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協奏曲B〜バルトーク


レーベルと品番、ジャケット写真は管理人が所有しているものに拠っていますので、現役盤と異なる場合があります。



バルトーク/BARTOK

EMI(Gemini)
CZS-5854872(2CD)
ヴァイオリン協奏曲第1番&第2番、ヴィオラ協奏曲、狂詩曲第1番&第2番*
二重奏曲、無伴奏ヴァイオリン・ソナタ
イェフディ・メニューイン(Vn,Va)、ドラティ(指)ニュー・フィルハーモニアO、ブーレーズ(指)BBC響*、他
録音:1965年(Vn協奏曲)、1966年(Va協奏曲)、1968年(狂詩曲)、1974年(無伴奏Vnソナタ)
“作曲家との深い交流から生まれた歴史的至宝!”
メニューインがEMIにステレオで遺したほぼ全てのバルトーク作品を集めた2枚組。亡命後のバルトークを支援し、生き様も含めて熱く共鳴したメニューインだからこそ可能な名演。よくメニューインの全盛期はモノラル期で終わったと言われますが、ここではどの曲も、音色の輝き、意味深さが尋常ではく、技術的な傷など感じさせない精神力とすすり泣きが渾然一体となり、軽く聴き流せる瞬間など皆無なのです。特にVn協奏曲の第2楽章における血の叫びは、聴き手の心をえぐります。Va協奏曲でのじっくり絞り出す情感も印象的。二人の伴奏指揮者も、そんなメニューインのひたむきな没入に完全に応えているのですから、感動が更に倍加です。メニューインが作曲委嘱、初演した無伴奏ソナタも、第1音から凄い気迫!聴く側にも相当の覚悟が必要です。

COL LEGNO
WWE-20091
ピアノ協奏曲全集(第1〜3番)
ゲザ・アンダ(P)、エルネスト・ブール(指)バイエルンRSO
録音:1957年4月26日 ヘラクレスザール(モノラル・ライヴ)
“あのDGの名盤が一気にかすむ、常軌を逸した爆演!”
なんという凄い演奏が眠っていたことでしょう!アンダのバルトークといえばDG録音が有名ですが、その存在すら掻き消すほどあまりにも壮絶な演奏です。最初に第3番が置かれていますが、他の2曲に異なり優美さが優る作品と思われているのが嘘のような濃密さ!気品に溢れる第1主題からして隈取りが克明な編んだ絶頂期のタッチに彩られ、モノラルにもかかわらず色彩が極めてビビッドな上に音の内容量が既に飽和状態に達しています。全3曲に共通して言えることですが、オケを半歩ほどリードするテンションの高さに次第に引きずり込まれ、その呪縛に嵌ったら最後です。第2主題の弱音で奏でられるコラール主題は、メランコリックなどという次元では済まされず、静かな佇まいの中に荘厳さを秘めるという奥義!終楽章もべとつく寸前の粘着力を保持したタッチでリズムの重心を低く保ち、強靭な意思に満ちたインテンポの説得力は、まさにアンダのピアニズムの真骨頂!大抵の演奏でテンポを落とすC主題に差し掛かってもインテンポを崩さず、その確信力たるや他の追随を許しません!コーダの上行音型が最後の一音まで破綻せぜ強靭さを保って駆け上がるのも圧巻!第3番ですらこのような激高ぶりなのですから、他の2曲は一体どうなってしまうかと思いきや、これまた通常のイメージより数倍過激!3番で見せた強烈なピアニズムに、さらにどす黒い情念を加味し、最初から最後まで息つく暇を与えません!充分に鋭利な迫力を醸しながら決して無機質に陥らない雄弁なブールの指揮共々、最後の一滴までニュアンスを絞りつくしていると言っても過言ではありません。この終楽章も快速に突っ走るそぶりを見せず、リズムの打ち込みが破格の重量感を生み、しかも鈍重な足取りを見せず、巨大な弾丸を容赦なくぶち込むような推進力にただただ唖然。軽快なはずの第2主題もこんな不気味な音楽だったとは!第3主題(2:07)の凶暴さは空前絶後!第2番の第1楽章はまさに火の玉の勢いに圧倒し尽くされ、心臓を撫でながら聴かなければ体がどうにかなりそうな破壊力。終楽章の3:32のファンファーレの迫力も、これに優るものはないでしょう。ブール恐るべし!これは、完全に表現意思と一体化した強靭たタッチと、インテンポ自体に宿る音楽的な説得力といったアンダの最高のピアニズムを完全に捉えきった歴史的ドキュメントです!モノラルながら音質も優秀。拍手なし。

Capriccio
71044[CA](1SACD)
ピアノ協奏曲第1番、第2番、組曲《中国の不思議な役人》*
ゾルタン・コチシュ(P)、ジョルジュ・レヘル(指)、ブダペストPO
ネヴィル・マリナー(指)、シュツットガルトRSO
*
録音:1971年(ステレオ)
“コチシュ19歳時の破天荒なダイナミズム!”
協奏曲は、PHILIPS録音より10年以上前のHUNGAROTON録音。1971年といえば、コチシュがハンガリー国内のコンクールに優勝して脚光を浴び始めた頃で、まだ19歳!PHILIPS録音も全く文句のつけようのない素晴らしいものでしたが、ここでの向こう見ずな迫力、非情な打鍵の応酬の魅力を決して見過ごすわけにはいきません!ピアノの打楽器的な奏法を前面に打ち出したこの2つの協奏曲の魅力に徹底的に照準を絞り、安易な感傷など入り込み隙がありません。第2楽章ですら刹那的雰囲気が途絶えることがなく、レヘルの指揮がこれまた雄弁なこと!両者火花を散らす第2番の終楽章など、恐ろしいほどの気迫に圧倒されます。これほどの録音を実現しながら、なぜ再録音の必要があったのか、全く見当がつきません。生々しく音の輪郭を捉えた録音も魅力。「中国の役人」も、シュトゥットガルトのオケの高性能ぶり、強固なアンサンブルに特に惹かれます。

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