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コンスタンティン・イワーノフ(指) |
ソビエト国立交響楽団 |
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Treasures
TRT-003(1CDR)
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録音:1956年(モノラル) ※TELEFUNKEN LT-6624からの復刻 |
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演奏時間: |
第1楽章 |
14:41 |
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第2楽章 |
12:17 |
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第3楽章 |
5:59 |
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第4楽章 |
12:11 |
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カップリング/チャイコフスキー:フランチェスカ・ダ・リミニ |
“ローカル色に安住せず、入念にニュアンスを注入したイワーノフの真価!” |
※既にVISTA VERA盤のレヴューを掲載済みですが、Treasures盤を聴いて印象が一変しましたので、再レヴュー致します。
この「チャイ5」は、自信満々で豪快なイワーノフのイメージとは、ちょっと様相が異なります。まず特徴的なのが、まるでドイツ系の指揮者のように構成を見据えた正攻法であること。その上で、第1楽章序奏に象徴されるように、行き場のない孤独感を表出し、ダイナミズム放射を抑え、「内向的なチャイコフスキー」に比重をおいたアプローチを行っているのです。極端なコントラストも持ち込まず、ド迫力で圧倒する瞬間も少ないですが、ただ渋いだけの演奏だと思ったら大間違い!第1楽章だけでも、イワーノフが慣習的なロシアン・スタイルから一旦離れて、スコアを丁寧に読み込んでいることが窺えます。第2主題の直前(4:31〜)では、管楽器を抑えて弦の響きをキリッと立たせたり、第2主題冒頭のスフォルツァンドは、これほど求心力を持った例は稀。副次主題が現れる直前(5:44〜)の木管の音型は、わずかにディミニュエンドして弦との橋渡しが実に流麗。大詰め495小節から一瞬ピアニッシモにしてからのクレッシェンドする見事さ等々、パワーで押し切ることを第一に考えていては成し得ない技ばかりでう、全てに細やかな共感が息づいています。そのよう繊細な配慮を持ちながらも、音楽自体は十分に大きく輝かしく聳えているところが、また魅力です。第2楽章のホルン・ソロも、屈指の名演奏で、まさに風格美で魅了。
これは、ロシア的な臭みが苦手という方にも、その臭みこそ命と信じる方にも、両方に訴え掛ける力を持つ名演奏と言えましょう。オケがもしもバイエルン放送響あたりだったら、更に普遍的な価値を誇る存在になったことでしょう。【湧々堂】 |
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第1楽章のツボ |
ツボ1 |
仄暗いクラリネットが絶妙に融合。テンポは、やや遅め。 |
ツボ2 |
主部のテンポもテンポはやや遅めで、先へ進むのを拒むかのよう。クラリネットとファゴットのリズムもエッジを立てずにまろやか |
ツボ3 |
強弱の振幅を抑えて、内省的ななニュアンスを丁寧に表出。 |
ツボ4 |
メゾ・フォルテでわずかにアクセントを施し、アーティキュレーションを明確化。 |
ツボ5 |
スフォルツァンドを完全実施!しかも、サッと聴き手を別世界に誘う求心力を孕む。 |
ツボ6 |
テンポは落とさず、切迫感を炙り出す。 |
ツボ7 |
線は克明だが、決して無機的ではなく、潤いに満ちている。 |
ツボ8 |
感情を露骨に投影せず、イワーノフが決して表現主義に陥らない洗練さも携えた指揮者だということを窺わせる瞬間。 |
ツボ9 |
イン・テンポのまま進行。16分音符は不明瞭。495小節からのクレッシェンドを意味深く実行した例は極めて希少! |
第2楽章のツボ |
ツボ10 |
弦全体のバランスが非常に良く、土臭さと洗練がミックスしたようなニュアンスが印象的。ホルンは、ヴィブラートたっぷりで、よく通る音量だが、品位と風格を兼ね備え、音楽的情報量の多さに唖然!ロシア音楽を聞く醍醐味も満喫。 |
ツボ11 |
一切“溜め”を入れず、一気に雪崩れ込む。 |
ツボ12 |
クラリネットは、イン・テンポで軽く流しているようでいて、粘着力のあるフレージングが雰囲気満点。 |
ツボ13 |
「ツボ7」同様、手ごたえのある見事な響き。 |
ツボ14 |
ティンパニの強打に頼らず、全体が一丸となった見事なヴォルテージの高揚! |
ツボ15 |
繕った繊細さではなく、自然なデリカシーに溢れるフレージングが好印象。 |
第3楽章のツボ |
ツボ16 |
イン・テンポ。 |
ツボ17 |
愉しい音の饗宴ではなく、やや粘着質のフレージングが余情を醸し出す。 |
ツボ18 |
見事な連携を見せる。この後の弦をディミニュエンドするが、わざとらしさ皆無。 |
第4楽章のツボ |
ツボ19 |
威厳を誇示せず、威圧せず、自然な風格美。 |
ツボ20 |
ホルンは、完全に裏方だが、全体の響きの厚みを背後から支える役割を確実に担う。 |
ツボ21 |
ティンパニは、冒頭にアクセントを置きい、後はほぼスコアどおり。テンポもごく標準的。 |
ツボ22 |
完全無視。 |
ツボ23 |
これはパーフェクトと言いたい!決して威嚇ではなく、明確な主張を携えた強靭な張り出し! |
ツボ24 |
主部冒頭よりわずかに速いテンポ。 |
ツボ25 |
鈍い打ち込み。 |
ツボ26 |
そのままイン・テンポ。 |
ツボ27 |
トランペットは、さすがの輝きぶり! |
ツボ28 |
ほぼ楽譜の音価どおおり。 |
ツボ29 |
勇壮な行進だが、他をねじ伏せるような威厳とは異なり、晴れやかな音楽。 |
ツボ30 |
弦は475小節ではレガートで奏し、477小節は音を切る。490小節以降は、完全にトランペット協奏曲!多少弦の音量を落としているっせいもあって、その輝きと巧さたるや鳥肌もの! |
ツボ31 |
スコア通り。 |
ツボ32 |
トランペットとの響きの均衡がとれた、清々しい咆哮。 |
ツボ33 |
見得を切る素振りも見せないイン・テンポ。 |