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クラシック/評伝・エッセー 【サ行】
サンソン・フランソワ ピアノの詩人
ジャン・ロワ:著、遠山菜穂美、伊藤制子:訳 ヤマハ 税別\1,800
“快楽のために生き通した天才フランソワの素顔!”
日本語で読めるフランソワの評伝としてはこれが唯一なので、実に貴重です。稀代の天才フランソワのう生き様、音楽観が、プライベートな部分(ミシェル・オークレールとの交際、酒、タバコ…)も含めて深く掘り下げているのが特徴で、フランスの評論家、ロワの共感に満ちた文章も好感が持て、興味尽きることなく読み通すことができました。“フランソワ、自身を語る”という章は特に圧巻で、数々の閃きに満ち溢れた録音から今まで想像していた作品への対し方、タッチの趣味などが実際の彼の言葉で裏づけられ、改めてあの霊感に満ちた名演の奥に潜む息づかいの秘法を確認することができます。彼の人生のキーワードは「愛と快楽」。彼は快楽よりも知識に価値を見出す者への嫌悪を露にし、快楽のために弾き、快楽のために鑑賞する聴衆を心から愛していたのでした。演奏に出来不出来が多いなどと言われることが多いですが、常に一定のクオリティを保って演奏すること自体、彼には全く意味のないことだったのです。遂に未完に終わった最後のドビュッシーの録音のいきさつも、分かりやすく記述されています。写真も豊富。巻末にはディスコグラフィーの収録。
〜本文中の名言〜
・私が本当に愛しているのは「現在」だけだ-サンソン・フランソワ(54頁) ※私自身もそうである。フランソワとは次元が違いすぎるが。
・私は自分の快楽のためだけに生きる。誰にも頼らない。孤独だからだ。-サンソン・フランソワ(60頁)
・作曲家に関することについて、私は興味はありません。-サンソン・フランソワ(76頁) ※ただ楽譜から感じること以外、彼には無意味なこと。
・演奏するために演奏するのではない-サンソン・フランソワ(86頁) ※音楽を理論で捉えると、音が語りかけてくるものにじっと耳を澄ますゆとりが失われる、という意味の言葉が続く。彼のどの演奏からも、この独特のゆとりが感じられ、そこからあの独特の香気が立ち込めている。




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