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協奏曲S〜シューマン


レーベルと品番、ジャケット写真は管理人が所有しているものに拠っていますので、現役盤と異なる場合があります。



シューマン/SCHUMANN


BBC LEGENDS
BBCL-4152
シューマン:ピアノ協奏曲#、チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番*
ルービンシュタインとの対話(聞き手:マイケル・オリヴァー)+
アルトゥール・ルービンシュタイン(P)、
ルドルフ・シュヴァルツ(指)BBC響
#カルロ・マリア・ジュリーニ(指)フィルハーモニアO*
録音:1957年11月27日#、1961年5月16日* 以上ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、1973年10月7日ロンドン+(全てモノラル)
2曲ともルービンシュタインの十八番ですので、素晴らしいのは当然ですが、特にここに聴くシューマンは、ルービンシュタイン独自のピアニズムがこの時点で最高次元を極めていたことを痛切に感じさせる圧倒的な名演奏です。とかく女性的な優美さを持って演奏され、実際にリーリー・クラウスや、クララ・ヴェルツなど女流ピアニストによる名演も多いですが、男性的な力感はもちろんのこと、ブリリアントなヴィルトゥオジティと共に作品のスケール感をこれほど思い知らせれる演奏は決して多くないでしょう。いつもながら、ルービンシュタインの打鍵には力みというものが存在せず、またシューマンだからといって屈折した表情など見せずに悠然とした構えで一貫。第1楽章など細部に拘っていないようでいて、注意深く聞くと付点音符の音化の保ち方や、タッチのコントロールなど、自発的制御力が利いていることに敬服することしきり。終楽章の頑丈な構築と一途な推進力は決して効果を狙ったものではなく、内なる精神の飛翔yそのもの。もちろん技巧的にも晩年のようなまろやかさに傾くことはなく、音楽にピンと一本筋がとおり、緊張感が弛緩することなく、最後まで聴かせてしまうのです。単に「楽天的」という形容されることもあるルービンシュタインですが、ネイガウスが「真のピアニスト」と呼んだその真意を、このシューマンから感じ取る方も少なくないことでしょう。モノラルながら音質的にもストレスなし。


Arbiter
ARB-114

ピアノ協奏曲、幻想小曲集〜夢のもつれ、シューベ
ルト
:即興曲Op.90-3、
ショパン:ボレロ、夜想曲Op.9-2、練習曲Op.25-12、
ズガンバーティ:メヌエット・ヴェッキオOp.18-3、
エミール・フォン・ザウアー:ピアノ・ソナタ第1番/即興曲/オルゴール/Espenlaub
エミール・フォン・ザウアー(P)、メンゲルベルク(指)ACO
録音:1940年(モノラル)
幻の凄演!聴き手の五感を刺激する、ザウアー78歳の至芸!!
この協奏曲は、宇野功芳氏がるコルトー盤と拮抗する感動的名演!冒頭から物凄いロマンの香気をふりまきます。メンゲルベルクの豪快な棒の下、ザウアーは格調高く豊麗なタッチを張り巡らせ、リスト門下の意地を見せつけます。第1楽章コーダの畳み掛けからそのままテンポを持ち込んだ第2楽章の導入のしなやかさ、常に感動を約束する激烈なルバートなど、魅力は尽きません。第2次大戦でロシアに没収されていたソロ録音も、まさに気品の結晶!音質も年代のわりには聴き易いものです。


SCRIBENDAM
SC-018(3CD)
ピアノ協奏曲 +ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番*、第4番、合唱幻想曲*、
ウェーバー:小協奏曲、モーツァルト:ピアノ協奏曲第9番「ジュノム」、第26番「戴冠式」*
リリー・クラウス(P)、ヴィクトル・デザルツェンス(指)ウィーン国立歌劇場O
ジャンフランコ・リヴォリ(指)アムステルダム・フィルハーモニー協会O*
録音:1966年頃(ステレオ)
“クラウスの溢れるロマンティシズムが曲想と見事に合致!”
コンサートホール原盤によるクラウスの協奏作品を集めたセット。コンサートホールのステレオ録音の中ではシューリヒトの「ブル7」やワルター・ゲールの「くるみ割り人形」と共に屈指の名演です。第1楽章導入の決然とした意志が迸る打鍵から説得力絶大!オケが奏でる第1主題を引き継ぐ際のピアノの入りでは、微妙に間を取り、潤いに満ちたタッチで哀愁を滲ませながらどこまでも沈みこんでいく風情がたまらない魅力。その後もアレグロの部分としっとりと緩やかに歌われる箇所とのコントラストが絶妙で、女性的という一語では済まないクラウスの感受性の大きさを感じずにはいられません。第2楽章も美しく奏でた演奏はいくらでもありますが、最初の主題に象徴されるように、音楽を内面から豊かに伸縮させるセンスは誰もかないません。特に符点音符を頂点とするフレージングの膨らませ方は絶対にお聴き逃しなく!中間部ではオケとピアノが主役の交代を繰り返しながら、いかにもシューマン的なロマンの香気を漂わせますが、両者が対話をするというより、完全に渾然一体となった麗しい流れになっているのも印象的で、同様のニュアンスは第1楽章にも登場します。終楽章はクラウス節全開!短い音価が連続するフレーズで、その結尾のテンポを微妙に走らせてフレーズに勢いを持たせる独特の節回しは、野暮ったいどころか音楽全体に比類なき躍動を与えています。この作品を味わう上でも、クラウスの芸術性を知る上でも欠かせない録音です。他では、ベートーヴェンの第4番、モーツァルトの[ジュノム」の素晴らしい演奏です。

BMG
74321-21284
ピアノ協奏曲 +交響曲第4番
レナード・ペナリオ(P)、小澤征爾(指)LSO、ラインスドルフ(指)BSO
ステレオ録音
“ただのアメリカンではない!ペナリオの真の力量を証明!”
ペネリオのピアノは、一見いかにも米国人らしい楽観的な印象を受けますが、人なつっこい表情と微妙なタッチの変化に次第に引き込まれたら、その魅力から離れられなくなります。そのピアニズムは、まさにシューマンにうってつけで、この協奏曲も米キャピトル録音の「子供の情景」と並ぶ隠れた名盤です。どうぞ、笑顔の裏の哀愁を感じ取ってください。一方の交響曲も、ラインスドルフ&BSOの録音の中でも傑出したもの。晩年まで用いていた改訂版による演奏で、管の主旋律、弦の内声部を徹底的に補強した結果、この鳴りっぷりです!

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