヴィチ。シェーンベルクの「コル・ニドライ」は1938年の作で、英訳されたユダヤ教のタルムードによる語り手、合唱とオーケストラのための作品。14分ほど ながら、ボルテージの高い音楽が繰り広げられます。 注目はショスタコーヴィチの「ミケランジェロの詩による組曲」。ミケランジェロ生誕500年を記念すべく作曲、ショスタコーヴィチ最晩年、彼最後のオー ケストラ作品となりましたが、その初演を作曲者は聴くことができませんでした。もともとは交響曲第16番として構想された演奏時間40分を超える大作 で、交響曲第13番「バビ・ヤール」や第14番「死者の歌」と同形態ながら、歌曲に分類されるためか演奏される機会は多くありません。この作品も死をテーマとし、最晩年のショスタコーヴィチならではの人間業とは思えぬ技巧と境地で、冒頭からオーケストラの深い世界が広がります。 全体を貫く緊張感、ドラマチックな表現はムーティの真骨頂、まさに「交響曲第16番」としての風格と存在感で感動させられます。ショスタコーヴィチ・ ファン必聴の演奏と申せましょう。 バス独唱はイルダール・アブドラザコフ。ゲルギエフ指揮のヴェルディの「アッティラ」をはじめとするオペラで大活躍しています。彼は2005年にノセ ダ指揮BBCフィルと録音(シャンドス盤)していますが、7年を経てさらに解釈に深みが加わりました。 ロシア語訳されているとはいえ、ミケランジェロはイタリアの美術家にして詩人。ムーティにとって自国の偉人の作だけに深い理解と愛着も加わり、誰に も真似できぬ理想的な世界を創りあげています。

CSOR-9011701
ブルックナー:交響曲第9番(1894年版) リッカルド・ムーティ(指)CSO

録音:2016年6月(ライヴ)
世界の巨匠ムーティとシカゴ響によるブルックナー9番の登場。ムーティにとって初録音となります。1891年に創立されたシカゴ響の125周年目のシー ズンを締めくくった演目です(演奏会ではテ・デウムもプログラム後半に演奏されました)。2016年1月には待望の日本公演で日本の聴衆を圧倒した両 コンビ。ムーティは2016年7月28日に75歳を迎えましたが、その直前の6月の収録となる当ライヴでは、ムーティのブルックナー演奏の魅力である 抒情性とドラマティックな推進力が遺憾なく発揮されており、他ではなしえない至高のブルックナーが展開されています。
シカゴ響は、ブルックナーの交響曲を、ジュリーニ、ショルティ、バレンボイム、エッシェンバッハ、ハイティンクといった巨匠たちと演奏を重ねてきたと いう歴史があります。とりわけ管楽器セクションは「ブルックナー・バンド」とも称されるほどに、ブルックナー作品の演奏にかけては特別な存在。ムーティ は、この管楽器セクションから、贅肉のない、痛烈なまでに直截的な音色を引き出しています。コラールのように厳かに響く部分、そして爆発的なエネルギー が輝かしく解き放たれる部分、すべてが完璧にコントロールされています。第2楽章のトリオ部分での、オーボエ首席客演奏者リチャード・ウッドハムの 貢献は特筆に値するでしょう。ムーティが知と感情の完璧なバランスで構築してゆく終楽章は圧巻、終結部の神々しさに深い感動をおぼえます。 (Ki)

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