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ミハイル・プレトニョフ(指) |
| ロシア・ナショナル管弦楽団 |
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ユニバーサル
UCCG-4236
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| 演奏時間: |
第1楽章 |
14:56 |
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第2楽章 |
13:22 |
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第3楽章 |
5:52 |
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第4楽章 |
12:24 |
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| カップリング/幻想序曲「ハムレット」 |
| "早くピアニストに専念して欲しい!と願うばかり" |
この演奏に限ったことではありませんが、全ての演奏者は自分の演奏を録音して世に出す以上、自身でその録音を耳で確認し、聴き手にどういう影響を与えうるかを知るのは最低限の責任だと思います。「録音を聴き直すなど絶対にしたくない」と公言してはばからない人は多いのが現状ですが、指揮者自身が演奏中に感知する音楽と録音を通した音楽とは別物だという当たり前の事実を少しでも念頭においていれば、録音しっぱなしなどという無責任な行動は取れないはずです。ここでプレトニョフは具に自身の録音を検証したかどうかは定かではありませんが、ピアニストとしてあれほど素晴しい録音を多く残しながら、この録音に心から満足したとは到底思えないのです。
プレトニョフの指揮者としての技量を疑問視する声はいろいろありますが、アシュケナージをはじめてするピアニスト出身指揮者に多くみられる弱点(全体を立体的に構築できない。交響曲を指揮する上でこんな致命的なことがあるでしょうか。そして、音色が単色的。レガートに豊かさが欠ける…、等)全てがこの演奏にも当てはまってしまうのです。更に悪いことに、一見明瞭な録音に聞こえますが、ティンパニが弱いかまたは全く聞こえないというのは全く理解できず、元々スケール感のない演奏の上にティンパニの芯を欠くのですからどうしようもありません。但し、第2楽章ホルン・ソロは一聴の価値あり!【湧々堂】 |
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| 第1楽章のツボ |
| ツボ1 |
いくぶん弦のバランスが強いが、クラリネットの音色は温かみがあり、なかなか魅力的。テンポは標準的で、スコアの指示も遵守。 |
| ツボ2 |
軽妙に洗練されたリズムに乗せて進行。テーマが弦に移行するとその音色は薄味で、ロシア臭が皆無に等しいことに気づく。 |
| ツボ3 |
完全に句列車ンどの振幅を意に介さず、サラサラと進行。 |
| ツボ4 |
機械的。 |
| ツボ5 |
スフォルツァンドは効いているが、その後のディミニュエンド開始のタイミングが早い。クレッシェンドの頂点において音楽を充分に感じていれば、このタイミングでのディミニュエンドはあり得ないだろう。 |
| ツボ6 |
スコアにほぼ忠実といえるが、表情にメリハリがない。 |
| ツボ7 |
縦の線は揃っているが、味がない。 |
| ツボ8 |
まず、弦に対して木管の対旋律が強すぎる。ここからテンポを落とし優美に歌い上げているように見えるが、いかにも表面的で全くフレージングにきめきがない。 |
| ツボ9 |
16分音符は曖昧。最後に逞しい造形力を見せるが、録音のせいか、響きに豊かな質感を感じさせない点が残念。 |
| 第2楽章のツボ |
| ツボ10 |
冒頭の弦は、呼吸の浅さを露呈。ホルンは技術的に万全であるばかりか、ヴィブラートがこんなに音楽的にしっくりと来る演奏は実に稀少。なんと心の通った演奏うだろう! |
| ツボ11 |
全く頂点を築けず、横にだらだら流れてしまう。 |
| ツボ12 |
クラリネットはまずまず。その後のファゴットが更に良い。 |
| ツボ13 |
ここでもプレトニョフは、音色イメージを持たないままやり過ごしている。 |
| ツボ14 |
音量は大きくなっているが音楽が大きく成長しない。フォルテ4つの最高潮点も、体の弱い人が無理に絶叫しているような痛々しささえ感じる。 |
| ツボ15 |
型どおりの優しい表情を浮かべているに過ぎない。 |
| 第3楽章のツボ |
| ツボ16 |
わずかにテンポを落とす。 |
| ツボ17 |
オケの技量が確かであることは良くわかる。 |
| ツボ18 |
2回ともガタガタ。 |
| 第4楽章のツボ |
| ツボ19 |
なんと全くティンパニが聞こえない!極端に弱音で一貫しているのかもしれないが、それでも意味不明。テンポはカラヤンの近いかやや速め。 |
| ツボ20 |
ホルンは完全に裏方。 |
| ツボ21 |
テンポは意外なほどゆったりめ。ティンパニは、主部の直前でクレシェンドし、主部冒頭で音量を落とす、という私個人的に最も理解に苦しむ手段を選択。61小節と65小節でもスコアどおりクレッシェンドを施しているが、ディミニュエンドの指示はどこにもなく、まして冒頭において急にディミニュエンドを行なうのは、音楽を意味もなく小さくする以外の何物でもない、と思うのだが。それが大きなうねりとなって押し寄せるのであれば別の話だが、このように単に強弱を繰り返すだけというのは困りもの。 |
| ツボ22 |
完全に無視。 |
| ツボ23 |
よく聞こえる。そして、音程が実に良い。 |
| ツボ24 |
主部冒頭のテンポ。直前のテンポの落とし方が素人くさい。 |
| ツボ25 |
これまた叩いていないに等しい鈍い音。 |
| ツボ26 |
そのままインテンポ。 |
| ツボ27 |
ここもほぼ主部冒頭のテンポと同じ。それにしてもティンパニは寝ぼけているのだろうか? |
| ツボ28 |
楽譜の音価より長め。ティンパニはもはや無用とい言いたい! |
| ツボ29 |
弦が懇親も力を込めてハリのある音色を披露。 |
| ツボ30 |
弦もトランペットもテヌート。 |
| ツボ31 |
ムラヴィンスキー型改変。499小説の第2音からトランペットを休止し、502小節から再浮上させる。しかし、弦の音量は一定のままなので、トランペットのみが急に抜け落ちた感が否めず、ムラヴィンスキーとの幻術製のあまりの開きに愕然。503小節のスフォルツァンドは実行しているが、あまり効果なし。 |
| ツボ32 |
綺麗に鳴っている。 |
| ツボ33 |
最後の2小節だけテンポを落とす常識的な締めくくり方。このテンポ感はスヴェトラーノフに似ているが、スケール感は雲泥の差。 |